作成日
:2024.02.09
2024.05.30 09:39
チャートパターンは、相場における重要なシグナルのひとつです。しかし、実際のチャートから出現しているチャートパターンを見分けるのは簡単ではありません。
TradingView(トレーディングビュー)の自動チャートパターン検出ツールは、主要なチャートパターンを自動検出してチャート上に表示するインジケーターです。このインジケーターを活用すれば、効率的に複数の通貨ペア・銘柄のチャートパターンを把握できるようになります。
この記事では、自動チャートパターン検出ツールの利用方法、各チャートパターンの基本的な見方を紹介します。
TradingView(トレーディングビュー)の自動チャートパターン分析ツールでは、16種類のパターンを検出できます。
「All Charts Patterns(すべてのチャートパターン)」を利用すると1つのインジケーターで複数のチャートパターンを検出できます。All Charts Patternsは14個のチャートパターンを検出できるインジケーターです。過去600本分のローソク足を分析し、14種類のパターンの中で出現しているパターンを瞬時に表示できます。
日足に適用すれば600日分(約1年7ヶ月)の過去のローソク足からパターンを検出できます。「All Charts Patterns(すべてのチャートパターン)」のデフォルトの画面は以下のとおりです。
画像引用:TradingView
「All Charts Patterns(すべてのチャートパターン)」で自動検出できるチャートパターンは以下の8種類のパターンです。
「All Charts Patterns(すべてのチャートパターン)」ではエリオット波動の検出はできません。エリオット波動を自動検出したい場合、「Elliott Wave Chart Pattern(エリオット波動・チャートパターン)」をチャートに適用する必要があります。
設定画面では、表示したいパターンを選べます。一部のパターンでは、決済ターゲット価格も表示可能です。このツールは、どの時間軸や通貨ペア、銘柄でも使えます。形成途中のパターンも検出できるので、上手く活用できれば「これからどう動くか」という予想も立てやすくなるでしょう。
チャートに適用するだけなので、TradingViewを初めて利用する人でも簡単に利用できるのがメリットです。
TradingViewの自動チャートパターン分析ツールは、プレミアムプラン限定で利用可能です。プレミアムプランは個人トレーダー向けの最上位プランで、過去2万本のヒストリカルデータや1つのチャートに最大25個のインジケーターを適用できます。
最上位プランなので月額料金はやや高めに設定されていますが、年額一括払いや毎年11月末に開催されるブラックフライデーでは割引セールが実施されます。
この章では、TradingView(トレーディングビュー)自動チャートパターン分析ツールをチャートに適用する方法を解説します。
適用したいチャート画面を開き、上部ツールバーの「インジケーター」をクリックします。
画像引用:TradingView
インジケーター画面のメニュー欄から「テクニカル」を選択します。
画像引用:TradingView
上部メニューの左から4番目にある「パターン」を選択します。
画像引用:TradingView
「All Charts Patterns(すべてのチャートパターン)」を含む、16個のチャートパターン検出ツールが表示されます。また、下にスクロールすると、ローソク足パターン分析ツールが表示されます。
画像引用:TradingView
表示したい任意のチャートパターン検出ツールを右クリックします。「All Charts Patterns(すべてのチャートパターン)」は一番上に表示されています。
画像引用:TradingView
チャート上にインジケーターが適用されます。適用するチャートに該当するチャートパターンが存在しない場合、何も表示されません。銘柄を変更したり、時間足を変更してみましょう。
画像引用:TradingView
この章では、TradingView(トレーディングビュー)の自動チャートパターン分析ツールの設定方法を解説します。自動チャートパターン分析ツールは設定画面が英語になっており、日本語バージョンはありません。この章で英語の和訳も含めて解説します。
この章では、「All Charts Patterns(すべてのチャートパターン)」のインジケーターを例に解説します。個別のチャートパターンインジケーターでは、「All Charts Patterns」よりも、より細かく検出するパターンの設定、色変更などが可能です。
「All Charts Patterns(すべてのチャートパターン)」の設定画面を開くと、以下の画像のように表示されます。
過去(ローソク足600本分)も含む全てのチャートパターンの表示、チャートパターンが完成し目標価格未達のチャートパターンのみの表示など検出するチャートパターンの条件を設定できます。
画像引用:TradingView
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
All |
過去600本のローソク足で出現した全てのチャートパターン |
2 |
