作成日
:2021.05.19
2022.04.20 12:27
英国を拠点とする仮想通貨(暗号資産)管理会社のCoinSharesは、今月第3週に仮想通貨市場で提供されるビットコイン(Bitcoin)関連の投資商品から運用資産残高(AUM)の0.2%に相当する9,800万ドルの資金が流出したことを報告した。
これまで仮想通貨を対象とした投資商品の運用資産残高は拡大を続けてきたが、同期間中に2020年10月以来初めて合計50万ドルのマイナスを記録したという。特にビットコイン価格が6万ドルで頭打ちとなって5万ドルを割り込んできたことを受け、ビットコイン関連の投資商品が売られている状況だ。先日、ビットコイン価格は過去1ヶ月間で約30%減となる水準にまで下落したことから、このトレンドが継続する可能性が高まっていると言えるだろう。
一方、3日連続で最高値を更新して4,000ドルを突破したイーサリアムは仮想通貨市場で人気銘柄となっており、同仮想通貨を対象とした投資商品の運用資産残高は約2,600万ドル増加している。その他、ポルカドット(Polkadot)やエイダコイン(ADA Coin)、リップル(Ripple)、ステラ(Stellar)などの主要なアルトコインへの投資も加速しているようだ。
現時点でビットコインを対象とした投資商品の運用資産残高は、年初から見ると約42億ドル増加しているが、この値がどのように変化していくのか、今後も仮想通貨市場の動向を見守っていきたい。
release date 2021.05.19
出典元:
ニュースコメント
テスラの方針転換に影響を受けるビットコイン
米電気自動車メーカーのテスラがビットコイン決済の受付を開始した今年3月末以降、同仮想通貨価格は上昇を続けてきた。これをきっかけに上場企業が仮想通貨に投資する流れが拡大しており、ビットコイン価格は6万ドルを超えて史上最高値を更新するに至った。しかしながらテスラがビットコイン決済の利用停止を発表したことを受け、仮想通貨市場では同仮想通貨に対する売り圧力が徐々に強まっているようだ。加えて、テスラのCEOであるElon Musk氏が環境への負荷を理由にビットコインを利用すべきでないと提言したことが各方面で波紋を呼んでいる。このMusk氏の発言は、特に国際連合(United Nations, UN)が提唱する持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals, SDGs)の達成に貢献する企業のビットコイン投資を鈍化させる可能性があるが、どのような影響を及ぼすのか、今後も同仮想通貨の値動きに注目していきたい。
作成日
:2021.05.19
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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