Select Language

【IMMポジション】ポンド、売り越し幅が拡大

【IMMポジション】ポンド、売り越し幅が拡大

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.02 16:33
【IMMポジション】ポンド、売り越し幅が拡大

update 2021.08.02 16:33

円とユーロ、ショートポジションが増加

米商品先物取引委員会(CFTC)は7月30日、27日火曜日時点の建玉報告を公表した。[1]シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)通貨先物市場における投機筋の通貨別ポジションは下記の通り。

円、ショートポジションが増加

円は対ドルで5万9,934枚の売り越し(ネットショート)であった。ネットポジションは先週比で4,203枚の減少となる。尚、3月16日時点で約1年ぶりに円ショートに転じて以降、円の売り越しは20週間続いている。

IMMドル円ネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC JPY投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(円ロング)が前週比マイナス7.0%、売り建玉(円ショート)はプラス1.9%となった。

【円ポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 35,474 32,975 -7.0%
ショート 91,205 92,909 1.9%
ネット -55,731 -59,934 -

【円ポジション】

ロング
先週 今週 増加率
35,474 32,975 -7.0%
ショート
先週 今週 増加率
91,205 92,909 1.9%
ネット
先週 今週 増加率
-55,731 -59,934 -

26日の週初早々に、ドル円は週間高値となる110円59銭まで上昇した。しかしながら、その後は香港・中国株の急落をきっかけとする世界的な株安を受けてリスク回避姿勢が強まった他、米10年債利回りが急低下したことなどにより、ドル売り・円買い圧力が高まった。また、28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に行われた米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の記者会見を受け、早期のテーパリング観測が後退した。加えて、米4-6月期実質国内総生産(GDP)などの米経済指標が市場予想を下回ったことなどにより、週後半にかけてドル円は週間安値となる109円36銭まで下落した。もっとも、週末30日は月末特有の持ち高調整によるドル買いが入り、109円70銭近辺まで値を戻して取引を終えている。

ユーロ、ネットポジションが約17%減

ユーロは対ドルで3万8,126枚の買い越し(ネットロング)となった。ネットポジションは先週比で7,696枚の減少となる。米欧の金融政策スタンスに格差が生じる中、ユーロのロングポジションを縮小する動きが継続している。

IMMユーロネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC EUR投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(ロング)が前週比マイナス3.1%、売り建玉(ショート)はプラス0.8%となった。

【ユーロポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 208,669 202,245 -3.1%
ショート 162,847 164,119 0.8%
ネット 45,822 38,126 -

【ユーロポジション】

ロング
先週 今週 増加率
208,669 202,245 -3.1%
ショート
先週 今週 増加率
162,847 164,119 0.8%
ネット
先週 今週 増加率
45,822 38,126 -

世界株安やドイツIfo企業景況感指数が市場予想を下回ったことなどを受け、ユーロドルは26日の週初に、週間安値となる1.1763ドルまで下落した。しかしながら、その後は軟調な米経済指標やパウエル議長のハト派的な発言に加え、ドイツ7月消費者物価指数(CPI)やユーロ圏4-6月期GDPなどが市場予想を上回ったことなどを手掛かりに、ユーロ買い・ドル売りが進んだ。週末30日に、ユーロドルは約1ヶ月ぶりの高値水準となる1.1910ドル近辺まで上昇する場面が見られた。

ポンド、ネットポジションが約63%減

ポンドは対ドルで5,684枚の売り越し(ネットショート)となった。ネットポジションは先週比で2,187枚の減少となる。先週、7ヶ月半ぶりに売り越しに転じたポンドは、売り越し幅が拡大している状況だ。

IMMポンドネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC GBP投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(ロング)がマイナス6.8%、売り建玉(ショート)はマイナス1.8%となった。

【ポンドポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 44,223 41,194 -6.8%
ショート 47,720 46,878 -1.8%
ネット -3,497 -5,684 -

