作成日
:2021.10.08
2022.04.20 12:08
9月24日、米大手SNSのTwitterが、ビットコイン(BTC)および日本円や米ドルなどの法定通貨での投げ銭を可能にする「Tips」と呼ばれる新しい機能を正式にリリースしたことを発表しました。
Tipsが利用可能となったことは大手メディアによって大々的に報じられており、Twitter上でも関連記事などの情報が広く拡散されています。ビットコインでの投げ銭は外部決済サービスを利用する都合上、残念ながら日本からは使えませんが、日本でも関心を寄せるコメントが数多くツイートされており、今後日本でも使えるようになることが期待されています。
Twitterはその他競合の主要なSNSプラットフォームに先駆けて、仮想通貨(暗号資産)を統合することに成功しましたが、これがどのような変化をもたらすのでしょうか。
今回は、Tipsの概要や使い方を説明した上で、その他の仮想通貨関連機能、Twitterの将来的な仮想通貨分野での取り組みに関して紹介していきます。
近年、投げ銭はインターネットで活動するクリエーターを応援する手段として広く利用され始めています。既にYouTubeやFacebookでは投げ銭機能が実装されていますが、遂に人気SNSの一角であるTwitter上でも、Tipsのリリースで同様の機能が利用可能となりました。
では、TwitterのTipsとは具体的にどのようなサービスなのでしょうか。ここでは、Tipsの全容と将来的な開発計画などについて、深く掘り下げて紹介していきます。
今年7月からTwitterは「Tip Jar」と呼ばれる投げ銭機能をベータ版(試運転段階のバージョン)として運用してきました。これは英語圏の非営利団体やジャーナリスト、エキスパート、クリエイターを対象としたものでしたが、今回Tipsとして正式リリースするにあたって、Twitterは全てのユーザーに投げ銭機能を提供することを決定しました。プロフィール設定で投げ銭機能を有効にすれば、プロフィール画面に投げ銭のアイコンが表示されます。
Tipsを利用すれば、外部のオンライン決済サービスを使って、誰でも投げ銭を行ったり、受け取ることができるようになります。Twitterは投げ銭に対して手数料を課しておらず、外部のオンライン決済サービスも、ライトニングネットワークという技術によりビットコインの送金手数料を大きく抑えられる仕様を採用しているため、気軽、かつ少額から投げ銭を行うことができます。
ライトニングネットワークとは、ビットコインブロックチェーンの負荷を軽減し、取引速度や手数料の問題を解決するために開発された技術です。このような技術は一般的にオフチェーンと呼ばれており、ブロックチェーン外で取引をまとめて処理することを可能にします。ライトニングネットワークを利用すれば、マイクロペイメントなどのごく少額な決済にビットコインを用いることができるようになるのです。
Tipsを利用するためには、対応する決済サービスをTwitterアカウントに連携させる必要があります。Twitterの発表によると、法定通貨での投げ銭を有効化するには、BandcampおよびCashApp、Chipper、Patreon、Razorpay、Wealthsimple Cash、Venmo、GoFundMe、PicPayなどが利用可能です。
また、ビットコインでの投げ銭を有効化するためには、ビットコインのライトニングネットワーク上に構築された送金アプリであるStrikeを利用することが必須となっています。
残念ながらStrikeは米国とエルサルバドルのみに展開しているサービスなので、日本からはTwitterからビットコインの投げ銭を利用することはできません。加えて、法定通貨での投げ銭に関しても、上記の決済サービスの中には日本から利用できないものもあるので注意が必要です。
現在、TipsはiOSのスマホアプリから利用可能となっています。今の所、Androidはサポート対象となっていないものの、Twitterは今後数週間で対応することを明示しています。
一方、Twitterがビットコインの投げ銭機能を世界的に拡大するかは明らかになっていません。日本から利用するには、Tipsが他の仮想通貨ウォレットに対応するか、Strikeが日本にサービスを展開するのを待つしかないと言えるでしょう。
世界で話題のサービスなので、日本で利用可能となる日が待ち遠しいですよね。
Twitterは同社のプラットフォームにビットコインを統合することに成功しましたが、今回、Tipsの他にも仮想通貨関連サービスの立ち上げを近日中に予定していることを公表しました。Twitterはそれが「NFT(非代替性トークン)認証」と呼ばれるものだと言及しましたが、一体どのようなサービスなのでしょうか。
NFTはここ数年で台頭してきた新しい技術なので聴き馴染みのない方も多いかもしれません。ここでは、そんな方でもわかるように、おさらいの意味も込めてNFTを説明した上で、Twitterの新しいサービスであるNFT認証を紹介していきます。
NFTとは非代替性トークンの名称の通り、代替不可能なトークンを作り出す技術です。今の所、NFTは主にデジタルアートやゲームアイテムなどのデジタルコンテンツをトークン化(仮想通貨と同様にブロックチェーン上で取引可能にする手段)することに利用されています。
企業やクリエーターが発行したNFTは、マーケットプレイスを通じて販売され、コレクターや投資家の間で取引されるようになります。現在、仮想通貨市場ではNFTがブームとなっており、デジタルアートの中には数十万ドルで落札されるものも出てきている状況です。
