作成日
:2025.02.27
2025.02.27 15:44
2025年2月16日、格安SIMサービスの「クリプトニンジャモバイル(クリモバ)」がサービスを開始しました。本サービスは、利用料金に応じて「にんプラトークン」を購入できるポイントが付与される新しい通信サービスです。
本記事では、クリプトニンジャモバイルの特徴、トークン還元の仕組み、将来性などを解説します。
画像引用:クリプトニンジャモバイル
クリプトニンジャモバイルは、支払った利用料金に対して「トークン」を還元するという新しい通信サービスです。Web3時代のキャラクターブランド「クリプトニンジャ」が展開する新しい経済圏、「にんプラ(Ninja DAO Plus)」の第一弾サービスとして発表されました。
エックスモバイル社が提供する格安SIM・WiFiサービスをベースとしており、利用料金の10%分のトークンがユーザーに還元されるという点が特徴となっています。
にんプラ(Ninja DAO Plus)は、「トークンエコノミー時代」を切り開くことを目指すプロジェクトです。
画像引用:イケハヤ氏note
第一弾となるクリプトニンジャモバイルを皮切りに、今後はクレジットカードや電気、ガス、不動産など様々なサービスを展開していく予定となっています。いずれのサービスも、利用すると「にんプラトークン」が還元される仕組みになっているようです。
クリプトニンジャモバイルの回線は、HORIE MOBILE(ホリエモバイル)などを手がける通信事業者「エックスモバイル」が提供しています。料金プランは、3GBで月額980円(税込1,078円)、20GBで月額1,980円(税込2,178円)などがあり、業界でも比較的安価な水準となっています。
クリプトニンジャ(CryptoNinja)は、2021年9月に誕生した「クリエイター支援」を目的としたキャラクターブランドです。NFT、テレビアニメ、トレーディングカードなど、様々な展開を見せており、にんプラはその経済圏構築の新たな取り組みとして位置付けられています。
クリプトニンジャモバイルを利用すると、利用料金の10%分のFiNANCiE(フィナンシェ)限定ポイントが付与されます。この限定ポイントを使うことで、FiNANCiE上で「にんプラトークン」を購入できます。トークン価格の上昇次第では、実質的な還元率はさらに高まる可能性があるでしょう。
株式会社フィナンシェは、NFTの企画・発行支援やIEO支援など、トークンを活用したコミュニティおよびエコシステム形成の支援事業を展開する企業です。「FiNANCiE」などのサービスを運営し、数多くのスポーツチームやエンタメプロジェクトの支援実績があります。
なお、FiNANCiE限定ポイントは、毎月の料金支払いが完了した月の翌月末を目処に付与されます。ただし、このポイントは受取から180日間が有効期限となっているため、注意が必要です。
にんプラトークンは、2025年2月16日に単価0.4円、時価総額108万円からスタートしました。時価総額100億円を目標としており、サービス利用者が増えるほどユーザーにポイントが還元されるため、トークンの買い圧が高まる設計になっているようです。
また、クリプトニンジャは「クリエイター支援」を目的としたブランドであり、この方針は「にんプラトークン」でも変わりません。そのため、今後クリエイターへの投げ銭に「にんプラトークン」を利用できる機能などが導入される予定となっています。
にんプラトークンは、FiNANCiEのマーケットプレイスで売買可能です。ただし、売買時には10%の手数料が発生します。
画像引用:FiNANCiE
カブアンド(KABU&)とは、実業家の前澤友作氏が手がける、サービスを使った分だけ株がもらえるという日本初のサービスです。
画像引用:カブアンド
「にんプラ(Ninja DAO Plus)」もサービスを利用するとトークンがもらえるという特徴があり、「カブアンド」とよく似たビジネスモデルを採用しています。しかし、以下の3点で違いが見られます。
カブアンドでは、株引換券との交換という形で株が付与されますが、上場するまでもらった株を売却できません。一方、にんプラトークンはすでにFiNANCiEに上場済みで、即時の売買が可能です。
カブアンドでは、運営側が株式を新規発行してユーザーに還元するため、利用者が増えるほど1株あたりの価値が希薄化するという見方もあります。
一方、にんプラは円と等価のポイントを配布し、ユーザーがポイントを使ってマーケットからトークンを購入する仕組みとなっています。そのため、にんプラではトークン還元の時点で新規発行による価値の希薄化が生じないという特徴があります。
