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スリッページ記録ツールは、新規注文・決済注文時のスリッページを自動で記録するインディケータです。スリッページの記録はExcelファイルで詳細を確認できるほか、チャート画面には指定期間の平均スリッページが表示されますので、新規注文時に確認してどの程度のスリッページが発生するかの参考にすることが可能です。
スリッページ記録ツールは、利益が出たスリッページはプラスで、損失となったスリッページはマイナスで表示される仕様です。このプラスとマイナスの表示に不具合があったため、2022年8月に修正を行いました。
スリッページ記録ツールでは、個別の注文毎に計測されたスリッページを基に平均スリッページが画面の左上に表示されます。オレンジで表示されるのが新規注文の平均、青で表示されるのが決済注文の平均です。
スリッページ記録ツールを稼働させている期間の記録を行うので、設置する期間が長くなるほどデータが増えより正確なスリッページを確認することができます。そのため、長期の平均を算出したい場合は常にチャートに設定しておくことを推奨します。なお、「計算日数」パラメータを稼働している日数よりも長く設定しても、スリッページが過去に記録されていなければ対象外となります。
どの期間の平均を表示させるかは、インディケータのパラメータ画面で設定することができます。
FX会社によっては、銘柄名の後に「.」や「m」などの記号やアルファベットが付いている場合があります。これはサフィックスと呼ばれます。このサフィックスによっては、スリッページ記録ツールが正常に作動しない場合があります。
なお、MetaTrader4/MetaTrader5の通常の仕様には、スリッページを記録する仕組みはないため、このインディケータでは、ミリ秒単位で細かく値動き(ティック)を記録しておき、最後に記録されたティックと約定レートの差を算出することでスリッページを算出しています。
そのため、最後に記録されたティックが注文時のレートと完全に一致するわけではなく、誤差が発生する場合もあります。例えば、売りポジションの場合にこのインディケータが記録した最後のティックが105.000円で、約定したレートが105.003円だった場合、スリッページは「0.3pips(0.003円)」となります。買いポジションの場合に同様のレートで約定した場合、不利なスリッページとなりますので、「-0.3pips」と表示されます。
スリッページ記録ツールでは、銘柄を指定してスリッページを記録することが可能です。全体としてのスリッページではなく、特定の銘柄のスリッページを計測して傾向を把握したい場合などに役立ちます。
例えば、ドル円のチャートに適用して「チャートの銘柄のみ」パラメータをONに設定した場合、ドル円のみの注文を記録したExcelファイルが生成され、チャート上に表示される平均スリッページも個別の銘柄のものになります。
また、「マジックナンバー指定」パラメータを使用することで、特定のエキスパートアドバイザ(EA)が出した注文のみ指定することや、エキスパートアドバイザ(EA)の注文を排除して手動注文のみ記録することも可能です。手動注文のマジックナンバーは「0(ゼロ)」となりますので、手動注文のみ記録したい場合は、「マジックナンバー指定」パラメータに「0」を入力してください。
マジックナンバーとは、MetaTrader4/MetaTrader5で使用される売買注文の識別番号のことです。MetaTrader4/MetaTrader5ではエキスパートアドバイザ(EA)と呼ばれる自動売買プログラムや手動による注文など、複数の方法で売買注文が出されます。それらの注文にマジックナンバーを付与することで、どのエキスパートアドバイザ(EA)から出された注文なのか、もしくは手動で出された注文なのかを管理しています。
スリッページ記録ツールでこれまでに計測されたスリッページの詳細は、Excelファイルとして出力されます。
Excelファイルでは、これまでの新規注文・決済注文の情報を7項目に分けて確認できます。具体的には以下の通りです。
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
チケット番号 |
ポジションのチケット番号です。 |
2 |
銘柄 |
ポジションの銘柄です。 |
3 |
注文 |
注文の方向です。「SELL(売り)」「BUY(買い)」が表示されます。 |
4 |
数量 |
注文を行ったロット数です。 |
5 |
日時 |
注文を行った日時です。 |
6 |
価格 |
注文を行った際の価格レートです。 |
7 |
スリッページ |
注文時のスリッページです。pips単位で表示されます。 |
各Excelファイルは、MetaTrader4/MetaTrader5の「Files」フォルダ内に生成される「SMT」フォルダの中に、パラメータ設定に応じたファイル名で格納されています。ファイル名の詳細は以下の通りです。
ファイル名 | 詳細 |
---|---|
FO | 全ての銘柄の新規注文が記録されています。「チャートの銘柄のみ」パラメータをOFFにしている場合に生成されます。 |
FC | 全ての銘柄の決済注文が記録されています。「チャートの銘柄のみ」パラメータをOFFにしている場合に生成されます。 |
FO_銘柄名 | 特定の銘柄の新規注文が記録されています。「チャートの銘柄のみ」パラメータがONの場合に生成されます。 例:FO_USDJPY |
FC_銘柄名 | 特定の銘柄の決済注文が記録されています。「チャートの銘柄のみ」パラメータがONの場合に生成されます。 例:FC_USDJPY |
FO_マジックナンバー | 特定のマジックナンバーの新規注文が記録されています。「マジックナンバー指定」パラメータでマジックナンバーを指定した場合に生成されます。 例:FO_123 |
FC_マジックナンバー | 特定のマジックナンバーの決済注文が記録されています。「マジックナンバー指定」パラメータでマジックナンバーを指定した場合に生成されます。 例:FC_123 |
