Select Language

イーサリアム、開発者がハードフォークに向けてEIPを提案

イーサリアム、開発者がハードフォークに向けてEIPを提案

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:26
イーサリアム、開発者がハードフォークに向けてEIPを提案

update 2021.08.31 15:26

マイニングアルゴリズムの変更など開発者間の検討が進む

イーサリアム(Ethereum)の開発者たちが、次期ハードフォークであるイスタンブール(Istanbul)に向けて、28項目ものEIP(Ethereum Improvement Proposal)を提案した。[1]

これらのEIPには、マイニングアルゴリズム、価格決定メカニズム、データ保存プロセスの変更など、コードベースの改善案が盛り込まれているという。隔週で行われるイーサリアムのコア開発者会議では、どういったアプローチやEIPがプラットフォームを効率的に拡張できるのかという議論が進んでいる様子だ。既に今月24日には、イーサリアムの手数料(GAS)に関する変更を提案したEIP 1108が暫定的に承認され、次回の会議でそのベンチマークが公開されることになっている。このEIPは、高すぎる手数料を適正化することにより、イーサリアムの拡張性とプライバシー性能を強化する狙いがある。

イーサリアムにおける設計目標のひとつは、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)ベースのマイニングプロトコルの改善またはProgPowの採用によって、マイナーの中央集権化を防ぐことだが、イスタンブールでは、既存のPoWの変更を促すEIP 1057の実装が検討されている。特にイーサリアムのマイニング報酬は、年間6億5,500万ドル規模に達しており、強力なASICが継続的に一般のマイナーを凌駕しているため、ネットワーク環境に大きな変化をもたらすことが予想できる。

しかしながら、ProgPowやEIPの検討プロセスは遅れており、このことについてイーサリアム財団のコミュニティ・リレーション・マネージャーであるHudson Jameson氏は、次のようにコメントしている。

我々は、ProgPowの監査を開始したものの、ある問題に直面しています。ASICに特化したハードウェアパートナーの協力を得る予定でしたが、彼らが監査に参加しないことを決定したため、ハードウェア部分に関して新しいパートナーを探す必要があるのです。イスタンブールについては、提案されたEPIについて議論を進め、どれを実装するのか、できるだけ早く判断したいと考えています。

Hudson Jameson, Community Relation of Ethereum Foundation - Ethereum Magiciansより引用

Jameson氏によると、本来5月24日に設定されていたEIP検討の期日は既に経過しているが、開発者たちは、未だそのレビューを行っている段階だという。また、イーサリアム開発者のRick Dudley氏は、トランザクションの新しい手数料体系を提案するEIP1559が非常に複雑であると言及し、最終的な検討がイスタンブールの実装が予定される2019年10月までずれ込む可能性があることを示した。次期ハードフォークの正確な日付や時間は未定となっているが、今後もイーサリアムの動きに注目していきたい。

release date 2019.05.27

出典元:

ニュースコメント

PoSへの移行で安全性の向上が見込まれる

イーサリアムは、より効率的なコンセンサスアルゴリズムであるPoS(プルーフ・オブ・ステーク)への将来的な移行を決定しており、これが現実のものとなれば、システムに対するハッキング攻撃への耐性が大幅に向上することが予想される。PoSのシステム上では、保有する仮想通貨の量と期間でそのノードの信頼性が評価されるため、悪意のある者がブロックを不正に承認するには、大量のイーサリアムを確保する必要があるという。理論値では、流通するイーサリアム全体の33%程度を占有すれば、ブロックを任意の形で承認することが可能になる。そのために必要な資産は、5億ドルにも達すると言われており、このリスクリターンの観点から見る不均衡な状況が、ネットワークの安全性を担保することができるようだ。イーサリアムのPoSへの移行は段階的なハードフォークが必要なため、様子を見ながらの導入となるが、今回のイスタンブールの実施でその状況が前進することに期待したい。


Date

作成日

2019.05.27

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

【要注意】Axi口座から不正出金被害、セキュリティ対策に不安の声

海外FX業者のAxiで、不正出金の被害が海外フォーラムなどで報告されています。国内で同様の被害は確認されていませんが、日本人ユーザーも無関係ではありません。この記事では、報告されている不正出金の事例やセキュリティの問題点のほか、現状でユーザーがとれる対策を説明します。
update2025.09.29 19:00

Exnessがスプレッドを最大30%OFF!仮想通貨・株価指数で大幅縮小

海外FX業者のExnessが主要銘柄のスプレッドを縮小しています。BTCUSDは16%、ETHUSDでは23%の縮小が確認されています。本記事では縮小後のExnessスプレッドを主要なブローカーと比較しました。
update2025.10.02 19:00

海外FXへの仮想通貨送金にはBybitがおすすめ!FXトレーダーに最適なBybitの使い方

海外FXの入出金によく使われる国内銀行送金が以前より使いにくくなっていることを受け、仮想通貨での入出金が注目を集めています。本記事では、仮想通貨送金をするならBybitがおすすめの理由や、海外FXユーザーに最適なBybitの使い方を紹介します。
update2025.08.29 20:00

【当サイト限定】FXONの口座開設でボーナス15,000円をプレゼント!既存ユーザーも対象

2025年8月1日より、FXONでの口座開設で15,000円のボーナスを獲得できる、当サイトMyforex限定のキャンペーンがスタートしました。この記事では、ボーナスの受け取り方法や注意点などを説明します。
update2025.08.01 19:30

【独自】海外FX利用で銀行口座が凍結・解約された一部始終!「自分には関係ない」は危険かも

みんなの銀行の口座を実際に凍結・解約されたトレーダーから当サイトに寄せられた情報をもとに、解約までの流れを一部始終紹介します。海外FXユーザーにとって、銀行口座凍結は決して他人事ではありません。海外FX利用時に注意すべき送金パターンも説明します。
update2025.08.12 19:00

Wiseでの海外FX入出金をおすすめできない理由とは?アカウント閉鎖の可能性も

海外FXユーザーの間で、Wiseを利用した送金が話題になっています。しかし、Wiseでの入出金はリスクが高いためおすすめできません。この記事ではその理由を説明します。
update2025.09.08 19:00

話題のDCJPYとJPYCの違い|海外FXの入出金に使えるのは?

DCJPYというデジタル通貨が話題となっています。一方で、海外FXユーザーの間ではJPYCへの期待も高まっています。本記事では、DCJPYとJPYCの特徴や違いを比較し、海外FXトレーダーにとってどちらが送金手段の選択肢となるのかを解説します。
update2025.09.26 19:30

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル