作成日
:2022.06.28
2023.03.16 15:54
仮想通貨(暗号資産)市場では、日々新しいプロジェクトが開発されています。近年ではアクシーインフィニティ(AXS)などのPlay to Earnに続く形で、STEPNなどのMove to Earnゲームが人気になりました。そして、さらに「Sleep to Earn」のゲームが登場しました。Sleepagotchi(スリーパゴッチ)です。Sleep(寝る)ことで仮想通貨を稼ぎます。
2022年6月末時点で、Sleepagotchiはアルファ版のアプリをリリースしており、1万人限定で参加できます。参加申請者数は既に2万名近いですが、希望者の中から毎日抽選で選ばれます。よって、今から参加しても間に合います。
SleepagotchiはSleep to Earn、すなわち「寝て稼ぐ」をコンセプトにした新しいブロックチェーンゲームです。トレーディングカードゲームの「遊戯王」や「ポケモン」などにインスピレーションを受け、ハーバード大学の学生のスピンアウト企画としてスタートしました。
Play to Earnの成功を受け、「運動して稼ぐ」Move to Earnや、「学んで稼ぐ」Learn to Earn、「歌って稼ぐ」Sing to Earnなどの新しいゲームが登場しています。これらのブロックチェーンゲームは、独自仮想通貨やNFTを発行しており、それを報酬としていることが特徴的です。仮想通貨市場では、今後も新しい形のブロックチェーンゲームが登場すると予想されています。
現時点では、iOSデバイスを使って無料で遊べます。iOSのヘルスケアアプリと連動しており、アップルウォッチなどを接続してプレイすることも可能です。ゲームのルールは簡単で、就寝時間と起床時間を設定して、そのスケジュール通りに実行するだけです。ユーザーは起床した際に、宝箱「NightBox」からNFTや独自仮想通貨「SHEEP」などを獲得できます。ウェアラブルを使えば、より多くの報酬を獲得できます。
Sleepagotchiは正式なリリース前にもかかわらず、日本で既に話題になっています。
公式ウェブサイトが英語の他に日本語に対応している他、インフルエンサーがYouTube(ユーチューブ)やTwitter(ツイッター)上で情報発信していることから、注目度が高まっています。特にTwitter上では、多数のユーザーがSleepagotchi情報を拡散しています。仮想通貨関連メディアも、Sleepagotchiを取り上げ始めています。また、著名ゲームギルド「LGG」などが、SleepagotchiのAMA(開発者などが質問に回答するセッション)をサポートするなどの動きもあります。
ただし、アルファ版ホワイトリストへの登録人数は、最大1万名に限定されています。アルファ版で楽しむには、ウェイティングリストに早く登録して、抽選に参加する必要があります。
仮想通貨市場におけるホワイトリストとは、ユーザー名簿を指します。この名簿に登録されると、ゲーム、エアドロップ(仮想通貨の無料配布)、トークンセールなどのイベントに参加できます。人数制限が設けられている場合、ホワイトリストへの登録は抽選となることがあります。その際に、コミュニティに招待した人数が多いユーザーや、より多くのタスクをこなしたユーザーは、当選確率が上がるなどの優遇措置を受けられる場合もあります。
Sleepagotchiには、メタバースやNFTゲームの要素があります。ユーザーは、自分の部屋「MetaRoom」に家具を設置してカスタマイズ可能です。これらの家具は、NFTとして発行されます。ちなみに、NFTは日々の報酬として獲得できるだけでなく、NFTマーケットプレイスで売買できるようになる見通しです。
画像引用:Sleepagotch
単純に部屋を模様替えして楽しむこともできますが、家具を設置することでより多くの報酬を獲得できます。家具には、ベッド、電気スタンド、テーブル、カーペット、ポスター、窓などが含まれます。
それぞれの家具は、NFT毎に見た目が異なるだけでなく、以下のようなレアリティが設定されています。レアリティが高いほど、価値や能力値が高くなると考えられます。
また、それぞれの家具には、以下の能力値も設定されています。
項目 | 内容 |
---|---|
パワー | トークン「SHEEP」を稼ぐ効率性 |
運 | 高いレアリティのNightBoxを獲得できる確率 |
コンボ | 特定の家具の組み合わせで収益性が上昇 |
特殊属性 | パワーや運を上昇させる特殊な属性 |
同種のNFTを2つ合成することで、レアリティや能力値の高いNFTを獲得可能です。
Sleepagotchiはアルファ版のため不明点が多いものの、開発計画がいくつか発表されています。
対応デバイスに関しては、iOSだけでなく、Android版も開発される予定です。ウェアラブルに関しては、具体的な情報は出てきていませんが、ユーザー数拡大のために各種ウェアラブルブランドとパートナーシップを締結する見通しです。その他、グループでチャレンジをこなすソーシャルクラブや、NFTのレアリティスコアに関する機能開発が計画されている模様です。
アルファ版の次にあたるベータ版では、NFTキャラクターがリリースされる予定です。NFTキャラクターは収益性に関わるパワーや運に影響を与えませんが、これらを保有することでSHEEPを獲得できます。
2022年6月末時点で、トークン「SHEEP」は仮想通貨取引所に上場されていないので、現金化できません。従って、ゲーム内通貨としての利用に限定されます。現時点で公開されているSHEEPの使い道は、以下の通りです。
SHEEPは、NFTのレベル上げなどで使われると、バーン(焼却処理)されて永久に使用できなくなります。これは、SHEEPの供給量を引き締め、値崩れを予防することにつながります。
過去の例から見ても、Play to Earnのトークンは値崩れを起こしやすいことがわかっています。例えば、Move to Earn「STEPN」のGSTトークンは、以下の通りとなっています。
トークン価格が上昇している間、ユーザーは将来の価格上昇を期待して、長期保有を続けます。しかし、下落トレンドに転じると利益確定を急ぎますので、価格が一気に下落します。価格が大幅下落した後も、緩やかに下落を続けます。これが、典型的な値動きです。
このような事態を避けるために、Sleepagotchiは「Token Balance Adjuster」と呼ばれる仕組みを導入する見込みです。SHEEPは日々の報酬として発行され、その量はToken Balance Adjusterによって調整されます。その仕組みはシンプルで、SHEEP価格が0.001ドル以上ならば1日に配布する報酬の総量を多くして、0.001ドル未満ならば報酬の総量を減らすことで、需要と供給のバランスを保つよう試みます。
Sheep Token(SHEEP)は、国内外の主要な仮想通貨(暗号資産)取引所において、まだ取り扱われていません。
日本語対応の海外取引所における、SHEEPの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は下記の通りです。
取引所 | 現物 | デリバティブ |
Binance(バイナンス) | × | × |
Bybit(バイビット) | × | × |
Gate.io(ゲート) | × | × |
CoinEX(コインイーエックス) | × | × |
MEXC(メクシー) | × | × |
BingX(ビンエックス) | × | × |
Bitget(ビットゲット) | × | × |
Binance(バイナンス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Bybit(バイビット)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Gate.io(ゲート)
現物 | デリバティブ |
× | × |
CoinEX(コインイーエックス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
MEXC(メクシー)
現物 | デリバティブ |
× | × |
BingX(ビンエックス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Bitget(ビットゲット)
現物 | デリバティブ |
× | × |
取り扱いはないものの、海外取引所は新規トークンの上場に積極的です。SHEEPが上場する可能性が高いのは海外取引所でしょう。
海外取引所は日本語対応が充実しているBybit(バイビット)がおすすめです。
Sleepagotchiは、新しい分野のゲームとして革新的な存在となるかもしれません。特に、日本国内の仮想通貨コミュニティでは、アルファ版段階で話題になっており、ブームの予兆を見せています。今後、ベータ版や正式版のリリースが控えているので、早い段階でSleepagotchiを始めれば、新しいブームに乗れるかもしれません。Sleepagotchiはスマホから無料でプレイできるので、参加を申請してみるのも良いかもしれません。
作成日
:2022.06.28
最終更新
:2023.03.16
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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