作成日
:2022.11.21
2022.12.05 18:56
ファントークンとは、ファンとブランドの関係構築を目的とした仮想通貨(暗号資産)です。保有者はブランドの方針決定に投票できるなどの特典を得られます。FCバルセロナなど名門クラブが発行したことから、サッカークラブによるファントークンの活用が特に注目されています。
ファントークンは大手仮想通貨(暗号資産)取引所のBinance(バイナンス)も発行しています。2021年10月14日、イタリア・セリアAの名門サッカークラブであるラツィオのトークンが発行され、Twitter(ツイッター)で話題になりました。
当記事ではファントークンの仕組みを説明した上で、バイナンス・ファントークンの特徴や購入方法などを解説します。
ファントークンとはファンとブランドの関係構築を行うことを目的とした仮想通貨です。あまり馴染みがないかもしれませんが、仮想通貨市場ではファントークンの発行や取引を担うプラットフォームが需要を伸ばしている状況です。
ここでは、ファントークンがどのような仮想通貨で、どのように利用されているのか、簡単に説明していきます。
今の所、ファントークンは主にスポーツ業界での利用が進められています。特に欧州の人気クラブがファントークンを採用したことから、プロサッカークラブの間ではファントークンの導入が活発になってきています。日本でもJリーグの湘南ベルマーレがファントークンを採用しており、その利用は世界に波及しているといえるでしょう。
湘南ベルマーレのファントークンは、トークンを保有していると、サポーター投票企画への参加権や特典の抽選への応募券が付与される仕組みになっています。
また、J2に所属するFC琉球もファントークン「FCRコイン」を発行しています。上場直後に暴落し、炎上騒ぎとなってしまいましたが、日本のプロスポーツクラブで初のトークン発行であったため注目されていました。
新型コロナウイルスの影響で痛手を負う中、スポーツ業界はファントークンを利用して新たな収益構造を作り出そうと試みています。スポーツファンであれば、ファントークンを購入して、ひいきのチームを応援してみるのも良いかもしれませんね。
ファントークンが持つ役割は多様ですが、現在、流通するものの多くがユーティリティトークンとして発行されています。ユーティリティトークンは、ブロックチェーンを介して商品やサービスなどと交換することを前提に発行される仮想通貨です。
ファントークンはファンが特典やグッズ購入を目当てに保有するだけでなく、投資家が投資目的で売買するようになってきています。ファントークン価格は特典の内容やチームの成績、人気などに連動すると考えられています。
ファントークンの歴史はあまり深くありませんが、今後、スポーツ業界だけに止まらず、幅広い分野で利用されていくと予想されています。
NFTの技術もスポーツ業界で活用されています。試合中のワンシーンをNFTに紐づけたコンテンツを見たことのある人も多いでしょう。NFTもファントークンもブロックチェーン上に存在するトークンです。しかし、両者は別物として区別されています。
大きな違いは、唯一無二の存在かどうかという点にあります。NFTは、それぞれが固有の価値を持ちます。以下の画像は「クリプトスペルズ」というゲーム内で利用されるNFTカードです。左上の2つのカード、右下の2つのカードは見た目は変わりませんが、NFT技術により別物として識別できます。
画像引用:Crypto Spells
一方、ファントークンは日本円やビットコインなどと同じ性質であり、自分が持っているものと他人が持っているものは同じです。交換しても何も問題はありません。このようにファントークンとNFTには違いがあります。
では、Binance(バイナンス)が発行するバイナンス・ファントークンとはどのような仮想通貨なのでしょうか。ここではポイントを絞って、バイナンス・ファントークンの特徴を紹介していきます。
バイナンス・ファントークンとは、Binanceの独自ブロックチェーンであるBNBチェーン上で発行されるユーティリティトークンです。バイナンス・ファントークンはBinanceのサービスと連動しており、同取引所で他の仮想通貨との取引に利用することも可能です。
2022年11月現在、Binanceではポルトガルのサッカークラブ「FCポルト」、ブラジルのサッカークラブ「サントスFC」を対象としたファントークンも取り扱われています。
過去にBinanceはスペインのFCバルセロナやイタリアのACミランとコラボして、ファントークンをリリースした経緯があるため、今後さらに一流サッカークラブがラインアップに追加される可能性があると期待されています。
ちなみにBinanceは、スポーツ以外にもゲーム、eスポーツ、エンターテインメントの分野でブランドとの提携を進めていくと言及しています。
ファントークンはスポーツ業界で普及し始めていますが、それ以外では音楽業界で導入が進められている状況です。例えば、米ロックバンドのポルトガル・ザ・マンは、2021年初めにファントークンであるPTMコインの発行を実現しています。PTMコインの保有者には、未発表の楽曲のオーディオアーカイブやライブ配信へのアクセス、プライベートコミュニティへ参加する権利が与えられています。
今回、Binance(バイナンス)はバイナンス・ファントークン・プラットフォームと呼ばれるハブ機能を公開しています。Binanceは同プラットフォームを通じてバイナンス・ファントークンの購入を促進していますが、ユーザーにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、その詳細を掘り下げて解説していきます。
バイナンス・ファントークンの保有者は、クラブに関連する限定版のNFTをいち早く獲得することができます。また、BinanceのNFTマーケットプレイスはミステリーボックスと呼ばれる「ガチャ」のような機能を実装しており、ユーザーはそこからNFTを獲得することが可能です。
