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顧客情報の流出を受けてバイナンスコイン価格が急落

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update 2021.08.31 15:30
顧客情報の流出を受けてバイナンスコイン価格が急落

update 2021.08.31 15:30

全体的なセンチメントでは強気な見方が優勢

世界最大の仮想通貨取引所であるBinance【以下、バイナンスと称す】から大量の顧客情報が流出したことを受けて、同取引所が発行するバイナンスコイン【以下、BNBと称す】の価格が10%以上も急落した。[1]

調査によると、バイナンスの顧客情報は同取引所が2017年後半に契約したサードパーティベンダーを介して流出したことがわかっているという。バイナンスは被害を受けた顧客に対して生涯無料のVIPメンバーシップを付与し、事態の収束を図ったこともあり、現在、BNBは買戻しによる価格の反発が期待されている状況だ。しかしながら、1日足チャートを参照すると、強い陰線が出現していることから、価格が200日平均移動線を試す方向に動いている様子がうかがえる。これが現実のものとなれば2018年12月上旬以来の水準に達することとなるが、この価格帯は投資家が注目するポイントでもあるため、強力な支持線として機能する可能性も否定できない。

転換を予測するRSI(Relative Strength Index)は価格が下がっているにも関わらず、トレンドの反転が近いことを示しているのと同時に、価格の方向性を示すTDシーケンシャルインディケーターも2日後に買いに転じるとのシグナルを出している。また、RSIではダイバージェンス(実際の価格とインディケーターの値が逆行する現象)が発生しており、近々新しいトレンドに突入する可能性があることを示唆しているようだ。これにより買い圧力が増加し、価格が100日平均移動線を上回れば、強気なトレンドが長期的に継続することも考えられるが、反対に200日平均移動線を下抜けた場合は20ドル付近まで下げてくる懸念も存在する。

このような不祥事に見舞われているにも関わらず、バイナンスに対する評価は高く、BNBの全体的なセンチメントも強気が優勢なように感じられる。バイナンスはビーナスというステーブルコイン開発プロジェクトや、米国での事業展開を計画しているのに加え、最大年利15%の仮想通貨レンディングサービスを開始するなど、投資家の投資意欲を刺激する動きを見せている。現在、BNBは昨年6月の過去最高値である39.6ドルから38%減の価格で取引されているが、再び高値を更新することはできるのか、今後の値動きに注目していきたい。

release date 2019.08.29

出典元:

ニュースコメント

開発競争に身を投じるバイナンス

これまでバイナンスはブルーオーシャンとも言える競合が存在しない新しい領域を切り開いてきたが、ステーブルコイン開発の計画を公にしたことにより、Facebook(フェイスブック)のリブラ(Libra)やテザー(Tether)などが明確な競合となった。バイナンスは同社のステーブルコインが地域毎に独立した運用になるため、リブラよりも現実的なアプローチであると強調しているものの、他社の動きなども考えると開発競争が激化することは必至であると言えるだろう。国家規模のプロジェクトとしては、リブラに対抗する形で中国人民銀行が独自仮想通貨を開発することを表明したのに加え、ルワンダ国立銀行も独自仮想通貨発行の実現可能性を検証する段階にまできているようだ。圧倒的な取引量やブランド認知、潤沢な資金力を誇るバイナンスだが、このステーブルコイン戦国時代をどのように生き残るのか、今後の取り組みに期待しながらその状況を見守っていきたい。


Date

作成日

2019.08.29

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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