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マイナウォレット|マイナンバーカードで誰でも使える

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update 2023.09.12 16:50
マイナウォレット|マイナンバーカードで誰でも使える

update 2023.09.12 16:50

マイナウォレットは、マイナンバーカードを使うウォレットです。2023年9月、イーサリアム財団の研究開発助成プログラムに採択され、仮想通貨(暗号資産)コミュニティで注目を集めています。

当記事では、マイナウォレットの仕組み、機能、利用方法やリスクなどを解説します。

マイナウォレットとは

マイナウォレットはa42x株式会社が開発中のウォレットです。

マイナンバーカードをウォレットとして使用し、端末にタッチするだけで仮想通貨やNFTを送受金できます。

誰でも気軽に使える

a42xの目標は、「子どもからお年寄りまで、すべてのひとが複雑な操作や技術を意識することなく、web3・ブロックチェーン技術を活用したサービスにアクセスできる世界」の構築です。

このため、マイナウォレットの使用に際して、アプリの事前インストールや設定は不要です。受け取った仮想通貨を確認する際に、アプリをインストールすれば良く、誰でも気軽に利用できます。

イーサリアムから助成を受ける

2023年9月8日、マイナウォレットは、イーサリアム財団の研究開発助成プログラム「ERC-4337 Account Abstraction Grant Round」に採択されました。

このプログラムはERC-4337を用いた開発活動の促進を目的としており、18のプロジェクトが採用されました。なお、ERC-4337とは、イーサリアム(ETH)ウォレットをより柔軟にカスタマイズできるようにする技術です。

マイナウォレットの開発チーム

a42xは、元サイバーエージェントのゲーム開発エンジニアである橘博之氏と、元Google(グーグル)の守屋英義氏によって率いられています。橘氏がイーサリアムアプリ開発などを担当し、守屋氏がモバイルアプリ開発などを担当しています。

その他、開発チームには、IT業界で経験豊富な人物が加わっています。

X(旧Twitter)での評判

X(旧Twitter)上では、研究開発助成プログラムに選出されたニュースが拡散しています。また、仮想通貨コミュニティはポジティブな反応を示しており、仮想通貨やNFT、Web3.0の普及に貢献すると歓迎しています。

一方、マイナンバー関連での行政の失策を受けて、マイナウォレットに負のイメージを抱いているユーザーも存在するようです。新規ユーザーを狙った詐欺を心配する声も挙がっています。

マイナウォレットの仕組み

マイナウォレットは、マイナンバーカードをハードウェアウォレットとして活用します。マイナンバーカードの公開鍵を使うので、秘密鍵が漏れることはありません。

point ハードウェアウォレットとは

ハードウェアウォレットとは、仮想通貨の秘密鍵をインターネットから切り離して保管できるウォレットです。主要なUSBタイプのデバイスは、コンピュータに差し込んで利用します。

アドレス生成、トランザクション実行、ウォレットeKYCに分けて、その仕組みを説明します。

アドレス生成

マイナンバーカードをスマートフォンなどにタッチすると、公開鍵を読み込んでウォレットアドレスが生成されます。

マイナンバーカードからのアドレス導出イメージ
knowledge 公開鍵と秘密鍵

公開鍵と秘密鍵は、情報の暗号化や復号のために利用されます。公開鍵はID(識別番号)のようなもので開示しても構いませんが、パスワードとなる秘密鍵は誰にも知られないように保管します。マイナンバーカードは、この仕組みを使って電子的に署名し、情報の正しさを証明します。

トランザクション実行

送金などのトランザクションは、アプリで指示を出して、スマホにマイナンバーカードをタッチすると完了します。本人確認は、マイナンバーカードに登録されたPINの入力で行います。

ウォレットeKYC

マイナウォレットのアドレスは、マイナンバーカードの公開鍵から生成され、不変です。この仕組みにより、マイナウォレットは取引所などでeKYC済みのウォレットとして利用できます。

point KYCとは

KYCとは「Know Your Customer」の略称です。金融犯罪などのリスクを回避するために、金融機関が顧客に個人情報の提出を求めます。

マイナウォレットの機能

マイナウォレットには、次の機能があります。

  • Touch to Generate
  • Touch to Receive
  • Touch to Auth

Touch to Generate

Touch To Generateのデモ画面

Touch to Generateは、マイナンバーカードをタッチするだけで、設定不要のウォレットを生成する機能です。後からアプリをダウンロードすれば、保有する仮想通貨やNFTを確認できます。マイナンバーカードさえあれば、アプリだけでなく、キオスク端末でもウォレットにアクセスできます。