通常、仮想通貨にはシリアルナンバーのような識別子が割り振られておらず、個々のトークンを識別することができないようになっています。これは500円玉などの硬貨と同じような発想で、同じ通貨単位であれば、どれでも等しい価値を持つという代替性があることを意味しています。一方、NFTには代替性がなく、ひとつひとつが唯一無二の存在として固有の価値を持っているのです。
既にTwitter上ではインフルエンサーを中心に、NFTのデジタルアートが流行しつつあります。NFTの震源地とも言える米国では、仮想通貨コミュニティだけに留まらず、セレブリティ達もプロフィールにNFTのデジタルアートを採用するなどの動きを見せています。
日本では仮想通貨コミュニティで影響力を持つイケダ・ハヤト氏がCryptoPunks(宇宙人を模したデジタルアート)と呼ばれるNFTを100ETH(約3,500万円相当)で購入して話題となりました。
このようにTwitterではインフルエンサーがNFTブームを主導しており、それが一般ユーザーにも波及し始めている状況です。TwitterのNFT認証は、プロフィールのアイコン画像にNFTとして発行されたデジタルアートを利用するユーザー向けのサービスです。NFT認証を行えば、ユーザーはそのNFTの正当な所有者であることが認められます。これによりNFTのデジタルアートをアイコン画像に利用するユーザーが増加するだけでなく、TwitterがNFTを展示する場になると考えられます。
将来的にTwitterがどこまでNFT関連機能を拡充させるかははっきりしていませんが、アイコン画像としてNFTを採用する人が増えれば、それがNFT市場の拡大に貢献する可能性があると言えるでしょう。NFTに興味のある方は、今の内にTwitterのアイコン画像となるNFTの購入や作成を検討してみるのも良いかもしれませんね。
TwitterのCEOであるジャック・ドーシー氏は、熱心なビットコイン信奉者として知られています。ドーシー氏はビットコインがTwitterの未来において重要な要素になると発言しており、同社のプラットフォームはより仮想通貨との親和性を高めていくと考えられています。
従ってTwitterは更なる仮想通貨関連サービスを導入すると予想されているのです。実際にドーシー氏は自身がCEOを兼任するオンライン決済サービスのSquareを絡めて、仮想通貨分野での取り組みを加速させていますが、Twitterにはどのような可能性があるのでしょうか。
ここからは、現時点で公開されている範囲の中で、Twitterに導入される可能性がある仮想通貨関連サービスを紹介していきます。
Twitterは2021年6月に、ツイートの取り消しやブックマークなどができるプレミアム会員サービス「Twitter Blue」を限定的に開始したのに加え、9月には月額制のサブスクリプションサービスである「スーパーフォロー」を北米でスタートさせるなど、新しいサービスを続々とリリースしています。
今回、Tipsを立ち上げるにあたってドーシー氏は、これらのサービスとビットコイン決済を統合させる可能性があると言及しました。Twitter Blueおよびスーパーフォローは日本に未上陸ですが、Twitterは近々、世界展開する計画があると公表しています。
また、Twitterは「Shop Module」という名称のショッピング機能を実験的に運用しています。Shop Moduleが正式にリリースされるかは未定ですが、これが現実のものとなれば、ビットコイン決済で商品を購入できるようになる可能性もあると言えるでしょう。
Twitter Blueやスーパーフォロー、Shop Moduleでビットコイン決済が採用された場合、仮想通貨普及のきっかけになるかもしれません。
最近、ドーシー氏はSquareを通じて、著名なラッパーのジェイ・Z氏が立ち上げた音楽配信サービスである「TIDAL」の株式を過半数以上取得しました。
ドーシー氏がTIDALを買収した狙いやTwitterとの関係性を明らかにしたわけではありませんが、音楽コンテンツをNFTの形で販売する可能性があると噂されています。これに関してインターネットメディアrecodeの記者であるピーター・カフカ氏は、ドーシー氏であれば、SquareとNFTを組み合わせることを考えるのも驚くに値しないとコメントしています。
TwitterはNFT認証を開発しており、NFTプラットフォームとしての機能を持ち始めているので、TIDALと連携することになっても何の不思議もないと言えるでしょう。もしこれが現実のものとなれば、音楽好きにとっては堪らないアップグレードになるといえますよね。
主要なSNSは軒並み仮想通貨の取り込みを図っており、例えば、世界に約30億人近いユーザーを抱えるFacebookは独自仮想通貨ディエムの発行を発表しています。日本では大手SNSのミクシィがゲーム分野での仮想通貨利用を推し進め、仮想通貨取引所のビットバンクに出資するなどの動きに出ています。
今後もこのSNSのトレンドは継続していくと考えられますが、今回、Twitterがビットコインによる投げ銭機能を実装したことは、各社の仮想通貨市場での取り組みを拡大するターニングポイントとなるかもしれません。仮想通貨が一般的になればなるほど、仮想通貨市場が盛り上がる可能性がありますので、SNSの動向にも要注目です。
出典元:
作成日
:2021.10.08
最終更新
:2022.04.20
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