獲得したNFTはコレクションしたり、将来的にはBinanceのNFTマーケットプレイスで転売することが可能となる見通しです。
NFTとは日本語で「非代替性トークン」と訳すことができます。現在、NFTはゲームアイテムやデジタルアートなどのコンテンツをトークン化する手段として利用されています。これらのNFTはマーケットプレイスで取引可能なことから、投資対象としても注目され始めているのです。
バイナンス・ファントークンはクラブとファンのコミュニケーションを強化するためにも利用され、保有者はクラブの意思決定に投票を通じて関与することができる仕組みになっています。具体的にバイナンス・ファントークンは販売するグッズの選定、イベント企画などに関する投票権を付与します。
クラブ運営に関わりたいファンにとっては、これだけでファントークンを保有するモチベーションになるといえますよね。
ファンバッジとはオンラインコミュニティで広く利用されているランクシステムです。コミュニティへの貢献度などでランクが上がっていく、または、新しいファンバッジが付与される仕組みになっているので、コミュニティの活性化などに用いられています。
バイナンス・ファントークンにおいては、ファンバッジを獲得すると特別な報酬が受け取れるようになります。
バイナンス・ファントークンの保有者は、上記以外にも特別な体験やサイン入りグッズなどの特典を受け取れる可能性があります。受け取れる特典はトークンを発行するブランドごとに変わる仕組みです。どんな特典が用意されているか、また今後どんな特典が付与されるか楽しみですね。
バイナンス・ファントークンは3つの方法で購入することができます。以下ではその方法に関してひとつずつ紹介していきます。
初めにBinanceは、同取引所のIEO(新規取引所公開)プラットフォームであるバイナンスローンチパッドでバイナンス・ファントークンを販売します。2021年10月に発行されたラツィオのファントークンは、バイナンスローンチパッドで400万通貨が売り出されました。
IEOは、取引所経由で仮想通貨を先行販売して資金調達する手段です。従来の仮想通貨を用いた資金調達方法は、詐欺などのリスクを抱えていましたが、IEOは取引所が審査を行うことで安全性を担保しています。Binanceなどの大手取引所によるIEOは人気になりやすく、仮想通貨市場でも注目のイベントとなっているのです。
バイナンスローンチパッドに参加するには、BNB(ビルドアンドビルド)を保有する必要があります。BNBの保有量に応じて購入できる枠が割り当てられ、その枠の範囲内で実際にBNBと引き替えて購入することができます。
バイナンスローンチパッドで販売される仮想通貨は、その後、現物市場で取引することが可能となります。バイナンス・ファントークンも例外ではなく、ユーザーは対応の仮想通貨を利用して取引することができます。
また、BinanceはP2P(個人間の直接取引)市場もサポートしているので、条件が合えば、そこからバイナンス・ファントークンを購入することも可能です。少し様子を見てから購入を検討したいということであれば、現物市場やP2P市場を利用するのも良いでしょう。
Binanceは一部国と地域を対象に、クレジット/デビットカードを利用してバイナンス・ファントークンを購入するオプションを設けています。カードによる仮想通貨購入ページでUSDやEURを支払い通貨に選ぶと、ファントークンを購入することができます。
2022年11月現在、JPYを支払い通貨に選択した場合、購入通貨にファントークンを選ぶことはできません。しかし、日本円で購入できるトークンが増えれば、これが最も簡単にバイナンスファントークンを購入する手段になるでしょう。
バイナンス・ファントークンの登場で市場は盛り上がりを見せていますが、ファントークンは投資先として評価できるのでしょうか。ここからは市場全体に目を向けて、ファントークンの将来性に関する情報を紹介していきます。
現在、仮想通貨市場では仮想通貨関連プロジェクトのチリーズ(CHZ)が、主要なファントークンプラットフォームとして成長を牽引しています。チリーズはサッカー文化が盛んな欧州で、名だたる名門クラブとパートナーシップを締結してファントークンを発行しています。
チリーズは欧州市場だけでなく、米国市場にも50億円を超える投資を行い、事業を拡大していく方針を示しています。米国にはメジャーリーグベースボールのMLB、アメリカンフットボールのNFL、バスケットボールのNBA、アイスホッケーのNHLなどがあることから、チリーズは更なる成長が期待されているのです。
チリーズが発行するネイティブトークンであるCHZは、2021年の初値から20倍以上の価格帯にまで急上昇しています。(2022年11月時点)
画像引用:CoinMarketCap
2022年11月20日には、サッカーワールドカップのカタール大会が開催されました。20日前後、CHZの価格は大きく上昇する場面もあり、注目されていることがわかります。
Binance(バイナンス)がバイナンス・ファントークンをリリースしたことは、仮想通貨市場にポジティブな変化をもたらすきっかけになり得ると考えられます。これまでファントークンはコアなスポーツファンだけのものでしたが、大手取引所のBinanceが取扱いを強化していくことで、より身近なものとなっていくでしょう。
サッカーファンが特典目当てで保有するというメリットもありますし、純粋に投資対象として保有するという使い道もありますね。日本ではまだあまり知名度のない分野ではありますが、Binanceは日本語での情報発信にも積極的な海外取引所ですので、Binance経由でファントークンに触れてみるのはいかがでしょうか。
出典元:
作成日
:2022.11.21
最終更新
:2022.12.05
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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