Awaiting and Reached |
パターンが完成および待機中のチャートパターンを表示 |
3 |
Only Awaiting |
パターンが未完成の待機中のチャートパターンを表示 |
4 |
Last Awaiting |
パターンが未完成かつ直近の待機中のチャートパターンのみを表示 |
5 |
All |
すべてのターゲット価格を表示 |
6 |
Awaiting and Reached |
待機中およびターゲットに到達したパターンを表示 |
7 |
Only Awaiting |
ターゲット到達待機中のパターンのみを表示 |
8 |
None |
ターゲットを表示しない |
過去の「Targets」の色は3つに分類されます。パターンが完成して価格目標に到達した場合、「Targets」の色は黄緑色(Reached)となります。パターンが完成したが目標価格には到達しなかった場合、赤色(Failed)となります。パターンが完成し、目標価格到達を待機している場合、パターンと同じ色で表示されています。「Targets」の部分にカーソルを合わせると「Status」を確認できます。
「All Charts Patterns(すべてのチャートパターン)」で検出できるチャートパターンは以下の14種類です。
画像引用:TradingView
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
Double Top |
ダブルトップ |
2 |
Double Bottom |
ダブルボトム |
3 |
Triple Top |
トリプルトップ |
4 |
Triple Bottom |
トリプルボトム |
5 |
Head and Shoulders |
ヘッドアンドショルダー |
6 |
Inverse Head and Shoulders |
逆ヘッドアンドショルダー |
7 |
Bullish Flag |
上昇フラッグ |
8 |
Bearish Flag |
下降フラッグ |
9 |
Bullish Pennant |
上昇ペナント |
10 |
Bearish Pennant |
下降ペナント |
11 |
Bullish Wedge |
上昇ウェッジ |
12 |
Bearish Wedge |
下降ウェッジ |
13 |
Triangle |
トライアングル |
14 |
Rectangle |
レクタングル |
自動チャートパターン分析ツールは、検出できるさまざまなパターンをチャートに表示しますが、トレードに活用する場合、取捨選択することが大切です。上昇を示唆するパターンと下落を示唆するパターンの2つが同時に出現する場合もあります。このような場合は、トレンドラインやオシレータの形、他のインジケーターを活用して最終判断をする必要があります。
チャートパターンは、「継続パターン」「反転パターン」「保ち合いパターン」の3種類に分類できます。
継続パターンはトレンド中に出現し、相場の一時的な休息を示すパターンです。反転パターンは、高値圏や安値圏で現れ、相場の方向転換を予兆します。保ち合いパターンは、レンジ相場の後にブレイクアウトした方向に価格が動くパターンです。
この3つを意識すると、相場の動きを読み解きやすくなるでしょう。
チャートパターン | 解説 |
---|---|
上昇・下降フラッグ | トレンドの継続を示すチャートパターン。 |
上昇・下降ペナント | トレンドの中間で形成される保ち合い相場で継続パターンの1つ。 |
ダブルボトム・トップ | 高値圏/安値圏で形成される反転パターン。 |
ヘッドアンドショルダー 逆ヘッドアンドショルダー |
3つの連続した高値/安値とネックラインで構成される反転パターン。 |
上昇・下降ウェッジ | 継続・反転パターン。 |
トライアングル | 三角形パターン。ブレイクアウトした方向に価格が進む傾向がある。 |
レクタングル (長方形) |
長方形パターンで、ブレイクアウトした方向に価格が進む傾向がある。 |
検出されたチャートパターンが全て完成するわけではありません。失敗するパターンも多く存在します。自動検出されるチャートパターンがあっても、最終的にはトレーダー自身がどのパターンを基にトレードするかを判断する必要があります。
トレンドの途中で見られる保ち合い相場は、「フラッグ」と呼ばれます。「旗」と「竿」の形に似ているためこの名前が付けられています。
上昇フラッグの場合、上昇トレンドの途中で一時的に価格が下がる形をとります。このパターンが上方向にブレイクアウトすると、パターンが完成し、目標価格は旗竿の長さに相当します。
下記はゴールドの1時間足チャートで出現した「上昇フラッグ」です。
画像引用:TradingView
上昇トレンドの途中で、やや右肩下がりのレンジ相場が見られます。その後、フラッグの上方ラインをブレイクアウトし、一気に目標価格に到達しています。
注意点としては、ブレイクアウトした直後にダマシのように下落し、その後、大きく上昇という流れになっている点です。
FXのチャートパターンの1つである「ペナント」は、価格が急速に動いた後に狭いレンジで推移するパターンです。ペナントは、小さな三角形の形をしており、大きな価格の動き(ポール)の後に形成されます。
