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CySEC、金融パスポート継続措置下で英国企業88社を認可

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update 2022.04.20 12:27
CySEC、金融パスポート継続措置下で英国企業88社を認可

update 2022.04.20 12:27

2021年12月31日までキプロスで投資サービスの提供が可能に

キプロスの金融監督当局であるキプロス証券取引委員会(Cyprus Securities and Exchange Commission)【以下、CySECと称す】は4月27日、同国の金融パスポート継続措置(Temporary Permissions Regime)【以下、TPRと称す】の下で、英国を拠点とする金融サービスプロバイダー88社に事業認可を付与した。[1]

CySECは2020年、英国企業を対象に、ブレグジット後も一時的に欧州事業を継続するためのTPRプログラムを導入していた。CySECによると、96社が同プログラムへ申請を行い、その内7社は認可が認められず、1社は申請を取り下げた。一方、CMC MarketsやEquiti Capital、IS Primeといった海外FXブローカーに事業認可が付与されたという。認可を取得した企業は、キプロスに物理的な拠点を設ける必要なく、2021年12月31日まで投資サービスの提供が認められることになる。CySECは以前、TPRはブレグジット後の新たな金融取引へのスムーズな移行を促すことを目的としており、英国企業がキプロスのプロ顧客に加え、金融機関や保険会社などの適格取引先(Eligible Counterparties)を対象とした、リバース・ソリシテーション(投資家主導の販売活動)手法に基づくサービスの提供に寄与すると言及していた。

ブレグジット前は、英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority, FCA)のライセンスを取得する多くの英国企業が、パスポーティング制度を活用して欧州各国で事業を運営していた。しかしながら、同制度は2020年末に効力を失ったことから、複数の企業がキプロスを含む欧州各国でライセンスを取得し、欧州市場で継続的にサービスを提供している状況だ。例えば、FXCMがCySECよりライセンスを取得した他、ドイツ連邦金融監督局(Die Bundesanstalt für Finanzdien Stleistungsaufsicht, BaFin)よりライセンスを取得したPepperstoneはドイツ法人を始動している。

CySECが英国企業88社に事業認可を付与したことをきっかけに、より競争的な市場環境の形成が見込まれる中、海外FXブローカー各社が顧客ニーズにマッチした画期的なソリューションを提供することに期待したい。

release date 2021.04.30

ニュースコメント

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欧州各国当局の第三国企業に対する対応に注目


2021年1月、ESMAがリバース・ソリシテーションに係るガイドラインを公表したように、欧州当局は、英国などの第三国を拠点とする企業のマーケティング活用及び付随的なサービスに対する監視の目を強めている。このような中、CySECが一時的ながらも英国を拠点とする金融サービスプロバイダーに対して事業認可を付与したことは、欧州金融市場へのアクセスが限定的なものになる英国企業にとって一定のメリットをもたらすと推察される。しかしながら、大陸欧州の一大金融拠点であるドイツ・フランクフルトやフランス・パリ、オランダ・アムステルダムなどが、ブレグジットを機に英国からの市場シェア奪還を目論む中、キプロスと同様の動きが、他の欧州各国に広がっていくか疑問の余地は残る。依然として英国の欧州金融市場へのアクセス性が明確とならない状況ではあるが、欧州各国当局が第三国企業に対して如何なる対応を見せるか、その動向を見守りたい。


Date

作成日

2021.04.30

Update

最終更新

2022.04.20

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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