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Abstract(アブストラクト)とは?消費者向けイーサリアムレイヤー2の特徴や将来性

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update 2025.02.23 04:54
Abstract(アブストラクト)とは?消費者向けイーサリアムレイヤー2の特徴や将来性

update 2025.02.23 04:54

Abstract(アブストラクト)は、シームレスなブロックチェーン体験の提供に特化したイーサリアムレイヤー2です。消費者向けのブロックチェーンアプリケーションを低コスト・高速で安全稼働させることを目指しています。

2025年1月28日にはメインネットの公開を発表し、SNSでも注目が集まっています。当記事では、Abstractの概要や特徴、将来性、SNSでの評判などを解説します。

Abstractとは

Abstractのロゴ画像

画像引用:Abstract

Abstract(アブストラクト)は、シームレスなブロックチェーン体験の提供に特化したイーサリアムのレイヤー2ブロックチェーンです。低い手数料と取引の高速処理によって、消費者向けのブロックチェーンアプリケーションを大規模かつ安全に提供できるように設計されています。

point レイヤー2とは

多くのブロックチェーンは、異なる役割を持つブロックチェーンが階層別に独立して相互通信する「レイヤー構造」になっています。基礎的な役割を担うブロックチェーン層をレイヤー1と呼び、レイヤー1の情報処理を助ける層をレイヤー2と呼びます。

レイヤー2とは

コミュニティ重視の姿勢

Abstractは、コミュニティと文化の促進も重視したレイヤー2ブロックチェーンです。人気NFTプロジェクト「Pudgy Penguins」の親会社であるIgloo Inc.が開発を進めているため、NFTコミュニティやユーザー体験向上に関する知見・経験を活かせる可能性があります。

Pudgy Penguins公式Xのプロフィール画像

画像引用:Pudgy Penguins

ZKロールアップによる高速な取引処理

Abstractは、ZK Stack上に構築された「ZKロールアップ」です。

point ロールアップとは

ロールアップは、トランザクションの処理速度と効率性を向上させる仕組みです。代表的なものとして、オプティミスティックロールアップとZKロールアップの2種類が存在します。

ZK(ゼロ知識)ロールアップとは、多数の取引をまとめて効率よく処理する仕組みです。具体的には、取引をイーサリアムの外で実行し、その後にまとめてイーサリアム上で検証します。その際、ゼロ知識証明という暗号技術を使って検証を行います。

この仕組みにより、イーサリアムの高い安全性を保ちながら、低コスト・高速処理を実現します。イーサリアムは安全性が高い反面、処理できる取引数に限界があり、手数料も高くなりがちです。ZKロールアップはこの課題を解決し、より使いやすいブロックチェーンの実現を可能にしています。

SNS上での評判

Abstract(アブストラクト)はメインネットをローンチしたことで、X(旧Twitter)上でも注目を集めています。

Abstract上のアプリケーション開発に期待を寄せるユーザーも見られ、AIを活用したゲームなど、独創的なプロジェクトを楽しみにする声が上がっています。また、その注目度の高さから、初心者向けにアカウント作成や報酬獲得の方法などを解説するユーザーも現れています。

一方で、プラットフォームの初期段階における課題を指摘する声もありましたが、その後の開発チームの素早い対応を評価する意見も見られました。

Abstractの将来性

Abstract(アブストラクト)の将来性について、以下の2点から考察します。

  • Abstract Global Walletによるユーザー体験
  • 充実したエコシステムの展開

Abstract Global Walletによるユーザー体験

Abstract Global Wallet(AGW)は、Abstractエコシステム全体で利用できるスマートコントラクトウォレットです。

Abstract Global Wallet(AGW)の仕組み

画像引用:Abstract

従来の仮想通貨(暗号資産)ウォレットとは異なり、AGWはメールアドレスやソーシャルアカウント、パスキーなどを使ってアカウントを作成できます。また、このウォレットの特徴として、Abstract上のどのアプリケーションでも利用できる点が挙げられます。

セキュリティ面では、アカウントへのアクセスに必要な秘密鍵を3つに分けて、それぞれ別の場所で保管する仕組みを採用しています。具体的には、以下の3つの場所で保管されます。