「トライアングル」の形に類似しているため見分けにくいですが、ペナントの場合はトレンド方向にブレイクアウトする傾向があります。
下記はユーロドルの1時間足チャートに「上昇ペナント」パターンが出現した例です。
画像引用:TradingView
上記のチャートでは上昇トレンドの途中でペナントが出現し、レンジを形成した後、上方へブレイクアウトしていることが確認できます。
ダブルトップは、価格が二度にわたり同じ高値レベルに達し、その間に一度価格が下落するパターンです。ダブルトップはトレンドの反転を示唆します。
一方で、ダブルボトムは価格が二度同じ低値レベルに達し、その間に一度上昇するパターンで、上昇トレンドへの転換を示唆します。ダブルトップ/ダブルボトムはトレンド転換の重要な兆候となります。
下記のチャート画像は、ドル円の4時間足においてダブルトップが出現したケースです。ドル円では、約20年ぶりの円安水準である150円付近でダブルトップが形成されました。
画像引用:TradingView
2023年11月にダブルトップが出現し、続いて12月には140円前半まで下落した事例があり、相場の転換が実際に起こったことが確認されています。
ヘッドアンドショルダーパターンは、相場の天井圏でよく見られるトレンドの転換を示唆するパターンです。
ヘッドアンドショルダーは左肩と頭、右肩という3つのピークから構成されており、右肩が形成された後に価格がサポートライン(ネックライン)を下回ると、売りのサインとして解釈されます。
逆ヘッドアンドショルダーは底値圏で形成され、ネックラインを上回ると買いサインとみなされます。
特に4時間足や日足でヘッドアンドショルダーが確認されると、多くのトレーダーが意識し、大きな市場の動きが発生しやすくなります。
下記はポンドドルの日足チャートです。非常に分かりやすい典型的なヘッドアンドショルダーを形成しています。ネックラインを下回った後に一度戻る動きをしていますが、再度売り圧力が高まり、大きく下落しています。
画像引用:TradingView
ヘッドアンドショルダーパターンは他のチャートパターンに比べて判別しやすいのも特徴です。TradingView(トレーディングビュー)のツールを利用することで、このパターンを自動的に検出し、エントリーや決済の最適なタイミングを見極めることが可能です。
ウェッジは、価格が徐々に狭まる範囲で上下に動くチャートパターンの1つです。ウェッジは、主に上昇ウェッジと下降ウェッジがあり、上昇トレンドの途中に出現するのが下降ウェッジ、下落トレンドの途中に出現するのが上昇ウェッジです。
下記はドル円の1時間足チャートです。下落トレンドの途中に上昇ウェッジが出現しています。
画像引用:TradingView
上昇ウェッジでは、高値と安値が共に上昇しますが、高値の上昇率が安値の上昇率よりも低いため、ラインが徐々に収束します。その後、いずれかのタイミングでトレンド方向に戻る形で、下方向にブレイクアウトするのが一般的です。
トライアングルパターンは、価格が三角形を形成するパターンです。このパターンでは、高値が徐々に下降し、安値が上昇するため、価格の変動幅が次第に狭まっていきます。
特に、米雇用統計の発表や各国の金融政策の発表前など、市場の取引量が減少する時期には、保ち合い相場となる傾向があります。
下記はゴールドの1時間足チャートの上昇トレンドの途中で出現したトライアングルです。レンジが徐々に狭まり、上方ブレイクアウトした後に上昇を再開しています。
画像引用:TradingView
レクタングルは、レンジ相場を示すパターンです。トレンドが存在しないレンジ相場に出現し、ブレイクアウトすることによって新たなトレンドが発生する傾向があります。しかし、ブレイクアウト時にはダマシが存在する場合もあるため、注意が必要です。
下記のチャートはドル円の30分足チャートです。底値圏でレクタングルパターンが出現し、その後、上昇トレンドが発生しています。
画像引用:TradingView
ブレイクアウトにはダマシがあります。レクタングルパターンの場合、ブレイクアウトした後、一度反落していますが、レクタングルの高値の価格で反発しています。反発が確認された場合、上記の例のように大きなトレンドが発生する確率が高まります。
自動チャートパターン分析ツールを利用すると、レクタングルを自動で検出できます。これにより、トレーダーが単独で気づくことが難しい大きなレクタングルも把握可能になります。
チャートパターンは、市場の心理やトレンドの変化を示唆し、重要な手がかりを提供します。
天井圏や底値圏を示すチャートパターンが現れた場合、大きな市場の動きに備えて利益を最大化するチャンスが生まれます。多くのトレーダーが注目するパターンを理解することで、市場が動きやすいタイミングを見極められるようになるでしょう。
FX初心者はTradingView(トレーディングビュー)の自動チャートパターン分析ツールを利用して、チャート分析を効率化すると良いでしょう。
作成日
:2024.02.09
最終更新
:2024.05.30
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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