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仮想通貨のFear & Greed Indexとは|市場センチメントを示す指標

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update 2024.01.28 14:55
仮想通貨のFear & Greed Indexとは|市場センチメントを示す指標

update 2024.01.28 14:55

Fear & Greed Indexは仮想通貨(暗号資産)のセンチメント、すなわち市場心理を示す指標です。様々な角度から分析して、投資家心理が恐怖に傾いているか期待(欲望)に傾いているかを判断します。

当記事では、Fear & Greed Indexの使い方などを解説していきます。

Fear & Greed Indexとは

Fear & Greed Indexは日本語で「恐怖と欲望の指数」と訳せます。価格が暴落すると人々は恐怖に包まれ、逆に価格が急上昇すると儲けたいという欲望が人々を支配します。Fear & Greed Indexは、このセンチメントを数字で示します。

point センチメントとは

センチメントとは市場心理を指します。好材料が出ればセンチメントは強気に振れ、反対に悪材料が出れば弱気に振れます。

仮想通貨市場向けのFear & Greed Indexツールは複数あり、Alternative.meで公開されているものが有名です。

Alternative.me

画像引用:Alternative.me

市場心理を示す

Fear &Greed Indexは0から100までの数値で市場心理を表します。0は投資家が最も恐怖に陥っている状態で、100は最も貪欲になっている状態です。

Fear & Greed Index

画像引用:Alternative.me

なお、市場心理について5段階で表すことができます。ここでは5段階ですが、3つまたは4つに分類して使用することもあります。

数字 状態
0-25 Extreme Fear (極度の恐怖):価格が大きく下落し、投資家の多くが恐怖を感じていると予想できます。
26-45 Fear (恐怖):価格が下落し、投資家は恐怖を感じていると予想できます。
46-55 Neutral (中立):価格が安定的に推移し、市場心理は安定していると予想できます。
56-75 Greed (貪欲):価格が上昇し、投資家は儲けたいと感じていると予想できます。
76-100 Extreme Greed (極度の欲望):価格が大きく上昇し、投資家の多くが儲けたいと強く感じていると予想できます。

トレードでの使い方

Fear & Greed Indexを使うと市場心理が数字で分かりますので、感覚に頼らずに済みます。感覚は体調や気分など相場以外の要素で動く一方、Fear & Greed Indexの数字は計算結果であって体調等で変化しません。そこで、これを使ったトレードが考えられます。

ただし、数字をどのようにトレードに生かすかという点について、一般的に合意された明確なルールはありません。また、数字を算出する方法についても特定のルールはなく、インデックスを作る人が自由に設定できます。

すなわち、Fear & Greed Indexの数字だけを使ってトレードするのは適切でない可能性があり、補助的な役割での使用を想定できます。

利用例1

上昇を期待してビットコインを買ったものの、急落して含み損が増えたとします。この場合、含み損を抱えているので心穏やかではありませんし、ツイッター等は荒れているかもしれません。事前に損切りレートを決めて取引しても、その場の気分で変更したくなるかもしれません。

この場合に、Fear & Greed Indexの数字を確認します。すると、感覚でなく数字で状態を把握できます。辛いと感じているのは自分だけでないと分かりますし、改めてチャートと比較することで何らかの指針を得られるかもしれません。

利用例2

ビットコイン価格が何日も連続して上昇しているのに、自分は買っていないとします。この場合、乗り遅れた感覚になって今すぐ買いたくなるかもしれません。

この場合に、Fear & Greed Indexの数字を確認します。その結果、100に近い数字だとしたら、多くの人が極度の欲望に満たされていると想定できます。すなわち、頂点はもうすぐかもしれず、今すぐ買いたいという気持ちを抑えて適切に分析するきっかけにできるかもしれません。

利用方法のまとめ

上の2つの利用例は、いずれも一時的な感情に流されて売買するのを避けるという利用例です。感覚で売買して損するのはありがちな話であり、それを回避しやすくなるかもしれません。

なお、Fear & Greed Indexは市場全体の雰囲気を知るのに便利です。そこで、ツイートのネタとして使ったり、友人との雑談の際に触れたりするなど、話題の一つとしての利用方法が考えられます。