Touch to Receive

Touch To Recieveのデモ画面

Touch to Recieiveは、マイナンバーカードをNFCリーダーにタッチするだけで、NFTなどが受け取れる機能です。アプリのインストールや設定などは必要ありません。

point NFCリーダー

近距離無線通信規格「NFC」に対応したリーダーです。iPhoneやアンドロイドが対応しています。

Touch to Auth

Touch To Authのデモ画面

Touch to Authは、メンバーシップの確認などをする機能です。特定のNFTを保有する人に、特定の権限を与えられます。

マイナウォレットの利用例

マイナウォレットは、想定されるユースケースとして次の3つを挙げています。

  • NFT関連施策における活用
  • デジタル資産の出庫先ウォレット
  • 公金受取口座

NFT関連施策での利用

地方自治体などのサービスを、NFTとして配布します。マイナウォレットは、アプリをダウンロードせずにNFTを受け取れるので、知識がなくても利用できます。

デジタル資産の出庫先

マイナウォレットは、eKYC済みのウォレットです。マイナウォレットを出金先に指定すれば、ウォレットアドレスの入力ミスによる誤送金を防止できます。

公金受取口座

ステーブルコインが普及したのち、マイナウォレットを公金受取口座にできます。マイナウォレットはマイナンバーカードと紐づいているので、不正受給や事務手続きのミスが起こりにくくなり、効率的な運用が可能だと考えられます。

想定されるリスク

マイナウォレットは開発段階にあり、現時点で想定されるリスクもあります。例えば、マイナンバーカードの盗難や紛失です。

マイナウォレットは、マイナンバーカードをハードウェアウォレット化したもので、物理的な盗難や紛失のリスクがあります。また、クレジットカードのようにPINが設定されているものの、突破されるリスクがあります。

ただし、このリスクは健康保険証などにも当てはまるもので、マイナウォレット特有というわけではありません。

マイナウォレットの今後

マイナウォレットは、以下の開発計画を公開しています。

  • リカバリ・セキュリティ機能の追加
  • eKYC・公的個人承認サービスとの連携
  • SDK/APIの提供
  • 研究開発組織との連携
  • スマートコントラクト・研究成果のオープンソース化

リカバリ・セキュリティ機能の追加

マイナンバーカードの紛失や更新への対応と、利用金額の上限設定などの機能を追加します。

eKYC・公的個人承認サービスとの連携

マイナウォレットをeKYC済みの非カストディアルウォレットとして開発します。

SDK/APIの提供

ソフトウェア開発者向けのツールであるSDKと、アプリの接続を可能にするAPIを提供します。

研究開発組織との連携

ゼロ知識証明を活用したプライバシー保護の仕組みを共同開発します。

point ゼロ知識証明

あるコンピュータが、情報を検証するコンピュータに対して、ある事柄は真実だという情報以外を公開しないで真実だと証明するメカニズムを指します。

スマートコントラクト・研究成果のオープンソース化

スマートコントラクトと研究成果をオープンソース化して、イーサリアムコミュニティに貢献します。

point スマートコントラクト

スマートコントラクトは契約を自動履行するプログラムです。自動販売機でたとえると、「利用者が必要なお金を投入する」「特定の飲料のボタンを押す」という二つの契約条件が満たされた場合に、自動的に「その飲料を利用者に提供する」という契約が実行されます。

仮想通貨普及のきっかけとなるか

マイナンバーカードは、9,000万人以上の日本国民に配布されています。マイナウォレットは、これらの国民が利用するウォレットになる可能性があります。

日本国内では、仮想通貨普及に向けていくつかの課題が存在しますが、マイナウォレットが普及のきっかけとなるかもしれません。今後もマイナウォレットの開発活動には注目です。


Date

作成日

2023.09.12

Update

最終更新

2023.09.12

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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