FO_銘柄名_マジックナンバー | 特定の銘柄、かつ特定のマジックナンバーの新規注文が記録されています。「チャートの銘柄のみ」パラメータがON、かつ「マジックナンバー指定」パラメータでマジックナンバーを指定した場合に生成されます。 例:FO_USDJPY_123 |
FC_銘柄名_マジックナンバー | 特定の銘柄、かつ特定のマジックナンバーの決済注文が記録されています。「チャートの銘柄のみ」パラメータがON、かつ「マジックナンバー指定」パラメータでマジックナンバーを指定した場合に生成されます。 例:FC_USDJPY_123 |
スリッページ記録ツールでは、Excelファイルに全て情報が入っているので、Excelファイルを別のMetaTrader4/MetaTrader5の「SMT」フォルダに移動させることで、それまでに計測されたスリッページ記録を続けて利用可能です。銘柄名にサフィックスがついているブローカーの場合、ファイル名を銘柄名と合わせることで記録を継続できます。
なお、スリッページ記録ツールのpips単位は、小数点を含めた価格の下2桁目に対応しています。銘柄の桁数によってpips単位が異なるため、以下の表をご参照ください。
銘柄の小数点桁数 | 1pips | 0.1pips |
5桁の銘柄 | 0.00010 | 0.00001 |
4桁の銘柄 | 0.0010 | 0.0001 |
3桁の銘柄 | 0.010 | 0.001 |
2桁の銘柄 | 0.10 | 0.01 |
1桁の銘柄 | 1 | 0.1 |
0桁の銘柄 | 10 | 1 |
5桁の銘柄 | |
---|---|
1pips | 0.00010 |
0.1pips | 0.00001 |
4桁の銘柄 | |
1pips | 0.0010 |
0.1pips | 0.0001 |
3桁の銘柄 | |
1pips | 0.010 |
0.1pips | 0.001 |
2桁の銘柄 | |
1pips | 0.10 |
0.1pips | 0.01 |
1桁の銘柄 | |
1pips | 1 |
0.1pips | 0.1 |
0桁の銘柄 | |
1pips | 10 |
0.1pips | 1 |
例えば、小数点以下が2桁のゴールド(XAUUSD)の場合、価格が「1799.28」であれば、1pipsに相当するのは「2」で、0.1pipsに相当するのは「8」となります。
スリッページ記録ツールを利用するには、MetaTrader4/MetaTrader5に「【Myforex】スリッページ記録ツール」のファイルをインストールしてください。
MetaTrader4/MetaTrader5上部にあるメニューバーから「ファイル」をクリックし、「データフォルダを開く」を選択します。
データフォルダを開いたらその中の「MQL5(MetaTrader4の場合はMQL4)」フォルダをダブルクリックで展開します。
MQL5ファイルの中にある「Indicators」フォルダをダブルクリックで展開します。
「Indicators」フォルダ内に、「【Myforex】スリッページ記録ツール」を保存します。
フォルダに入れたら、ナビゲータの「指標」(MetaTrader4の場合は「インディケータ」)の上で右クリックし、表示されるメニューから「更新」ボタンを選択します。
ナビゲータの「指標」(MetaTrader4の場合は「インディケータ」)の中に、スリッページ記録ツールが反映されたことを確認し、ダブルクリックまたはドラッグ&ドロップでチャートに適用します。
「設定方法」ページを参考に「インプット」タブ(MetaTrader4の場合は「パラメーターの入力」)内で詳細設定を行い、「OK」ボタンをクリックします。
スリッページ記録ツールがチャートに適用され、画面左端に注文時の平均スリッページ(Open Avg. Slippage)と決済時の平均スリッページ(Close Avg. Slippage)が表示されます。
インディケータをチャートに適用した後、ご利用スタイルに合わせてパラメータ設定を行います。
最初は「共有」タブが表示されますので、「インプット」タブ(MetaTrader4の場合は「パラメーターの入力」)に切り替えます。
下記の通りパラメータ設定を行います。
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
計算日数 |
平均スリッページを計算する日数を設定します。「7」と入力した場合、過去7日間分のスリッページをもとに「平均スリッページ」が表示されます。 |
2 |
チャートの銘柄のみ |
スリッページの記録をチャートの銘柄のみにするかどうかを「ON」「OFF」で設定します。ONの場合、チャートの銘柄用のExcelファイルが別で作成され、そこにスリッページが記録されます。 |
3 |
マジックナンバー指定 |
スリッページを記録するエキスパートアドバイザ(EA)のマジックナンバーを指定します。指定したマジックナンバーが新規注文・決済注文を行った際に、マジックナンバー指定用のExcelファイルが出力されます。 マイナス値を入力した場合、マジックナンバー指定が無効になり、全てのマジックナンバーが記録の対象になります。 |
取引ごとの注文の詳細やスリッページは、Excelファイルにて確認可能です。
メニューバーの「ファイル」をクリックし、「データフォルダを開く」を選択します。
「MQL5」フォルダ(MetaTrader4の場合は「MQL4」フォルダ)を展開します。
「Files」フォルダを展開します。
「SMT」フォルダを展開します。
「SMT」フォルダ内に、設定別のスリッページが記録されたExcelファイルが保存されています。
スリッページ記録ツールの「平均スプレッド」は、出力されるExcelファイル内の数値で算出されます。そのため、「SMT」フォルダ内のExcelファイルを削除してしまうと、平均が算出されません。また、ファイルの内容を変更すると、データが不正確になってしまいますので、Excelファイルの消去や移動は注意して行いましょう。
作成日
:2021.12.31
最終更新
:2022.09.21
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