作成日
:2023.10.02
2024.09.20 10:38
MetaTrader4(MT4)/MetaTrader5(MT5)では、バックテストに役立つストラテジーテスターという機能を無料で利用できます。ストラテジーテスターには、EAやインディケーターの売買戦略を検証するための機能が豊富に揃っています。また検証結果はグラフやレポートの形で詳しく確認できる点も利用するメリットの1つです。
この記事では、ストラテジーテスターの見方や効果的な使い方を解説していきます。
ストラテジーテスターとは、FXの取引プラットフォームであるMetaTrader4(MT4)/MetaTrader5(MT5)で利用できる機能であり、エキスパートアドバイザ(EA)やインディケータのバックテストに使われます。
ストラテジーテスターでは、EAやインディケータの売買戦略が、有効に機能するのか過去の値動きに適用してシミュレーションできます。シミュレーション結果はレポートとして取得も可能であり、最大利益や損失、勝率など検証に役立つ項目を数値化してくれます。
バックテストとは、売買戦略を過去の値動きに当てはめて、どのような成績になるのかを検証することです。過去のデータを用いることで長期にわたった検証が可能です。
ストラテジーテスターを利用するメリットとして、以下の4つがあります。
ストラテジーテスターは、MetaTrader4(MT4)/MetaTrader5(MT5)へログインさえできれば、無料で利用できます。またデモ口座でも利用できるので、FX業者のリアル口座をわざわざ開設しなくても良い点もメリットといえるでしょう。
しかしデモ口座には有効期限が設定されていることもあるので、長期間EAを稼働して検証したい場合は、リアル口座も開設するようにしましょう。
ストラテジーテスターは、検証をしたいEAや通貨ペアなどを選ぶだけで簡単に検証を始められます。そしてストラテジーテスター上から、EAやインディケーターのパラメーターを変更できるので、画面1つで検証操作を完結できるのです。
またMT4、MT5ではストラテジーテスターの操作方法が似ているので、MT4のストラテジーテスターが使えるとMT5上での操作にも困ることはないでしょう。
MT4のEAとMT5のEAには互換性がないので、異なる取引プラットフォームでバックテストを行うことはできません。MT4(MT5)のEAを検証したい場合は、MT4(MT5)のストラテジーテスターを利用するようにしましょう。
ストラテジーテスターのビジュアルモードを利用することで、リアルタイムであるかのような感覚で過去の相場上で検証ができます。またチャート上にて売買シグナルも確認できるので、実際にトレードを行った際にどのような結果となるのか視覚的に分かりやすいのがポイントです。
ビジュアルモードは、ストラテジーテスターの設定項目にてチェックマークを入れることで利用可能です。
ストラテジーテスターで行った検証結果は、レポートとしてファイルの形式で出力できます。レポートでは、勝率や期待利得(総損益額/総トレード数)、プロフィットファクタ(総利益/総損失)など、さまざまな検証結果を具体的な数値で確認できます。
ストラテジーテスターで検証を始める前に、以下の3つを準備しましょう。
ストラテジーテスターを利用するためには、MT4/MT5にログインをしておく必要があります。MT4/MT5アカウントを持っていない方は、MT4/MT5アカウントが作成できる海外FX業者の口座開設をしておきましょう。
ストラテジーテスターは、デモ口座のMT4/MT5アカウントでも利用可能ですので、リアル口座とは別に、バックテスト用のデモ口座アカウントを用意してもいいでしょう。
ヒストリカルデータとは、過去の相場の値動きに関するデータです。ヒストリカルデータの値動きをもとにバックテストを行っていきます。
MT4/MT5では、メタクオーツ社が提供しているヒストリカルデータを手軽にダウンロードできますが、データの精度が低いと言われています。したがってFXブローカーのヒストリカルデータがよく利用されます。海外FXブローカーであるFXDD(エフエックスディーディ)では、精度の高いヒストリカルデータを無料で手に入れられます。
バックテストで利用するEAやインディケーターを、MT4/MT5の指定のフォルダーに保存しておく必要があります。
EAを検証する場合は、データフォルダの「MQL5」(MetaTrader4の場合はMQL4)フォルダの中にある「Experts」フォルダに保存します。
またインディケーターを検証する場合は、データフォルダの「MQL5」(MetaTrader4の場合はMQL4)フォルダの中にある「Indicators」フォルダに保存します。
フォルダに保存したら、ナビゲーター欄の「エキスパートアドバイザ」(インディケーターの場合は「インディケータ」)の上で右クリックし、表示されるメニューから「更新」ボタンをクリックすることでMT4/MT5上に反映されます。
ストラテジーテスターを使うための準備が完了したら、実際に利用していきましょう。MT4を例にストラテジーテスターの使い方について、以下の3つの項目で解説していきます。
なおストラテジーテスターは、MT4上部メニューバーの「表示」から起動可能です。
ストラテジーテスターでは、以下の手順でEAをバックテストできます。
ストラテジーテスターを起動したら、画面左部分のプルダウンメニューから「エキスパートアドバイザ」を選択し、検証したいEAを選択します。そして検証したい通貨ペアや期間を設定すると検証準備が完了です。
「スタート」をクリックすると、バックテストが自動で開始されます。
EAをバックテストする方法に関しては、以下の記事で手順に沿って詳しく解説しているので参考にしてください。
