Select Language

SEC、オンライン証券やマーケットメイカーを対象とした規制強化を示唆

SEC、オンライン証券やマーケットメイカーを対象とした規制強化を示唆

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.04.20 12:27
SEC、オンライン証券やマーケットメイカーを対象とした規制強化を示唆

update 2022.04.20 12:27

今夏に各市場イベントを評価したレポートを公表する予定

米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】の委員長を務めるGary Gensler氏は、5月6日に開催された下院金融委員会の公聴会にて、年初に市場に混乱をもたらしたGameStop【以下、ゲームストップと称す】株などの投機的売買に絡み、中心的な役割を果たしたRobinhood Markets, Inc.【以下、ロビンフッドと称す】などのオンライン証券会社や有力マーケットメイカー(値付け業者)に的を絞った規制強化を示唆した。[1]

Gensler氏は、ロビンフッドなどのブローカーは、顧客エンゲージメントを拡大させるべく、モバイルアプリ上でゲーミフィケーションを導入した取引サービスを提供していると指摘している。また、過去数年の間に、ロビンフッドなどの一部ブローカーが、顧客注文をマーケットメイカーに回送するペイメント・フォー・オーダーフロー(Payment For Order Flow)【以下、PFOFと称す】を採用しているという。PFOF下においては、投資家の大量の株式注文が、Citadel Securities(シタデル・セキュリティーズ)などの少数の大手マーケットメイカーに流れており、健全な競争が脅かされている状況だと懸念を示している。更にGensler氏は、現在の規制の多くが最新のテクノロジーやコミュニケーション手法が普及される前に策定されたことに鑑み、それらを再評価することで、規則を見直す可能性も出てくるとの認識を示した。

ミーム株(ネット上で拡散される情報を基に取引される銘柄)の投機的売買を巡っては、ロビンフッドなどの各ブローカーがゲームストップ株などを取引制限する事態に発展していた。また、Reddit(レディット)で繋がる個人投資家が仕掛ける市場の混乱は、グローバル各国市場にも波及し、ESMAが懸念を表明するなど、各国当局の対応にも注目が集まっている状況だ。

SECは今夏に、ゲームストップ騒動を含む市場イベントを評価したレポートを発表する予定だが、ロビンフッドなどを対象とした規制に関して如何なる指針を示すか、同委員会の動向を見守りたい。

release date 2021.05.12

ニュースコメント

comment

規制強化に傾くSEC


市場参加者の間では、4月にSECの新委員長に就任したGensler氏が、金融業界の規制強化を進めるとの見方が強まっている。同氏は投資家保護に取り組む上で、ゲーミフィケーションやPFOFに加え、ソーシャルメディアや株式市場の構造、空売りと市場の透明性、決済・清算システム、金融システムのリスクという7つを重点分野に位置づけた。また、Gensler氏は仮想通貨(暗号資産)分野の専門家でもあり、先進的なテクノロジーを活用した同分野の規制も強化していく模様だ。足元で仮想通貨市場が急速に発展する中、ハイスペックなトレード環境が魅力のExnessが仮想通貨の最大レバレッジを200倍に引き上げるなど、多くのブローカーが関連サービスの強化を進めている。今回、規制強化のやり玉に挙がっているロビンフッドでは、一時ドージコイン(Dogecoin)に買いが集中する場面が見られており、株式のみならず仮想通貨の分野でも、個人投資家が一部銘柄の価格高騰を主導するロビンフッド現象が生じているようだ。SECが新委員長を迎えて早くも規制強化の方針を示す中、ブローカー各社が顧客基盤の維持・拡大に向けて如何なる対応を見せるか注目したい。


Date

作成日

2021.05.12

Update

最終更新

2022.04.20

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

PayPayを使って海外FXとの入出金が可能に?Binance JapanとPayPayが提携を発表

Binance JapanとPayPayが業務提携を発表し、PayPayマネーを使った仮想通貨購入サービスの提供などが検討されています。本記事では、Binance JapanとPayPayの提携内容や、PayPayを使った海外FXとの入出金フローなどを解説します。
update2025.10.17 19:00

海外FXへの仮想通貨送金にはBybitがおすすめ!FXトレーダーに最適なBybitの使い方

海外FXの入出金によく使われる国内銀行送金が以前より使いにくくなっていることを受け、仮想通貨での入出金が注目を集めています。本記事では、仮想通貨送金をするならBybitがおすすめの理由や、海外FXユーザーに最適なBybitの使い方を紹介します。
update2025.08.29 20:00

SwiftTraderが資金難?SNSで出金トラブル報告が増加

2025年以降、SwiftTraderで出金拒否・遅延の報告がSNSで相次いでいます。本記事では報告されている出金トラブルのほか、GEMFOREXとの類似点やSwiftTraderをおすすめしない理由を説明します。
update2025.10.16 19:30

Exnessでシステムエラーによる入出金の不具合が発生?SNSでも報告が相次ぐ

2025年10月、海外FX業者Exnessで入出金エラーが発生し、SNSでも不具合報告が相次ぎました。銀行振込やbitwalletで送金できない事例が確認されており、復旧後も不安の声が続いています。
update2025.10.16 19:00

【本音で比較】海外FXのドル円スプレッドを3ヶ月徹底調査|数千円も業者によってお得に

Myforex編集部では、2024年11月20日〜2025年2月20日の3ヶ月間にわたり、海外FXのドル円スプレッドを1分ごとに独自調査。その結果、業者によって数千円以上のコスト差があることが分かりました。
update2025.08.01 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル