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顧客の利益を減らす悪魔のプラグインとは? 仕組みを調査

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update 2025.10.06 19:20
顧客の利益を減らす悪魔のプラグインとは? 仕組みを調査

update 2025.10.06 19:20

FXトレーダーの間で、「悪魔のプラグイン(VDP)」というものが存在するという噂を聞いたことはないでしょうか?

「プラグイン」とは、MetaTrader4(MT4)/MetaTrader5(MT5)に標準機能とは別の機能を追加するもので、FX会社がそれぞれ独自に自社のMT4/MT5に導入しています。

この「悪魔のプラグイン」は、正式には「バーチャル・ディーラー・プラグイン(Virtual Dealer Plugin)」と呼ばれるもので、「VDP」と略されます。顧客の利益を減らす仕組みとされていることから、「悪魔のプラグイン」との別名がつきました。

Myforexでは、この悪魔のプラグインについて、仕組みや現在使われているかなどを調査しました。

流出資料をきっかけに話題に

プラグインはFX会社が導入するものであるため、その情報は一般にはあまり公開されません。

悪魔のプラグイン(VDP)の名前が知られているのは、MT4/MT5を契約するFX会社しか閲覧することができないメタクオーツ社の会員制サイト内にある資料が流出し、10年ほど前に大きな話題となったためです。

流出した資料のタイトルは、「VirtualDealer versus Manual Execution: What is better?(バーチャル・ディーラー対手動執行:どちらがいい?)」というもので、従来のディーラーによる顧客注文の処理と比較して、このプラグインを使うことのメリットを紹介したものです。

VDPの資料 VDPの資料

画像引用:Tozsde Forum

悪魔のプラグインの仕組みと内容

MT4/MT5にこの「悪魔のプラグイン」をインストールすると、FX会社は以下のような作業を自動で実行できるようになります。なお、顧客は、このプラグインがインストールされているかどうかを確認することはできません。

  • 顧客の注文を、最大5秒遅延させて実行
  • 非対称スリッページが可能
  • 窓ができたら、顧客に有利でない方の価格で約定させる
  • 指標などニュース発表時、未約定注文の修正等を不可にする

非対称スリッページとは、「顧客にとって不利」なスリッページが発生する場合は約定させるが、「顧客にとって有利」なスリッページが発生する場合は約定拒否にするなど、顧客不利な対応をすることです。

非対称スリッページが設定されている場合、例えば、ドル円が105.000円で買い成行注文を入れたとすると、実際の約定価格が顧客に不利になる105.100円だったときは約定させ、有利になる104.900円だったときは約定させないなどの対応となります。

非対称スリッページ

その他の約定の遅延なども含め、ユーザー視点では許容できない機能が複数盛り込まれています。

類似製品も存在

流出元とされるメタクオーツ社の会員制サイト内では、現在この資料を閲覧することはできません。このため、資料が偽物であった可能性も考えられますが、メタクオーツ社が特に反論をしていないことから、本物である可能性が高いでしょう。

実は、このような製品は他のプラグイン開発会社も開発しています。ディーラーに代わって顧客の注文を処理する「バーチャル・ディーラー」として現在も販売されている商品の例を紹介します。

Takeprofit Virtual Dealer(Ashira)

この通称「Ashira」プラグインは、以下の機能などを備えています。

  • 特定通貨ペアのスプレッドを、特定の時間帯に拡大
  • 特定の条件の注文を受注後、指定時間だけ経過してから約定
  • 特定の条件の注文につき、ランダムな大きさのスリッページを発生させる

公式サイトの案内には、このツールを使うべきFX会社の例として、以下が書かれています。

  • 高速EAで稼ぎすぎる顧客がいる場合
  • スキャルピングで稼ぎすぎる顧客がいる場合
  • 稼ぎすぎる顧客を管理したい場合

Ashiraの他にも、複数のバーチャル・ディーラーがあります。しかし、何ができるか具体的に書いていない例ばかりで、詳細は販売会社に問い合わせる形式になっています。インターネットは誰もが閲覧できます。すなわち、MT4ユーザーも閲覧可能ですので、ユーザーにとって不都合な情報を公開したくない意図があるのかもしれません。

共通点はB-Book

こうした商品の共通点として、顧客の注文を約定させる方式としてB-Bookを採用しているFX会社向けであるという点があります。

注文の処理方式にはA-BookとB-Bookがあり、違いは、顧客の注文をそのままカバー先金融機関(インターバンク市場)に発注するかどうかです。

A-Bookの会社では、顧客の注文と同じ注文を、カバー先金融機関に発注します。一方、B-bookの会社では、カバー先金融機関への発注を行いません。

A-bookとB-bookの違い

A-Bookの場合、顧客の注文をカバー先金融期間に取り次ぐだけですから、顧客がスキャルピングで大儲けしても問題がありません。よって、悪魔のプラグイン(VDP)を導入する理由もなく、FX会社は、顧客から取引手数料を別途徴収してサービスを維持します。

一方、B-Bookは顧客とFX会社が直接取引しますから、顧客が損をするとFX会社の利益となり、反対に顧客が利益を出すとFX会社の損失となります。そのため、一部のFX会社は悪魔のプラグインのような製品を導入して顧客の行動を制限したり、顧客に不利な為替レートで約定するようにしているのです。

しかし、B-BookのFX会社すべてが悪魔のプラグインのような製品を採用しているわけではありません。B-bookの会社であっても、対称スリッページや公平な約定環境を提供している会社もあります。

スリッページ確認が重要

複数の海外FX業者関係者に調査したところ、話題となったメタクオーツ社の資料にある悪魔のプラグイン(VDP)は、古いもので現在は使われていないが、同じような機能を持つより新しい製品であれば、使われている可能性はあるということです。

FX会社がどのようなプラグインを使用しているかの情報は、一般的に機密情報にあたるため、正確に知ることはできません。

しかし、自分の取引の利益が不正に減らされていないか、確認することができます。Myforexでは、FX会社が配信したレートを常時記録しておき、注文ボタンを押したときのレートと、実際に約定したレートのずれがないかを確認できる「スリッページ記録ツール」を無料で提供しています。

スリッページ確認の仕組み

自分のMT4/MT5で注文ボタンを押してから、FX会社のサーバーに注文情報が到達するまでの間の値動きの変化でもスリッページは発生しますので、スリッページが多少発生するのは普通のことです。

しかし、通常であれば、利益が発生するスリッページと損失が発生するスリッページの割合に大きな偏りは発生しません。損失が発生するスリッページのみが極端に多い状態を「非対称スリッページ」と呼び、FX会社による不正な操作が行われている兆候と考えられています。このスリッページ計測ツールを利用して、安心してFX会社を利用してください。


Date

作成日

2022.06.01

Update

最終更新

2025.10.06

山本鉄壁 | Teppeki Yamamoto

現役トレーダー兼仮想通貨ライター

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山本鉄壁

FXと仮想通貨をメインとし、投資歴は20年を超える。トレードで独立後に別のペンネームで書籍を出版したり投資雑誌に寄稿したりするなど活躍中で、主に英語メディアで日々最新情報をチェックしている。

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