作成日
:2024.11.20
2024.11.20 12:59
仮想通貨(暗号資産)USUALは、分散型ステーブルコインプロトコル「Usual」のガバナンストークンです。Usualは、BlackRock(ブラックロック)などの機関からRWA(現実資産)を集約してステーブルコインを発行し、その収益をコミュニティに再分配するプロトコルとして注目を集めています。
2024年11月14日には、大手取引所のBinance(バイナンス)がローンチプールでのUSUALの取り扱いを発表しており、SNS上で注目を集めています。当記事では、仮想通貨USUALの将来性やX(旧Twitter)での評判、Usualプロトコルの特徴などについて解説します。
2024年11月14日、大手海外取引所のBinance(バイナンス)が、ローンチプールでの仮想通貨(暗号資産)USUALの取り扱いを発表しました。
画像引用:Binance
Binanceのローンチプールとは、指定の仮想通貨を預けることで特定のトークンがもらえるイベントです。USUALのローンチプールの条件は以下の通りです。
なお、USUALは2024年11月19日午後7時(日本時間)より、Binanceのプレマーケットにて、USUAL/USDTの通貨ペアで上場する予定です。
プレマーケットとは、Binanceへの正式上場の前に、ローンチプール報酬を現物取引で売却したり、トークンを先行取得したりできる新しいサービスです。
仮想通貨(暗号資産)USUALは、分散型の法定通貨ステーブルコインプロトコル「Usual」のガバナンストークンです。
画像引用:Usual
Usualは、米資産運用会社BlackRock(ブラックロック)などの機関からRWA(現実資産)を集約してステーブルコインを発行し、プロトコルの収益をコミュニティに還元する新しい仕組みを提供しています。
Usualの中核となるのが、USD0と呼ばれる法定通貨担保型ステーブルコインです。
画像引用:Usual
USD0は超短期の米国債などの安全資産によって担保され、商業銀行の部分準備制度に依存しない、透明性の高い設計となっています。また、USD0の発行時に複数の機関からRWAを集約し、パーミッションレスで検証可能な形でステーブルコインを運用しています。
USD0++は、USD0を担保にして発行される強化型米国債に相当するトークンです。USD0のリキッドステーキングトークン(LST)ともいえるかもしれません。
画像引用:Usual
USD0++の保有者は、プロトコルが生み出す価値をUSUALトークンの形で受け取ることができます。さらに、ベース金利保証(BIG)メカニズムによって、最低でも原資産と同等の利回りが保証されます。
また、USD0++は流動性が確保されており、セカンダリーマーケット(二次流通)での売買も可能となっています。
Usualは、USDTを発行するテザー社やUSDCを発行するサークル社らが年間100億ドル以上の収益をあげているにもかかわらず、その利益をユーザーに還元していないことに批判的な姿勢を示しています。
そこでUsualでは、USUALトークンを通じてプロトコルの収益をコミュニティに還元する仕組みが導入されています。
さらに、USUALトークンの供給量の90%がコミュニティに配分される設計となっており、インサイダーによる過度な支配を防ぐ仕組みが整えられています。
X(旧Twitter)では、Usualの特徴でもある「ユーザーへの収益再分配モデルに注目している」といった声が見られます。既存のステーブルコイン発行体であるテザー社やサークル社が、莫大な収益を私有化していることを批判的に捉えるユーザーもいると考えられます。
また、ステーブルコインとしての安全性に言及する声も見られました。特に、USD0の担保資産が安全資産とされる短期米国債であることや、商業銀行に依存しない設計になっていることを評価するユーザーもいるようです。
仮想通貨(暗号資産)USUALの将来性について、以下の2点から考察します。
Usualは、Pills(ピルズ)と呼ばれるポイントシステムを通じて、戦略的にコミュニティを形成しています。
画像引用:Usual
ユーザーは、Usualプロトコル内のさまざまな活動を通じて「Usual Pills」というポイントを獲得できます。このポイントの保有量によって、TGE(トークン生成イベント)時に受け取れるUSUALトークンのエアドロップ数量が決まる仕組みとなっています。
また、紹介プログラムを通じて友人をUsualに招待すると、友人が獲得したPillsの量に応じて紹介者自身も追加報酬を獲得できるなど、早期のコミュニティ拡大を促進する設計が導入されています。
画像引用:Usual
USUALは、プロトコルの総預入額(TVL)に連動する形で設計されており、TVLが増加するにつれて発行量が減少します。この仕組みにより、プロトコルの成長に伴ってトークンの希少性が高まり、価値の維持・向上が期待できると考えられます。
また、プロトコルの収益がUSUALの発行量を上回る時期を予測できる設計となっており、イーサリアムのガス価格高騰時のようなインフレ解消効果が期待できるとされています。
仮想通貨(暗号資産)USUALの総供給量は40億USUALですが、初期流通量はそのうちの4億9,460万USUAL(全体の12.37%)となる予定です。
USUALの配分先と配分比率は、以下の通りです。
また、トークンのリリーススケジュールは以下の画像の通りです。
上場後約1年間は、ローンチプール、エアドロップ、DAOとエコシステム、流動性、コミュニティインセンティブの一部をあわせた約25%がロック解除されます。その後は、2028年までの4年間で段階的にロックが解除される予定です。
画像引用:Binance
仮想通貨USUALの使い道として、主に以下が挙げられます。
USUALの保有者は、プロトコルの重要な意思決定に参加することができます。具体的には、プロトコルのアップグレードや手数料構造の変更など、プロトコルの改善に関する提案と投票が可能です。
USUALトークンをステーキングすることで、保有者は追加の利回りを獲得できます。ステーキング報酬は新規発行のUSUALトークンで支払われ、プロトコルの安定性維持に貢献する長期保有者へのインセンティブとなります。
USUALの保有者は、LP(流動性提供者)報酬の割り当てを決定する投票に参加できます。このメカニズムにより、保有者は支持するプールに報酬を振り向けることができ、プロトコル全体の流動性と効率性の向上に貢献できます。
ステーブルコイン業界では、テザー社やサークル社といった発行体が莫大な収益をあげている現状があります。その中で、収益をコミュニティに還元し、ユーザー中心の仕組みを目指すUsualは、ステーブルコインの新しいモデルとして注目を集めています。
また、プロトコルのTVL増加に応じた発行抑制メカニズムを備えていることから、プロジェクトの成長とあわせてトークンの価値上昇が期待できるプロジェクトでもあります。新しい仕組みのステーブルコインに関心がある方は、Usualの動向に注目してみてもよいでしょう。
作成日
:2024.11.20
最終更新
:2024.11.20
フリーランスのWebライター。ブロックチェーンがもたらす非中央集権的な世界観に惚れ込み、暗号資産・NFT・ブロックチェーンゲームなどweb3のジャンルにしぼって記事を執筆。自らの暗号資産投資やNFT売買の経験を活かし、暗号資産の投資情報をできる限りわかりやすくお届けします。
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