  • ユーザーの使用端末での保管
  • 認証用サーバーでの暗号化保管
  • Google DriveやiCloudなどのクラウドストレージでの保管

これにより、いずれかの保管場所が危険にさらされても、アカウント全体の安全性は保たれる仕組みとなっているようです。

このような使いやすさとセキュリティを両立したウォレットの提供は、ブロックチェーン技術のマスアダプションに向けた重要な一歩となる可能性があります。

充実したエコシステムの展開

Abstractは、すでに多くのプロジェクトと連携し、包括的なエコシステムの構築を進めています。主な連携プロジェクトは以下の通りです。

  • ブリッジ(Stargate、Relay、Jumper)
  • データ&インデックス(Ghost、Goldsky、The Graph、Reservoirなど)
  • 相互運用性(LayerZero)
  • オラクル(Pyth Price Feeds、Pyth Entropy)
  • RPCプロバイダー(Alchemy、BlastAPI、QuickNode)
  • ペイマスターソリューション(Zyfi)

これら多様なプロジェクトとの連携を通じて、Abstractはブロックチェーンの基盤として必要な機能を幅広く備えつつあるといえます。このようなエコシステムの構築により、将来的なプラットフォームの成長と採用拡大につながることが期待できます。

Abstractの特徴

Abstract(アブストラクト)は、消費者向けアプリケーションのプラットフォームとして、以下のような独自の機能を実装しています。

  • ユーザー向けプラットフォームのPortal
  • ネイティブアカウントアブストラクション
  • XPとバッジによるインセンティブ

ユーザー向けプラットフォームのPortal

Portalは、Abstractのホームページとして機能するプラットフォームです。ユーザーはPortal上で、Abstract Global Wallet(AGW)の管理や、エコシステム内のアプリケーションの検索、ストリーミングコンテンツの視聴などができます。

人気のアプリケーションやトレンドのトークンなども確認でき、ユーザーによる投票システムも実装されています。また、トレーディング機能も備えており、プラットフォーム上で直接トークンの取引が可能です。

AbstractのPortal画面

画像引用:Abstract

ネイティブアカウントアブストラクション

Abstractは、プロトコルレベルでアカウントアブストラクションという技術を採用しています(ネイティブアカウントアブストラクション)。

一般的にアカウントアブストラクション(アカウント抽象化)とは、秘密鍵を紛失した際の回復メカニズム、セキュリティ機能の強化、ガス代支払いの柔軟性など、ユーザー体験の向上を実現する技術です。

Abstractでは、このアカウントアブストラクションを標準実装することで、消費者にとって優しいユーザー体験の提供を目指しています。

XPとバッジによるインセンティブ

Abstractは、ユーザーの活動を奨励するためのインセンティブシステムとして、XP(Abstract上の報酬)とバッジを導入しています。

ユーザーはAbstract上のアプリを利用したり、ストリーミングを行ったりすることでXPを獲得できます。XPには特別ボーナスの仕組みもあり、コミュニティでの実績などに応じて、通常より多くのXPを獲得できるとのことです。

また、様々なクエストをクリアすることで、バッジを獲得することも可能です。

Web3の一般普及に向けて

Abstract(アブストラクト)は、ブロックチェーン技術の一般普及を目指しているプロジェクトだといえるでしょう。そのために、取引の高速処理の実現や、メールアドレスなどで使用できるウォレットの提供など、誰でも使いやすい環境作りに取り組んでいます。

Abstractがブロックチェーン技術のマスアダプションにどれだけ貢献していけるのか、今後の動向に注目です。


Date

作成日

2025.02.06

Update

最終更新

2025.02.23

タモ | tamo

Web3ライター

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タモ

フリーランスのWebライター。ブロックチェーンがもたらす非中央集権的な世界観に惚れ込み、暗号資産・NFT・ブロックチェーンゲームなどweb3のジャンルにしぼって記事を執筆。自らの暗号資産投資やNFT売買の経験を活かし、暗号資産の投資情報をできる限りわかりやすくお届けします。

【X(Twitter)】
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