【ポンドポジション】

ロング
先週 今週 増加率
44,223 41,194 -6.8%
ショート
先週 今週 増加率
47,720 46,878 -1.8%
ネット
先週 今週 増加率
-3,497 -5,684 -

英国では、足元で新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が鈍化傾向にあり、景気回復への期待からポンドに買いが入った。また、FOMC後のパウエル議長による記者会見がハト派的に受け止められ、緩和策の長期化が意識される中、ドル売り圧力が高まった。加えて、28日と29日に欧州株式が上昇してリスク選好姿勢が強まったことが、ポンド買いに繋がった模様だ。週末30日にかけて、ポンドドルは約1ヶ月ぶりの高値水準となる1.3983ドルまで上昇した。

スイスフラン以外でネットポジションが減少

円(JPY)、ユーロ(EUR)、ポンド(GBP)、豪ドル(AUD)、スイスフラン(CHF)、カナダドル(CAD)、NZドル(NZD)の7通貨では、スイスフランを除き、ネットポジションが減少した。その他の通貨のポジションは下記の通り。

【その他通貨ポジション】

通貨 建玉 先週 今週 増加率
AUD ロング 57,072 57,415 0.6%
ショート 92,762 96,762 4.3%
ネット -35,690 -39,347 -
CHF ロング 18,061 18,262 1.1%
ショート 10,019 9,773 -2.5%
ネット 8,042 8,489 -
CAD ロング 59,883 47,048 -21.4%
ショート 46,968 41,674 11.3%
ネット 12,915 5,374 -
NZD ロング 20,671 19,505 -5.6%
ショート 17,625 18,084 2.6%
ネット 3,046 1,421 -

【AUDポジション】

ロング
先週 今週 増加率
57,072 57,415 0.6%
ショート
先週 今週 増加率
92,762 96,762 4.3%
ネット
先週 今週 増加率
-35,690 -39,347 -

【CHFポジション】

ロング
先週 今週 増加率
18,061 18,262 1.1%
ショート
先週 今週 増加率
10,019 9,773 -2.5%
ネット
先週 今週 増加率
8,042 8,489 -

【CADポジション】

ロング
先週 今週 増加率
59,883 47,048 -21.4%
ショート
先週 今週 増加率
46,968 41,674 11.3%
ネット
先週 今週 増加率
12,915 5,374 -

【NZDポジション】

ロング
先週 今週 増加率
20,671 19,505 -5.6%
ショート
先週 今週 増加率
17,625 18,084 2.6%
ネット
先週 今週 増加率
3,046 1,421 -

release date 2021.08.02

出典元:

ニュースコメント

市場に安心感をもたらすFRB

28日のFOMC後に行われた記者会見にて、パウエル議長はテーパリング開始に向けて今後複数の会合で議論すると表明した。一方、現状の経済環境に関しては、FRBが目標に掲げている雇用最大化には程遠く、物価上昇も一時的とのスタンスを崩していない。これを受け、市場ではFRBによる早期の金融緩和縮小観測が後退している状況だ。パウエル議長はややハト派的とも映る姿勢を貫いているが、今回のFOMCがタカ派な結果であった他、2021年のFOMCで投票権を持つアトランタ地区連銀のボスティック総裁を始め、複数のFOMCメンバーによるタカ派的発言が年明け以降目立ってきている。FRBとしては、未曽有の危機に柔軟に対応すべく、タカ派とハト派的発言を巧みに使い分けることで、市場に安心感をもたらしているようだ。実際に、米主要株価指数は史上最高値圏で推移する一方、一時1.7%台に急騰した米10年債利回りは1.2%台で推移している。市場では12月もしくは2021年1月にテーパリングを開始するとの見方が大勢であるが、引き続きパウエル議長を始め、ブラックアウト期間(金融政策に関する発言を禁じる期間)が明けたFOMCメンバーの発言を注視したい。


Date

作成日

2021.08.02

Update

最終更新

2021.08.02

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル