作成日
:2021.04.19
2022.04.20 12:27
今月15日、イーサリアム(Ethereum)の大型アップグレードであるベルリン(Berlin)の実装が完了したことが明らかになった。
当初、ベルリンは2020年中に実装されることが予定されていたが、クライアントソフトに対する懸念から延期となり、最終的に1,224万4,000番目のブロックで有効化された。このアップグレードに伴い、一部ノードの同期化が出来なくなる問題が生じ、大手仮想通貨(暗号資産)取引所のコインベース(Coinbase)がイーサリアムおよびERC-20トークンの出金を停止したのに加え、ブロックチェーン監視ツールであるEtherscanなどにも影響が出たという。現在、イーサリアムブロックチェーンは正常に稼働しており、これらのサービスも復旧しているようだ。
今回のアップグレードはイーサリアムがPoS(プルーフ・オブ・ステーク)のシステムに移行を見据えたものであり、4つのEIP(Ethereum Improvement Proposal)による機能実装を実現した。具体的には複数のトランザクションをサポートするエンベロープトランザクションの追加や、新たなトランザクションタイプの導入、手数料(GAS)の変更などが施されたようだ。
イーサリアムはETH2.0への移行に向けて検証が進められており、仮想通貨コミュニティの動きが活発になってきているだけに、今後も同仮想通貨の動向に注目していきたい。
release date 2021.04.19
出典元:
ニュースコメント
イーサリアム価格の上昇に対する期待が高まる
仮想通貨市場の好調を受け、イーサリアム価格が史上最高値を更新しており、その後も上昇を続けている。現在、次期ハードフォークのロンドン(London)で手数料システムを改善するためにイーサリアムはEIP1559の実装することを予定しているが、仮想通貨コミュニティではそれが同仮想通貨価格の更なる上昇につながるとの期待が高まっているようだ。実際にEIP1559ではETH建てのBASEFEE(基本料金)を焼却処理(バーン)する案が採用されており、イーサリアムの供給量が減少して相対的に希少性が増すことが予想されているという。その他、イーサリアムはETH2.0に移行することでDeFi(分散型金融)プラットフォームとしての需要を拡大する可能性があり、一部アナリストは2025年までに同仮想通貨価格が3,500ドルを突破するとの見解を示しているが、どのような価格推移を見せるのか、今後も仮想通貨市場での動きを見守っていきたい。
作成日
:2021.04.19
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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