作成日
:2021.04.12
2022.04.20 12:27
米国で新たな仮想通貨(暗号資産)業界団体であるThe Crypto Council for Innovation【以下、CCIと称す】が設立されたことが今月6日に明らかになった。
CCIは大手資産管理会社のフィデリティ投信および大手仮想通貨取引所のコインベース、大手決済プラットフォームのSquare、投資ファンドのParadigmによって設立されたグローバルな業界団体であり、政治家や規制当局、世界中の人々に仮想通貨の革新性を伝えることを目的にしているという。具体的にCCIは規制当局との関係構築や教育、リサーチなどの活動を通じ、政府と民間の協力を促しながら仮想通貨によるイノベーションの実現を目指すようだ。
ParadigmのCPO(Chief Policy Officer)であるGus Coldebella氏は、CCIに関して次のようにコメントしている。
我々は仮想通貨が経済成長を促し、雇用を創出し、金融包摂とアクセスを改善し、プライバシーおよびセキュリティを強化すると考えています。だからこそ、我々は世界中の政治家や規制当局、個人が仮想通貨の利点を理解できるよう支援するのです。そのためには革新的な新興テクノロジーに必然的に伴う誤解を正しながら、仮想通貨に関する洞察と分析を共有する必要があると言えるでしょう。仮想通貨分野でリーダーを教育し、そのリーダー達が市民やコミュニティ、家族の利益のために仮想通貨エコシステムに参加できるよう支援します。
Gus Coldebella, CPO of Paradigm - Business Wire - より引用
大手企業連合によって設立されたCCIは業界で強い影響力を発揮すると考えられるが、これがどのような変化をもたらすのか、今後も仮想通貨市場での動きを見守っていきたい。
release date 2021.04.12
出典元:
ニュースコメント
学習機会の提供で業界に貢献する仮想通貨関連企業
現在、インターネット上には仮想通貨に関する間違った情報が蔓延しており、それが仮想通貨市場の拡大を阻害するひとつの要因になっているという。これに対して、世界最大の仮想通貨取引所であるバイナンスがBinance Academyと呼ばれる仮想通貨の教育サイトを立ち上げ、世界中のユーザーに多言語で正しい知識を学習する機会を提供している。また、Earn.comと協力してコインベースは仮想通貨学習サービスを開始しており、ユーザーが仮想通貨によるインセンティブを受け取りながら学習するための環境を構築することに成功した。一方、リップル社は京大によるバリデータノードの運用を実現するなど、より専門性の高い人材の育成に寄与しているようだ。このように、仮想通貨関連企業は個別に業界の発展に貢献する動きを見せているが、CCIはこの状況をどのように変えていくのか、同団体の取り組みに注目していきたい。
作成日
:2021.04.12
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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