作成日
:2024.07.24
2024.08.21 08:46
TradingView(トレーディングビュー)のオーダーブックは、価格帯別の注文数を表示する機能です。表示できるのは注文数のみで、売買が成立した際の約定数は表示されません。
また、ヒストグラム形式ではなく板情報として表示されるため、TradingViewにデータを配信する証券会社を利用することで、板読みを用いた取引に利用できます。ただし、リアルタイムのデータが反映される業者が限定されるなど、独自の特徴があります。
この記事では、TradingViewのオーダーブックの特徴や表示方法、および使用する際の注意点を解説します。
オーダーブックを板情報として表示する点が、TradingView(トレーディングビュー)の特徴です。証券会社が提供する一般的な板情報と同じく、最小価格単位での歩み値が表示されます。
歩み値は時間の経過と共に変化する価格の推移を示し、特定の価格における注文数をリアルタイムで確認できます。これにより、どの価格帯に注文が集まっているのか把握できます。
画像引用:TradingView
TradingViewでは、高機能チャート(①)の右側にオーダーブック(②)が表示されます。ただし、TradingViewでオーダーブックを利用できる銘柄は多くありません。利用するには証券会社の口座との連携が必要であり、さらに、その証券会社がデータを提供する銘柄に限定されます。
TradingViewは高機能チャートツールであり、独自に特定の銘柄を取引するための環境を提供していません。実際に取引するには、証券会社の口座と連携する作業が必要になるのです。
また、OANDA証券のようにグラフで表示されるのではなく、板情報でオープンオーダーのみが表示されます。しかし、オープンポジションについては、TradingViewの出来高プロファイルというインジケーターで代用できます。
オープンオーダーは、指値や逆指値注文による未約定の注文状況です。オープンポジションは、注文を約定したトレーダーが保有するポジションを指します。2つの指標は、価格のモメンタムが高まるタイミングや反発する水準を予測する際に利用されます。
TradingView(トレーディングビュー)で板情報を表示する方法を説明します。
チャート下部の「トレードパネル」をクリックした後、接続(口座連携)するブローカーを選択します。例として「OANDA」に接続します。
画像引用:TradingView
「Live」または「Demo」を選択して「接続」をクリックします。
「Select Accounts」で利用するアカウントを選択し、利用上の注意点を確認して問題がなければ「Allow」をクリックして連携します。
TradingViewからOandaのアカウントに接続が完了すると、チャート下部のパネルに口座情報が表示されます。オーダーブックを表示するには、「トレード(①)」をクリックした後に「板情報(②)」を選択します。
画像引用:TradingView
上記の手順により、OANDA以外の証券会社でも板情報のパネルを表示できます。歩み値などの板情報が得られない場合、その証券会社がデータを配信していない可能性が考えられます。詳細は、各証券会社のサポートデスクにお問い合わせ下さい。
TradingView(トレーディングビュー)でオーダーブックを確認できる海外業者は、一部のブローカーに限定されています。
Alorr, AMP, Binance, Bitget, Dhan, Dorman Trading, FXOpen, IBKR, iBroker, Ironbeam, OKX, Optimus Futures, Orama, StoneX, Tickmill, Timex, TradeStation, Tradovate, Velocity
引用元情報 - TradingView
国内のFX業者の中にも、TradingViewを採用しているブローカーはいくつかあります。しかし、オーダーブックを使用できるかどうかは証券会社によって異なるため、事前に確認しておいたほうが良いでしょう。
TradingView(トレーディングビュー)の出来高プロファイルとは、価格帯別出来高を表示するインジケーターのことです。特定の期間において、チャートの高値から安値までの価格帯で売買された取引量を、価格帯ごとにヒストグラムで表示します。
画像引用:TradingView
上記はドル円の4時間足に出来高プロファイルを適用したチャートです。直近の高値から安値において、148円付近の出来高が多くなっています。チャートが下落した場合には、148円付近がサポートゾーンとして機能することを想定し、押し目買いを狙っていくことができます。
一方、OANDAのオープンポジションでは、トレーダーが保有する買い・売りポジションの割合が分かります。取引量を示す出来高と性質は異なるものの、トレードで利用する際の考え方は同様です。
例えば、レートが148円まで下落した際に、148円以下での売りのオープンポジションが減少しなかったとします。この状況でレートが147円を下回ると、含み損を抱えたポジションが買い戻されやすくなります。そこに新規の押し目買いの注文が加わることもあり、サポートゾーンとして機能する可能性が高くなるのです。
TradingView(トレーディングビュー)のオーダーブックを利用する際の注意点を説明します。
配信データを定期購読すると、TradingViewで板情報をリアルタイムで確認できるようになります。しかし、板情報に遅延がある場合、注文パネル上に「D」という遅延を示すアイコンが表示されます。スキャルピングなどの短期取引に板情報を使用する際は注意しましょう。
TradingViewでは、FXと仮想通貨(一部取引所を除く)のチャートがリアルタイムで表示されます。しかし、その他の商品については、有料プランを購読した上でリアルタイムデータを別途購入する必要があります。
TradingViewのオーダーブックではオープンポジションは表示されず、オープンオーダーのみが表示されます。また、グラフ化されたオープンオーダーは用意されていません。
ただし、出来高プロファイルを使うことで、オープンポジションの代わりとして注文が集中している価格帯を推定することができます。
TradingViewには、チャートに表示した銘柄のオーダーブックを表示できるインジケーターはありません。2024年5月現在、リアルタイムで注文状況を確認する方法はオーダーブックの利用のみです。現状ではチャート上にオープンオーダーを表示することはできません。
FXの板情報は、そのFX業者を利用しているユーザーの売買状況を示しています。ユーザー数が少ない業者では、板情報の数値が実際の市場全体の需給バランスと大きく異なる可能性を考慮しなければなりません。
株式取引では全ての人の注文が東京証券取引所のような一つの場所に集まるため、各証券会社の板情報で市場全体の需給バランスが分かります。
一方、FX市場では全ての注文が一箇所に集まるわけではなく、基本的に各業者が独自に取引システムを提供しているため、注文情報が分散されてしまいます。
このため、ユーザー数が多いFX業者では、より多くの人の取引状況が板情報に反映されることから、信頼性が高いといえるでしょう。しかし、ユーザー数が少ない業者では、その板情報が市場全体の需給バランスを正確に反映していない可能性が高くなるのです。
TradingView(トレーディングビュー)でオーダーブックを表示するには、専用のデータを配信しているFX業者との口座連携が必要です。オーダーブックを活用したい方は、まず利用する証券会社の口座がTradingViewと連携できるかを確認する必要があります。
2024年5月現在、TradingViewが公式に有料プランの購読者向けにオーダーブックを提供している業者は限られています。オーダーブックを使用する際は、この点に留意しておく必要があるでしょう。
対応業者は少ないものの、オーダーブックは便利なツールです。自身のトレードにオーダーブックをうまく取り入れることができれば、より相場の状況を把握しやすくなるでしょう。
作成日
:2024.07.24
最終更新
:2024.08.21
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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