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イスラエルでビットコインを課税対象とする判決

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update 2021.08.31 15:26
イスラエルでビットコインを課税対象とする判決

update 2021.08.31 15:26

ビットコインは通貨としては認められず資産に分類

今月21日、イスラエルの中央地方裁判所は、ブロックチェーン企業の創立者と税務局の裁判において、ビットコイン(Bitcoin)取引から生じる利益がキャピタル・ゲイン税の対象となる旨の判決を下した。[1]

今回の裁判では、ブロックチェーンを利用した輸送サービスを展開するDAV.Networkの創立者であるNoam Copel氏が、ビットコインは外国為替と同様に非課税であるべきだと主張するのに対し、税務局側は、ビットコインは通貨ではなく資産に分類されるため、キャピタルゲイン税の対象だと反論していた。イスラエル証券局は仮想通貨に関する定義を発表しているが、今回、税務上の資産クラスが最大の争点となっており、裁判長のShmuel Bornstein氏は、ビットコインの存在が絶対的ではなく、他の仮想通貨で代替可能なことから、通貨としては認められないとの判決を言い渡している。

2011年にビットコインを購入したCopel氏は、2013年に229万ドル相当の売却益を得ており、裁判の結果、未納となっていた約830万ドルの税金とその他費用として8,300ドルの支払いを命じられたという。2018年2月に税務局は、仮想通貨取引に関する利益に20%から25%のキャピタルゲイン税と17%の付加価値税を課すことを喚起し、仮想通貨関連の税収強化を試みているが、Copel氏との裁判はまさにそれを象徴する出来事となった。

この判決により裁判所は、イスラエル当局の思惑を支持する形となったが、オーストラリアでも仮想通貨取引に対する課税を示唆していたりと、他国の状況を見る限りでは、仮想通貨取引に対する課税は妥当な判断だと言えよう。しかしながらCopel氏は今回の判決に納得しておらず、逆転勝訴を狙い最高裁に上訴することを決めているため、今後も同氏の戦いを見守っていきたい。

release date 2019.05.23

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨市場への参入を進めるイスラエル企業

テクノロジー先進国として知られるイスラエルは、数多くのテクノロジーベンチャー企業を抱えており、特にフィンテックやAI分野では、米国に続き世界をリードする存在になりつつある。仮想通貨市場にも多くの企業が進出している状況で、最近では、バンコール(Bancor)やオーブス(Orbs)、エンドア(Endor)と言った仮想通貨プロジェクトが立ち上げられている。また、国内市場では、ブロックチェーン関連企業のSirin Labが、コールドウォレットを搭載したFINNYと呼ばれるスマートフォンの販売を開始するなど、恵まれた市場環境の下、他にも様々なサービスや製品が誕生しているようだ。これらイスラエル企業の仮想通貨市場での躍進は、政府による後押しがあって実現したものだと考えられるが、キャピタルゲイン税の導入を明確にした税務当局の動きは、この流れに逆行するものだと言えるだろう。国家の税制上、当然の措置だとも言えるが、仮想通貨市場が好調なだけに、国内市場で大きな影響とならないことを願いたい。


Date

作成日

2019.05.23

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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