Fear & Greed Indexへのアクセス方法

Fear & Greed Indexは、以下の方法でアクセスできます。

Alternative.me

Alternative.meにアクセスするとFear & Greed Indexを利用できます。なお、過去の推移グラフも確認できます。

Alternative.meのFear & Greed Indexのチャート

画像引用:Alternative.me

iOSウィジェット

Alternative.meはiOSウィジェットを提供しており、スマホのホーム画面でFear & Greed Indexを確認できます。なお、このウィジットを利用するには無料アプリの「Scriptable」が必要です。

Fear & Greed IndexのiOSウィジット

画像引用:Alternative.me

TradingView

TradingViewを使うと、様々な種類のFear & Greed Indexを参照できます。

TradingViewのFear & Greed Index表示画像

画像引用:TradingView

Fear &Greed Indexの構成要素

Alternative.meのFear &Greed Indexは、以下の6つの要素を使って数値を出しています。

ボラティリティ(25%)

ビットコイン価格の現在のボラティリティについて、過去30日と過去90日の平均ボラティリティと比較して評価します。インデックスに与える影響度は25%です。

point ボラティリティとは

ボラティリティは値動きの激しさを示す指標です。値動きが大きくなればボラティリティは高くなり、反対に値動きがおとなしくなれば低下します。

市場の勢いと出来高(25%)

ビットコイン市場の勢いや出来高について、過去30日と過去90日の平均と比較して評価します。インデックスに与える影響度は25%です。

ソーシャルメディア(15%)

Twitter(ツイッター)の投稿を分析します。ビットコイン関連のハッシュタグを持つツイートを計測しており、将来的にReddit(レディット)も計測対象になる見込みです。インデックスに与える影響度は15%です。

ビットコインの市場占有率(10%)

ビットコインの市場占有率とは、仮想通貨市場全体の時価総額に対してビットコインの時価総額がどれだけの割合を占めているかを示します。

仮想通貨市場全体の価格が下落すると、ビットコインの市場占有率が高くなる傾向があります。逆に、仮想通貨市場全体の価格が上昇すると、ビットコインの市場占有率が低くなる傾向があります。この傾向を利用しています。インデックスに与える影響度は10%です。

Googleトレンド(10%)

Googleトレンドとは検索ワードのトレンドを調べるためのツールで、検索ワードの推移をインデックスに反映します。インデックスに与える影響度は10%です。

アンケート(現在停止中)

Fear & Greed Indexは別サイトでビットコインの将来価格についてアンケートを実施しており、その結果を反映します。なお、当記事執筆時点(2023年3月10日)でアンケートは指標の要素から除外されています。インデックスに与える影響度は15%です。

利用上の注意点

Fear & Greed Indexには利用上の注意点がいくつかあります。

ツールごとに結果が異なる可能性

Fear & Greed Indexを算出するために何を構成要素にすべきか、そして、それらの重要度をどれくらいにするか。これらは全てツール制作者のさじ加減で決まります。このため、0から100の範囲内で表示されるという点は共通でも、表示された数字の意味はツールごとに異なる可能性があります。

そこで、どのように指数を算出しているか事前に確認し、そして、実際の値動きと整合性が取れているかを確認する必要があるかもしれません。

統一的な利用方法がない

一般的なインジケーターの場合、どの状態になったら取引を始めてどうなったら終了すべきか、明確に決められていることが多いです。一方、Fear & Greed Indexの場合は、一般的に合意された明確な利用方法がありません。ツールごとに数字の算出方法が異なるため、特定の数字になったら何をするかを決めづらいです。

このため、トレードで使う場合には、チャート分析の結果と矛盾があるかを確認するために使うなど、補助的なツールとしての利用が想定できます。

世の中の雰囲気を知るツール

Fear & Greed Indexを使うと、世の中にどんな感情が渦巻いているかを確認するのに便利です。このツールでトレードするには複数のハードルがありますので、利用前に十分に検討する必要があります。


Date

作成日

2023.03.14

Update

最終更新

2024.01.28

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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