作成日
:2023.03.24
2023.04.20 07:57
仮想通貨(暗号資産)のシバイヌ(SHIB)が、レイヤー2「シバリウム(Shibarium)」のベータ版をリリースしました。
シバイヌ(SHIB)はドージコイン(DOGE)から派生したミームコインで、大規模なコミュニティを形成しています。当記事では、シバリウムの特徴などを解説していきます。
2023年3月8日、シバイヌはレイヤー2「シバリウム(Shibarium)」のベータ版リリースを発表し、当記事執筆時点(2023年3月24日)で公開中です。
画像引用:Shiba Inu Ecosystem
多くのブロックチェーンは、異なる役割を持つブロックチェーンが階層別に独立して相互通信する「レイヤー構造」になっています。基礎的な役割を担うブロックチェーン層をレイヤー1と呼び、レイヤー1の情報処理を助ける層をレイヤー2と呼びます。
シバリウムのベータ版は「PUPPYNET(パピーネット)」と呼ばれ、ベータ版での調整後に本番環境で公開されます。
シバイヌ関連の仮想通貨について、シバリウムのベータ版公開発表前後の値動きを1か月チャートで確認します。市場はどのように評価したでしょうか。
画像引用:CoinMarketCap
真ん中あたりの強調部分が、シバリウム公開発表を受けた値動きです。少し上昇したものの下落トレンドが変わることはありませんでした。
画像引用:CoinMarketCap
LEASHは、シバイヌへの貢献度が高いユーザーに配布される特別なトークンで、総発行枚数は107,646枚です。シバイヌと同じく、少し上昇したものの下落トレンドが変わることはありませんでした。
画像引用:CoinMarketCap
BONEは独自DEX「ShibaSwap」のガバナンストークンです。また、シバリウムの取引手数料の支払いやステーキング報酬で利用されます。SHIBよりも大きな反応でしたが、こちらも下落トレンドに変化はありませんでした。
シバリウム開発については以前から情報公開されており、市場参加者はベータ版公開を冷静に受け止めたことが分かります。
シバイヌ関連の仮想通貨について、シバリウムのベータ版公開発表前後の値動きを1か月チャートで確認します。市場はどのように評価したでしょうか。
画像引用:Shiba Token
シバイヌはミームコインの一種です。ドージコイン(DOGE)の流行に乗って大量のミームコインがリリースされており、その中でもシバイヌはドージコインに次ぐ時価総額となっています。
ミームコインはインターネットミーム(主にSNSで流行したネタなど)を元にしており、ジョークや遊びとして作られた仮想通貨全般を指します。
シバイヌはイーサリアム(ETH)を基礎に発行されており、独自のコミュニティを形成しています。
シバイヌの特徴は、コミュニティの大きさです。当記事執筆時点(2023年3月24日)で、Tiwtterのフォロワー数が350万人を超えているだけでなく、SNSアカウントの合計インプレッション(観覧数)が月間5,000万回から1億回を記録しています。
また、多数の取引所に上場しており、投資しやすい環境が整っています。
シバイヌには以下のサービスがあります。
ShibaSwapはシバイヌのDEX(分散型取引所)です。仮想通貨のスワップ(交換)だけでなく、ステーキングや流動性マイニングなど総合的なサービスを提供しています。
流動性マイニングとは、DEXなどに2種類の仮想通貨をペアで貸し出して流動性を提供することです。イールドファーミングとほぼ同義の言葉として使われることもあります。流動性の提供と引き換えに独自仮想通貨を報酬として獲得できる一方、価格変動で損失を被ることもあります。
対戦型カードゲーム「Shiba Eternity」がアプリで公開されています。
画像引用:Google Play
Shiboshis CollectionはシバイヌのNFTコレクションで、1万種類のNFTが発行されています。保有者は開発チームと直接意見交換できるなど、特典がいくつか用意されています。
画像引用:OpenSea
デジタルアートNFTの中には、コレクションとしてだけでなく、Discord(ディスコード)などコミュニティへの入場券となっているものもあります。NFTはコミュニティを構築する手段としても利用されています。
シバリウムが導入されると、以下のメリットがあります。
レイヤー2はトランザクションを高速化する技術なので、よりスムーズにシバイヌのサービスを利用できるようになります。
レイヤー2の取引手数料はメインのブロックチェーンよりも安く、シバイヌでも取引手数料が安くなると予想されています。
シバリウムでプロジェクトを展開したり、シバリウム開発チームとコラボしたりできるようになります。このため、面白いプロジェクトが開発されるかもしれません。
シバリウムはコンセンサスアルゴリズムとしてDPoSを採用しています。ブロックチェーンの維持に参加すると、報酬として仮想通貨を稼げます。
シバリウムは高機能なため、様々なサービスが登場する可能性があります。
画像引用:Shiba Inu Ecosystem
シバイヌ開発チームはメタバース「SHIB the Metaverse」を開発しています。Decentraland(ディセントラランド)などと同じく、メタバース空間でエンタメやゲーム、ビジネスなどを展開できる見込みです。
メタバースとは、インターネット上に構築された三次元空間を指し、主にコミュニケーションツールやゲームとして利用されています。
当記事掲載時点(2023年3月)で開発中であり、動画が公開されていたりNFTで発行される土地が販売されていたりします。
シバイヌのDApp(分散型アプリ)には、ShibaSwapやShiba Eternityなどがあります。シバリウムがリリースされれば、DApp開発がさらに活発になると期待されています。
これまで、DAppはイーサリアムなどメインとなるブロックチェーン上に構築されてきました。しかし、高性能なレイヤー2(L2)が登場したことで、L2上でもDApp開発が活発になっています。
ShibaSwapがシバリウムを採用してさらに使いやすくなれば、仮想通貨の流動性やユーザービリティ(有用性)が高まり、需要が拡大するかもしれません。
シバリウムのその他の特徴を紹介します。
シバリウムは、コンセンサスアルゴリズムとしてDPoS(デリゲーテッド・プルーフ・オブ・ステーク)を採用しています。
コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックを生成するためのルールです。PoWやPoSに加え、DPoSやPoIなどがあります。それぞれ長所や短所があり、開発思想によって使い分けられています。
DPoSでは、ネットワーク参加者が投票で委任者(デリゲート)を選出し、デリゲートがブロックを検証します。PoSに比べて、投票プロセスがある分、より民主的なシステムだと考えられます。参加するには、担保としてBONEをブロックチェーンに預け入れます。
シバイヌのエコシステムでは、SHIB、LEASH、BONEの3種類の仮想通貨が発行されています。
これに加えて、シバリウム立ち上げ時に「TREAT」を発行する予定です。詳細は不明ですが、ネットワーク参加者への報酬として利用されるようです。
当記事執筆時点(2023年3月)でTREATは未発行であり、TREATへの投資を呼びかける詐欺に注意が必要です。
シバイヌはミームコインとしての地位を確立しており、シバリウム公開後はシバイヌのユースケースが拡大すると予想されています。
レイヤー2であるシバリウムの導入でどのように発展するか、期待が膨らみます。
作成日
:2023.03.24
最終更新
:2023.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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