ストラテジーテスターの「エキスパート設定」では検証に関するさまざまな設定が可能です。例えば、「テスト設定タブ」では、バックテストで使用する初期証拠金を設定できます。検証方法に適した設定を行うとよいでしょう。
ストラテジーテスターでは、以下の手順でインディケーターをバックテストできます。
インディケーターをバックテストする手順は、EAを検証する場合と主な手順は同じですが、設定項目が少し異なります。まずインディケーターのバックテストでは、プルダウンメニューにて「インジケーター」を選択する必要があります。またインディケーターでは、「エキスパート設定」ではなく、「プロパティ」が設定できる点でも異なります。
「プロパティ」では、検証するインディケーターのパラメーターを設定可能です。「保存」をクリックすることで、設定したパラメーターをファイルとして保存できます。保存した設定ファイルは「読み込み」から利用できるので、検証したいインディケーターのパラメーターを打ち直す手間が省け、改めて検証する際に役立ちます。
設定が完了したら、「OK」をクリックし、「スタート」を選択することでバックテストが開始されます。
バックテストの結果は、画面下部の「レポート」タブ(MT5の場合は「バックテスト」タブ)から確認できます。「レポート」タブでは、勝率や損益、ポジション別などさまざまな項目でバックテスト結果を詳しく確認できます。また「グラフ」タブでは、口座残高と有効証拠金の推移をグラフ状で確認できます。
また 「レポート」タブ内で右クリックし、「レポートの保存」を選択することで結果をファイル形式で保存可能です。
レポートの保存方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
ストラテジーテスターを効果的に使うための、以下の3つの方法を紹介します。
最適化とは、より多くの利益が出るようにEAのパラメータを調整することです。MT4/MT5のストラテジーテスターには、パラメーターを簡単に最適化できる機能があるので利用してみるとよいでしょう。
MT4では、ストラテジーテスターの最適化にチェックを入れてバックテストを行うと、EAのパラメータの数値を自動的に少しずつ変更して複数回バックテストしてくれ、成績の良いパラメータを採用してくれます。
最適化を行う場合は、「エキスパート設定」における「テスト設定」タブから最適化の基準としたいパラメーターの指定が可能です。パラメーターは以下の6つから選択できます。
遺伝的アルゴリズムとは、一部のパラメーターの組み合わせのみ選別して効率的にバックテストを行う方法です。明らかに不要なパラメーターを除いて検証を効率的に行いたい場合は、チェックマークを入れると良いでしょう。
「パラメーターの入力」タブでは、どのパラメーターをどの範囲で最適化するかを設定します。
番号 |
項目 |
説明 |
---|---|---|
1 |
スタート |
最適化を行う範囲のスタート値(最小値)を設定します。 |
2 |
ステップ |
最適化を行う範囲のストップ値(最大値)を設定します。 |
3 |
ストップ |
最適化を行う間隔値を設定します。 |
「最適化タブ」では、バックテストを終了する条件を設定できます。チェックマークをつけたパラメータが設定値まで達するとバックテストが終了します。
最適化のパラメーターを追求し過ぎると、ヒストリカルデータの期間のみ良い成績となる恐れがあります。バックテストの期間を変えるなど、さまざまな条件下でテストすることが重要です。またMT5には、過剰最適化を防ぐために役立つ「フォワードテスト機能」も備わっているので利用してみるとよいでしょう。
バックテストを行う際に、検証期間を長めに設定することが精度の向上に繋がります。短期間のみに限定したバックテストでは、起こりえる相場状況を網羅的に検証できないので、実際にトレードで利用した際にうまく機能しない可能性があります。
長期間にわたるデータを用いてバックテストを行うことで、売買戦略が様々な市況に適応できるかどうかを判断できるようになります。長期間の基準としては、取引スタイルにもよりますが、最低1年以上の相場データで検証できるとよいでしょう。
実際にトレードを行う取引環境になるべく似た環境で検証を行うようにしましょう。利用する海外FX業者によって、スプレッドの広さが異なります。またトレードに利用できる証拠金や取引したい通貨ペアも個人によって異なるでしょう。
バックテストを行う際は、実際のトレードを想定した設定で検証を続けることが大切です。
ストラテジーテスターが動かない場合は、以下の3つの項目を確認してみてください。
EAの利用にアカウント制限がかけられている場合、EAの取得に利用したMT4/MT5アカウントでしか利用できないことがあります。まずはアカウント情報を確認してみましょう。
ストラテジーテスターが動かない場合の典型的な原因の一つがヒストリカルデータをダウンロードできていないことです。ヒストリカルデータがダウンロードできているかどうか、そして検証で指定したい期間のチャートデータがあるかどうか確認しましょう。
ヒストリカルデータの情報はMT4/MT5画面上部の「ツール」メニューにある「ヒストリーセンター」から確認可能です。
ストラテジーテスターは、バックテストに役立つ機能が豊富にあり、かつ無料で利用できます。したがってEAやカスタムインディケーターの売買戦略を検証したいという方は利用しない手はないでしょう。
一見操作が難しそうに見える方もいるかもしれませんが、操作方法も設定方法も非常にシンプルです。最適化の機能を利用したり、検証期間や取引環境にこだわってより精度の高い検証を行ってください。
作成日
:2023.10.02
最終更新
:2024.09.20
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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