作成日
:2021.04.01
2022.04.20 12:27
世界最大のデリバティブ取引所を運営するCME Group Inc.(本社:20 South Wacker Drive Chicago, Illinois 60606 USA
)【以下、CMEと称す】は、マイクロビットコイン(Bitcoin)先物のローンチを予定していることを発表した。発表によると、このマイクロビットコイン先物はCrypto Facilitiesと共同で開発されたCME CF Bitcoin Reference Rateと呼ばれるインデックスを原資産としており、具体的には仮想通貨(暗号資産)取引所のKraken(クラーケン)およびBitstampにおけるビットコイン価格に連動するという。また、このマイクロビットコイン先物は0.1BTC単位の契約となっており、個人投資家がリスクを限定しながらポジションを構築する手段として利用されることが想定されているようだ。現在、CMEは規制当局からの承認を待っている状態にあるが、2021年5月3日にはマイクロビットコイン先物をローンチする見通しだと伝えた。
2021年に入ってからビットコイン価格が急騰したことを受け、機関投資家は現物ポジションのリスクをヘッジするためにビットコイン先物を買い求めている。CMEではビットコイン先物の取引量と建玉が急増しており、日間平均1万3,800件(6万9,000BTC相当)の契約が取引されているという。このような状況下で、CMEはイーサリアム(Ethereum)先物をローンチするなど、仮想通貨関連商品を拡充する動きに出ているようだ。
CMEのグローバルヘッドであるTim McCourt氏は、マイクロビットコイン先物が幅広い投資家の需要を満たし、透明かつ効率的な方法でビットコインを取引するための選択肢になり得るとの考えを示しているが、これがどのような成果につながるのか、今後も同社の取り組みに注目していきたい。
release date 2021.04.01
出典元:
ニュースコメント
多様な先物商品をローンチするCME
市場環境が目まぐるしく変化する中、CMEは投資家の需要に対応すべく、様々な先物商品をローンチしている。昨年、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響から金商品取引の流動性が低下したことを受け、CMEは金先物商品をリリースしており、投資家が柔軟に受渡しサイズや取引期間を選択できる環境を構築した。その他、CMEは日本の電力・LNG先物の取り扱いを開始するなど、エネルギー市場にも目を向けてグローバルベースのオファリングを拡大しているようだ。特にCMEは仮想通貨市場に高い関心を示しており、ライトコイン(Litecoin)などのアルトコインを対象とした先物商品の開発も視野に入れているという。ビットコイン先物の未決済建玉が過去最高を記録するなど、昨年から仮想通貨先物市場は盛り上がりを見せているが、CMEはどのような動きに出るのか、今後も同社の動向を見守っていきたい。
作成日
:2021.04.01
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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