Select Language

FCA、金融プロモーション規則強化に向けた提議書を公表

FCA、金融プロモーション規則強化に向けた提議書を公表

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.04.20 12:27
FCA、金融プロモーション規則強化に向けた提議書を公表

update 2022.04.20 12:27

フィードバック期間は2021年7月1日まで

英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】は4月29日、個人投資家市場に関する意見募集(Call For Input, CFI)のフィードバックを踏まえ、高リスク金融商品のプロモーション規則強化を図る提議書(ディスカッションペーパー)を公表した。[1]

同提議書では、個人投資家を有害な金融商品から保護するために、プロモーション規則の変更に繋がる分野として、高リスク金融商品の分類と高リスクの投資市場の分類化、金融プロモーションを実施する企業の責任という3つを挙げている。FCAは投資分類に応じて適用するマーケティング規制を定めているが、更にP2P(ピア・ツー・ピア)の投資契約などの投資種別を規制対象とすべきか、また如何なるマーケティング規制を適用すべきか意見を求めている。現行のマーケティング規制下においては、非常に多くの個人投資家が、自身のニーズとマッチしていない不適切な高リスクの金融商品に投資しているという。そのため、同機構は高リスクの金融商品を他の投資商品と区分した上で、プロモーション規則を強化していくための最良の手法に関して意見を求めている。また、投資で損失が生じる可能性を適切に伝えていないリスク警告に関しても、如何にして改善していくか検討しているという。更に、FCAは金融サービスプロバイダー各社に対し、顧客をミスリードしないために、継続的に自社の金融プロモーションをモニタリングしていくために必要なことに関しても意見を求めている。

尚、FCAは投機的なミニボンドのマスマーケティングを恒久的に禁止するなど、健全な市場の形成に向けた取り組みを実践している。また、同機構は有害な金融商品の撲滅に向けたデジタルキャンペーンを実施している。同キャンペーンは、リスク許容度や投資商品の特性など5つの質問を含んだオンライン広告になるという。

FCAは金融プロモーション規則に関連した提議書のフィードバック期間を2021年7月1日までと定め、フィードバックを基に同年後半に規則の変更を協議する予定である。また、同機構は個人投資家特性にマッチしていない有害な金融商品の撲滅に向けた新たなキャンペーンを企画していく方針だ。

release date 2021.05.05

ニュースコメント

comment

投資教育の重要性を指摘するFCA


今回の提議書の公表に際し、FCAは個人投資家に対して投資教育ビデオの視聴やオンラインテストの受講を求めている。同機構はこれらの取り組みを通じ、個人投資家が各種金融商品に関する知識を十分に習得することで、自身が適切に理解をしていない高リスクの金融商品に投資してしまうリスクを抑えることができると見ている。また、個人投資家を対象とした投資教育の重要性に鑑み、グローバルベースで関連ソリューションの提供を試みる金融サービスプロバイダーが散見されている。例えば、最大レバレッジ3,000倍を売りとするFBSは投資教育コンテンツを拡充しており、YouTube(ユーチューブ)や同社公式サイト上にてFXや株式の取引手法などを紹介している。また、IGグループがtastytradeに買収提案し、tastytradeの投資教育プラットフォームの活用を試みている他、AGMHがFXSCと呼ばれるオンライン投資教育プラットフォームをリリースしている。FCAを始めとするグローバル各国当局が投資教育の重要性を指摘する中、多くの金融サービスプロバイダーが画期的な関連ソリューションを提供することに今後も期待したい。


Date

作成日

2021.05.05

Update

最終更新

2022.04.20

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル