作成日
:2022.02.04
2023.03.16 15:54
2022年1月31日、仮想通貨(暗号資産)取引所のBybit(バイビット)は、イーサリアム(ETH)の送金手数料の高騰などを引き起こすスケーラビリティ問題解決のために開発されたアービトラム(Arbitrum)ネットワークに対応したと発表しました。
イーサリアムは送金手数料の高騰が問題となっており、気軽にイーサリアムを送金できない状況が続いていますが、Bybitがアービトラムに対応したことにより、Bybitへの入出金については送金手数料が安くなるとともに送金速度も劇的に向上しました。
イーサリアムの入金・出金をアービトラムネットワークで行う場合、Bybitだけでなく入金や出金の相手方となるウォレットもアービトラムに対応している必要がありますが、大手取引所のBinance(バイナンス)を始め、アービトラムに対応するウォレットは増加しているため、活用できる幅は広がりつつあります。
アービトラム(Arbitrum)は、イーサリアム(ETH)ブロックチェーンのレイヤー2として、Offchain Labsが開発を手がけるブロックチェーンです。イーサリアムは慢性的なスケーラビリティ問題(ブロックチェーンの処理能力が制限されていることに起因する障害)を抱えており、その解決策として複数のレイヤー2プロジェクトが立ち上げられています。
特に、2020年頃から続くNFT(ゲームアイテムやデジタルアートなどのコンテンツをトークン化する手段として利用される技術)やDeFi(ブロックチェーン上における金融関連サービス)ブームの影響で、主要なブロックチェーンプラットフォームであるイーサリアムにおいては、レイヤー2開発の重要性が増している状況です。
メインとなるブロックチェーンであるレイヤー1に対して、それを基礎に構築され、情報処理を手助けする副次的なブロックチェーンをレイヤー2と呼びます。レイヤー2は、ブロックチェーンを高速化し、取引承認の遅延や手数料高騰などのスケーラビリティ問題を緩和することに貢献しています。イーサリアムにおけるレイヤー2は、それぞれが独立したプロジェクトとして存在しており、異なるソリューションを開発しています。
このような中でアービトラムは、注目のレイヤー2ブロックチェーンとして開発をスタートし、2020年10月にテストネット(テスト環境のブロックチェーン)、2021年5月にメインネット(本番環境のブロックチェーン)を試験的に公開しました。当記事執筆時点で、アービトラムはポリゴン(MATIC)やパラステート(STATE)などのレイヤー2ブロックチェーンと並んで実用化されています。
既に多数のDApp(ブロックチェーン上で動作する分散型アプリケーション)がアービトラムで展開しており、DeFi関連サービスのアーべ(AAVE)やカーブファイナンス(CRV)などが対応しています。なお、中央集権型の仮想通貨(暗号資産)取引所としては、Bybit(バイビット)の他にBinance(バイナンス)などもアービトラムを介した入出金に対応しています。
Bybitがアービトラムに対応したので、イーサリアムを基礎とするERC-20(イーサリアムのトークン規格)トークンの取引手数料が割安になり、更に利用しやすくなるといえます。
アービトラムで入出金を行うには、送金を行う側と受け取る側の双方がアービトラムに対応している必要があります。主要仮想通貨取引所・ウォレットの対応状況は以下の通りです(2022年2月4日時点)。
別のウォレットからBybit(バイビット)にイーサリアム(ETH)を入金する際に、アービトラム(Arbitrum)を使用する方法を紹介します。
Bybitにログインし、右上にある「資産」にマウスポインタを合わせると表示される「現物アカウント」をクリックします。
ETHの項目の「入金する」ボタンをクリックします。
「チェーンタイプ」として「Arbitrum One」を選択すると、アービトラムを使った入出金が可能です。
Bybitだけでなく、入金・出金の相手方となるウォレットもアービトラムネットワークに対応している必要があります。対応しているかどうかを事前に確認し、アービトラムネットワーク用のウォレットアドレスを使用して入金・出金を行ってください。
2022年1月31日、仮想通貨取引所Bybit(バイビット)では、アービトラムを使ったイーサリアム(ETH)の出金が可能となりました。その方法を紹介します。
Bybitにログインし、画面右上の「資産」にマウスポインタを当てると表示される「現物アカウント」をクリックします(手順2に進みます)。
「資産」の表示がない場合は、画面左上にあるメニューボタンを選択します。
表示されたメニューから「資産」の「現物アカウント」を選択します。
現物アカウントの資産状況画面が表示されたら、画面左上にある「出金」を選択します。
表示された出金画面で、「ウォレットアドレスを追加する」を選択して送金先のメタマスクのアドレスを追加します。
ウォレットアドレスの追加画面が表示されるので、画面右側にある「+追加」を選択します。
「コイン」欄で「ETH」を選択、チェーンタイプで「Arbitrum One」を選択し、アドレス部分に送金先メタマスクのアドレスを入力、そして「アドレス名」に任意のアドレス名を設定し、「確定」をクリックします。
番号 |
入力項目 |
説明 |
---|---|---|
1 |
コイン |
出金する仮想通貨を選択します。今回はETHです。 |
2 |
チェーンタイプ |
Arbitrum Oneを選択します。 |
3 |
アドレス |
メタマスクの0からはじまるアドレスを入力します。 |
4 |
アドレス名 |
識別用に、名前を自由に設定します。 |
先ほどの出金画面に戻り、コインを「ETH」、チェーンタイプを「Arbitrum One」、ウォレットアドレスで先ほど設定したアドレスを選び、出金したいETHの数量を設定し、提出を選択すると送金できます。
番号 |
入力項目 |
説明 |
---|---|---|
1 |
コイン |
出金する仮想通貨(ETH)を選択します。 |
2 |
チェーンタイプ |
Arbitrum Oneを選択します。 |
3 |
ウォレットアドレス |
追加したメタマスクのアドレスを選択します。 |
4 |
数量 |
出金したい仮想通貨の数量を入力します。 |
イーサリアム(ETH)は人気の高さに比べて送金能力が低く、送金手数料が常に問題になってきましたが、Bybit(バイビット)がアービトラム(Arbitrum)に対応したことにより、気軽にイーサリアムを入金できるようになりました。
Bybitは数多くのユーザーを獲得して勢いがありますので、今後もユーザー向けの利便性改善をしていくと期待できます。
作成日
:2022.02.04
最終更新
:2023.03.16
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