株式は市場規模が非常に大きいのに対し、トークンの取引市場はまだまだ小さいです。特に日本のトークン市場は相対的に小規模であり、この点はにんプラの課題となる可能性があります。
にんプラ(Ninja DAO Plus)の今後の展開や可能性について、以下の3つの観点から考察します。
画像引用:イケハヤ氏note
にんプラではクリプトニンジャモバイルに続く第二弾として、トークンが還元されるクレジットカード「CNPクレカ」の展開が予定されています。
その他、電気やガス、ウォーターサーバーなど生活インフラ全般に加え、不動産や中古車市場などへの展開も考えられます。
にんプラトークンはクリエイター支援にも活用される予定です。クリプトニンジャに関わるクリエイターにトークンを付与することで、プロジェクトの成長にあわせてクリエイター自身の経済的リターンにも繋がるモデルが構想されています。
にんプラでは、サービス利用者が増加するほどユーザーに付与されるポイントが増えるため、ポイントを使ったトークンの買い圧が高まる設計となっています。例えば、クリプトニンジャモバイルが1万回線を達成した場合、毎月100〜200万円規模のトークン買い圧が生まれると、イケハヤ氏は試算しています。
今後、にんプラの事業が大きく成長していけば、継続的に大きなトークンの買い圧が発生し続けるというトークンエコノミーが形成されていくかもしれません。
にんプラ(Ninja DAO Plus)が目指す「トークンエコノミー」は、日本のWeb3市場と既存の経済システムにどのような影響を与えていくのでしょうか。ここでは、以下の2点から考察します。
クリプトニンジャモバイル代表のイケハヤ氏は自身のブログで、現在の日本ではトークンを理解している人が非常に少ないことを指摘しています。加えて、世界ではトランプ米大統領が自身のトークンを発行するなど、トークンが当たり前のものになりつつあることにも言及しています。
一方、今後は日本でもクリプトニンジャモバイルのような身近なサービスを通じてトークンに触れる機会が増えることで、一般ユーザーのWeb3リテラシー向上につながる可能性があります。また、これまでトークンに関心のなかったユーザー層が参入することで、日本国内のトークン取引市場の拡大も期待できます。
現在の日本では、楽天ポイントやVポイントなど、企業が独自のポイントシステムを展開しています。しかし、これらのポイントは一般的に価値が固定されており、ユーザー間での譲渡も制限されています。
これに対し、にんプラトークンは値動きがある点や、市場で自由に取引できる点において、従来のポイント経済を進化させた形だといえるかもしれません。にんプラは、既存のポイントサービスがトークン型のサービスに移行する動きの先駆けとなる可能性があり、その結果、企業ロイヤルティプログラムの新たなスタンダードとなることも考えられるでしょう。
にんプラトークンの注意点として、以下の3点が考えられます。
にんプラトークンなどのトークンは市場の需給で価格が決まるため、価格変動リスクがあります。また、時価総額も比較的小さいため、大口の売買で価格が大きく変動する可能性があります。
現状のクリプトニンジャモバイルのユーザーは、クリプトニンジャを中心としたコミュニティに関わっていたり、なんらかの形で応援しているファンが中心です。しかし、今後サービスが拡大し、コミュニティとの繋がりが薄い一般ユーザーが増加した場合、トークンの即時売却が増える可能性があります。これは価格下落圧力となる可能性があります。
FiNANCiEでのトークンの売買には10%の手数料が発生します。また、にんプラトークンとの交換に用いる「FiNANCiE限定ポイント」には180日の有効期限があり、期限切れとなった場合はポイントが失効する点には注意が必要です。
にんプラ(Ninja DAO Plus)は、トークンを活用した新しい経済圏の構築を目指すプロジェクトです。カブアンドと比較しても、もらったトークンの即時売買が可能な点や、サービス利用と連動した買い圧増加の設計など、独自の特徴を持っています。
一方で、市場規模の小ささや価格変動リスクなど、投資における注意点も存在します。にんプラトークンの購入を考えている方は、今後の事業展開やトークン市場の成長度合いを注視する必要があるでしょう。
作成日
:2025.02.27
最終更新
:2025.02.27
フリーランスのWebライター。ブロックチェーンがもたらす非中央集権的な世界観に惚れ込み、暗号資産・NFT・ブロックチェーンゲームなどweb3のジャンルにしぼって記事を執筆。自らの暗号資産投資やNFT売買の経験を活かし、暗号資産の投資情報をできる限りわかりやすくお届けします。
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