Select Language

海外FXブローカー各社、ロシア情勢悪化に伴い必要証拠金を引き上げ

海外FXブローカー各社、ロシア情勢悪化に伴い必要証拠金を引き上げ

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.04.20 12:27
海外FXブローカー各社、ロシア情勢悪化に伴い必要証拠金を引き上げ

update 2022.04.20 12:27

欧米諸国がロシアに対して制裁措置を発動

ロシア情勢の悪化を踏まえ、セントクリストファー・ネーヴィスを拠点とするFXOpenや、IFC Markets(IFC マーケット)ブランドを運営するIFCMARKETS. CORP.【以下、IFC Marketsと称す】が、FXや株式CFDの必要証拠金を引き上げている。[1]

欧米諸国によるロシアへの制裁を巡り、市場に不透明感が漂う中、FXOpenは2021年4月5日より、対ロシアルーブル(RUB)通貨ペアの必要証拠金を20%(レバレッジ5倍)に引き上げた。同社は必要証拠金を従来の水準に引き下げる際は、迅速に顧客へ通知を行うと言及している。また、IFC Marketsはボラティリティの上昇に鑑み、一部のロシア株式CFDの必要証拠金を20%に引き上げている。これらの企業が必要証拠金を引き上げたことで、グローバルトレーダーにとってはロシア関連の金融商品取引における資金効率の悪化が見込まれるため、他国の商品にシフトする可能性がある。尚、IFC Marketsに関しては、3月9日よりロシアルーブル通貨ペアの取引時間を変更し、午前5時から午後5時(CET、中央標準時)としている。

ロシア情勢を巡っては、同国による各国政府及び大企業を標的としたハッキングや工作活動、反政権活動家の弾圧などを憂慮し、欧米諸国による制裁措置を求める機運が高まっている。実際に、3月下旬にはオーストラリアがロシアの懸念活動に対象を絞った経済制裁と、ロシア人及びクリミアとウクライナのセヴァストポリ(Sevastopol)を違法に結ぶKerch Strait Railway Bridgeの建設に携わっていたロシア企業4社に対する渡航禁止措置を講じた。直近では、4月15日に米国がロシアに対する新たな制裁措置を発動し、米金融機関によるロシア債券の取引制限を拡大する措置などを講じている。

ロシアと欧米諸国の関係性悪化は必須と見られる中、FXOpenやIFC Marketsに続き、ロシア関連の金融商品を取り扱う海外FXブローカー各社が、如何なる対応策を講じるか注目したい。

release date 2021.04.19

ニュースコメント

comment

金融市場の停滞が懸念されるロシア


2018年12月、複数ブローカーに対してロシア中銀がライセンス剥奪を決定した。これにより、国内市場はロシア地盤の金融機関が支配する構図が成立した模様だ。一方、ベラルーシでRoboMarkets LLCがR Traderをリリースするなど、複数の海外FXブローカーが新たな市場開拓先として隣国のベラルーシなどでサービスを拡充している。また、多くのトレーダーがロシアからオフショア市場へシフトしているという。ロシア中銀による不可解な規制強化に加え、同国では詐欺行為も横行しており、ロシアFX市場は発展が遅れている状況だ。そして現在、同国では仮想通貨(暗号資産)市場の取締りを強化している。例えば、ロシア中銀は一般投資家による仮想通貨購入を制限する法案を起草している。大手仮想通貨取引所を運営するHuobiが、ロシア市場向けのモバイルアプリを公開するなど、一部の民間企業が同国を対象としたソリューションを展開しているが、今後、仮想通貨業界への締め付けが更に強まることで、FX業界と同様に競争原理の働かない市場になる可能性がある。ロシア当局が、金融市場の活性化に向けて如何なる措置を講ずるか見守りたい。


Date

作成日

2021.04.19

Update

最終更新

2022.04.20

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

PayPayを使って海外FXとの入出金が可能に?Binance JapanとPayPayが提携を発表

Binance JapanとPayPayが業務提携を発表し、PayPayマネーを使った仮想通貨購入サービスの提供などが検討されています。本記事では、Binance JapanとPayPayの提携内容や、PayPayを使った海外FXとの入出金フローなどを解説します。
update2025.10.17 19:00

海外FXへの仮想通貨送金にはBybitがおすすめ!FXトレーダーに最適なBybitの使い方

海外FXの入出金によく使われる国内銀行送金が以前より使いにくくなっていることを受け、仮想通貨での入出金が注目を集めています。本記事では、仮想通貨送金をするならBybitがおすすめの理由や、海外FXユーザーに最適なBybitの使い方を紹介します。
update2025.08.29 20:00

SwiftTraderが資金難?SNSで出金トラブル報告が増加

2025年以降、SwiftTraderで出金拒否・遅延の報告がSNSで相次いでいます。本記事では報告されている出金トラブルのほか、GEMFOREXとの類似点やSwiftTraderをおすすめしない理由を説明します。
update2025.10.16 19:30

Exnessでシステムエラーによる入出金の不具合が発生?SNSでも報告が相次ぐ

2025年10月、海外FX業者Exnessで入出金エラーが発生し、SNSでも不具合報告が相次ぎました。銀行振込やbitwalletで送金できない事例が確認されており、復旧後も不安の声が続いています。
update2025.10.16 19:00

【本音で比較】海外FXのドル円スプレッドを3ヶ月徹底調査|数千円も業者によってお得に

Myforex編集部では、2024年11月20日〜2025年2月20日の3ヶ月間にわたり、海外FXのドル円スプレッドを1分ごとに独自調査。その結果、業者によって数千円以上のコスト差があることが分かりました。
update2025.08.01 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル