作成日
:2023.07.31
2024.08.28 15:17
円インデックスをみることで、為替市場における日本円の価値を一目で読み取れます。また円インデックスは、より利益の出しやすい通貨ペアの選択やトレンドのいち早い察知にも役立ちます。この記事では、円インデックスの概要やトレードでの使い方を詳しく解説していきます。MT4/MT5や他のツールで円インデックスを確認する方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
円インデックスとは、米ドルやユーロなど複数の通貨と円の交換レートを踏まえて計算された、日本円の価値の強さを表す指数です。円インデックスは、ドルやユーロを始めとした複数通貨との交換レートを踏まえて総合的に算出されます。
個別の通貨ペアのレートからは特定の通貨に対する円の価値しか読み取れません。しかし円インデックスをみることで他のさまざまな通貨に対する、円の相対的な価値を簡単に知ることができます。
例えばドル円が下落した場合、米ドルに対する日本円の価値が上がったことは読み取れます。しかしユーロやポンドなど他の通貨に対する円の強さについてはドル円だけでは確認できないので、ユーロ円やポンド円など他の通貨ペアを確認しなければいけません。一方、円インデックスが上昇すれば、日本円の相対的価値がさまざまな通貨に対して上がったことを一目で読み取れます。
円インデックスは、基準となる時点や価値を比べる対象となる通貨を決めた上で、為替レートの変動状況を基に計算されます。また為替市場に与える影響力は各通貨で異なるので、影響度合いも考慮するために、計算の際には通貨ごとにウェイトがかけられます。
円インデックスとして最も良く知られているのは、日本銀行が公表している円インデックスです。日本銀行の円インデックスは、各国の中央銀行で構成された国際決済銀行(BIS)が定める実行為替レートの作成方法に則って算出され公表されています。
日本銀行の円インデックスは1999年1月4日を基準として計算されます。また計算時には2017~2019年の貿易額に基づいたウェイトが各通貨でかけられます。円インデックス計算時に用いられる各通貨とウェイトは以下の通りです。
通貨名 | ウェイト |
---|---|
人民元 | 31.9% |
米ドル | 16.0% |
ユーロ | 13.0% |
大韓民国ウォン | 6.0% |
ニュー台湾ドル | 4.6% |
その他 | 28.5% |
人民元、米ドル、ユーロの3通貨が日本銀行の円インデックスの計算に大きな影響を与えていることが分かります。上記のウェイトを用いた日本銀行の円インデックスの計算方法について詳しく知りたい方は、日本銀行のホームページを参考にしてください。
日本銀行は円インデックスを日々公開していますが、データは前営業日のものとなり、リアルタイムでレートの推移を配信しているわけではありません。したがって短期的なトレードに円インデックスを利用する際は、データの信頼性が薄いことに注意しましょう。
円インデックスの見方は非常にシンプルです。円インデックスが上昇すれば日本円の価値は上昇(円高トレンド)、円インデックスが下降すれば日本円の価値は下降(円安トレンド)していると判断します。
例えば円インデックスが下落した場合、日本円が他の通貨に対して弱くなったことを示しており、為替相場では円売りが進んでいることを示します。ただし、円インデックスが下落したとしても、必ずしも全ての通貨に対して相場が円安方向に進むとは限りません。なぜなら日本円以上に価値が大きく下落している通貨に対しては円高方向に動くからです。
通貨ペアのレートは、ひとつの通貨の価値だけでは決まらず、異なる2つの通貨間の相対的な関係で決まります。円インデックスはあくまでも円の価値を表している指標であることを理解して、チャート分析に活用するようにしましょう。
円インデックス以外にも、ドルインデックスやユーロインデックス、ポンドインデックスなどさまざまな通貨のインデックスが存在します。またこのようなインデックスをまとめて「通貨インデックス」と呼ばれます。以下の画像はドルインデックスの日足チャートです。
円インデックスだけで相場状況が分からない場合は、他の通貨インデックスを参考に相場状況を分析してみるとより複合的に相場を分析できます。
円インデックスは主に以下の2つ方法でトレードにおいて活用できます。
円インデックスは、為替相場がどの通貨の影響で変動しているのかを見つけるのに役立ちます。例えば円インデックスが上昇しながらドル円が下落している場合、ドルよりも円が相場に与える影響が大きいことが分かります。
円の影響の大きさが確認できると、クロス円関係の通貨ペアの中にトレンドが発生している通貨ペアがある可能性が高いと考えられるのです。一方で円インデックスにトレンドが発生していなければ、クロス円関係の通貨ペアの中にトレンドが発生している通貨ペアがある可能性が低いと考えられます。
このように円インデックスのトレンドを見ることで、利益を上げやすい通貨ペアを効率良く探せます。
他の通貨インデックスを使うことでより確実にトレンドが発生している通貨ペアを突き止められます。円インデックスが上昇している場合、価値が下がっている他の通貨インデックスを見つければ、その通貨に対する対円通貨ペアは下落トレンドが発生している可能性が高いです。
通貨ペアの動きに先んじて、円インデックスでトレンドが発生することがあります。したがって円インデックスを分析すれば、クロス円通貨ペアにおけるトレンドの発生や終了を、いち早く察知できることがあるのです。例えば、以下ケースでは円インデックスにまず上昇傾向が確認できてから、ドル円に下降トレンドが現れています。
もちろん毎回このようになるわけでなく、円インデックスだけにトレンドが発生して、ドル円にはトレンドが発生しないパターンもあることは念頭においておきましょう。
MT4/MT5では以下の2つの方法で円インデックスをリアルタイムで確認できます。
円インデックスを取り扱っている海外FX業者では、他の通貨ペアと同様に円インデックスの銘柄を選択すれば円インデックスのチャートを表示できます。しかし円インデックスを取り扱っている海外FX業者は少ないので、円インデックスを表示できるインジケーターを使うのがオススメです。
なお、円インデックスの表示のみができるインジケーターはないので、各通貨の強弱を表示できるインジケーターを利用して円インデックスを確認します。今回は、通貨強弱を確認できるインジケーターとして有名な「Absolute Currency Strength」を例に、インジケーターのインストール方法から円インデックスの確認方法まで紹介します。
Absolute currency strengthは、MQL5コミュニティから無料でダウンロードできます。
MQL5コミュニティとは自動売買システムの販売・提供機能やフォーラム機能を備えた交流サイトです。また経済指標カレンダーやリアルタイムの外国為替レートの確認もできます。
MQL5コミュニティを利用するためには、MT4/MT5アカウントとMQL5コミュニティの連携を行う必要があります。連携方法については以下の記事を参考にしてください。
Absolute currency strengthはMT4用、MT5用いずれも提供されています。MT4ユーザーは、以下からダウンロードしてください。
またMT5ユーザーは、以下からダウンロードしてください。
Absolute currency strengthでは以下の主要8通貨の通貨強弱がデフォルトで表示されます。
またメインチャートで表示中の通貨ペアに関係する通貨インデックスは太線で表示されます。例えば下記画像のようにドル円を表示した場合、米ドル(緑)と日本円(黄色)のラインが太線になっています。
MT4/MT5以外で、円インデックスを確認する方法として以下の3つを紹介していきます。
TradingViewでは、TradingView独自で算出した通貨インデックスを配信しており、円インデックスもリアルタイムで確認することができます。TradingViewの円インデックスのシンボル名は「JXY(JAPANESE YEN CURRENCY INDEX)」です。
Currency Strength ChartはWebから簡単に通貨強弱を確認できるサービスです。通貨強弱を確認する以外の利用方法はありませんが、シンプルで初心者の方でも使いやすいのが特徴です。
Currency Strength Chartでは、円インデックスやドルインデックスを始めとした計8種類の通貨インデックスを確認できます。インデックスの値は、毎日朝6時を基準とした変動率で算出されています。毎日リセットされるので長期トレードには使えませんが、短期トレードや相場状況の把握のために活用してみるとよいでしょう。
Matafはトレーディングに役立つ情報を提供する金融ウェブサイトです。Matafでは円やドルを始めとした全17種類の通貨インデックスと金やシルバー、プラチナの3種類の貴金属インデックスを確認できます。
円の価値を一目で確認できる円インデックスは、通貨ペアの選択やトレンドの発生をいち早く確認するのに役立ちます。ただし、円インデックスで確認できるのは円の価値のみであるので、円インデックスのみをトレードの判断材料とするのではなく、根拠のひとつと考えてください。
他の通貨インデックスを確認したり、各通貨ペアのチャートもしっかりと確認したりしながら円インデックスを根拠のひとつとして、バランス良く相場分析を行うことが大切です。円インデックスを使いこなせるようになって、ぜひトレードを有利に進められるようになっていただければと思います。
作成日
:2023.07.31
最終更新
:2024.08.28
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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