作成日
:2016.09.22
2021.08.31 15:17
9月22日、FxNet Ltd(本社:37 Theklas Lysioti St, Gemini House, Office Suite 301, 3030 Limassol,Cyprus.)は、2016年10月6日12:00を以て、日本に居住する顧客に向けた全てのサービスを停止すると発表した。併せて、対象となる日本居住の顧客は全て、10月7日より、OloFx Ltd(本社:Gladstonos 116, M. Kyprianou House, 3& 4th Floor, Limassol, 3032, Limassol, Cyprus.)に移管するとも発表している。
FxNetによると、今回の日本居住者に対するサービス停止は、FxNetを所管するCySEC(キプロス証券取引委員会)からの指示によるものとしているが、真偽のほどは不明。
移管先のOloFXからは、正式な発表は無いものの、FxNetの発表によると、顧客の移管は、あくまでもOloFXの契約条件(顧客との口座利用契約)に既存顧客が同意した上で行われ、口座の移管(資金移動)が行われた後に、60日間有効な「50%入金ボーナス」を受領できるとのこと。(上限5,000USD)
今回の顧客の移管にあたってFxNetは、OloFXは全く同様の取引条件を有しており、これまでの、日本語サポート部門の一部もそのまま移管されるため、顧客に対して、これまでと同じサービスレベルを維持できるとしている。
尚、今回のサービス会社変更や契約条件に同意できない場合は、FxNetまで申し出て、即時口座を解約することで口座情報の移管は行われないとしており、情報の移管を希望しない顧客は速やかに申し出る必要がありそうだ。
release date 2016.09.22 11:20
今回の発表を受けて、これまでのFxNetの運営状況を思い返すと、2014年頃から同社の資本が、XM(当時のTradingPoint)など立ち上げに携わった投資家の資本から、アジア資本に変わったことに起因していると思われる。
2014年当時、FxNetは、顧客に対するインセンティブの払い出し過多や、経営資本の偏りにより、一時経営困難に陥った。そこで何とか立て直そうと考えた当時のCEO:Andreas Katsantonis氏は、「現在FxNetは、317,000 EURの赤字を抱えているが、会社の売却先を探している...」という内容のメッセージを関係者に送ったことは、業界関係者なら誰しもが知る話である。(この当時の顧客からの預かり金は、推定185,000EUR)
その後、中国の投資家が救済に乗り出し、資本を増強し経営の立て直しを行い、一時は持ち直したかのように思えたが、2016年に入りボーナスの不正取得により出金拒否なを行っているとの噂が数多く聞かれ、6月末より日本向けブログも更新も中断、9月に入り今回の発表に至ったという一連の経緯がある。
FxNetといえば、顧客に対し多くのボーナスインセンティブを発行し、集客するタイプのプロモーション手法を多様しているDD方式のブローカーであり、これまでの経緯を考えると、インセンティブモデルを取り入れた経営自体に無理が生じ、加えて、CySECからの圧力もあった。そもそも、利益を生まない日本市場に対するこれ以上の投資を断念したと考えるのが妥当ではないか。
今回の顧客移管先であるOloFXについて、公式サイトによると、BelFx Limited(本社:No. 35 New Road, P.O. Box 1708, Belize City, Belize. )がライセンスを保有していると記載があるが、OloFX、BelFxともに、これまでの営業実績は全く不明であり、今回の顧客の移管にあたっても、移管先会社であるこれら2社からの公式の発表は無い。実際に移管が行われるのか、また、資金の安全性は保管されているのなど具体的な情報は一切明らかにされておらず、不透明感は否めない。
通常、顧客の移管とは、資本の変更(合併等)の場合を除き、個人の同意と双方の会社について具体的な発表無くして行われるべきものではなく、今回のように、移管元と移管先の関係も明確にしないまま実施されるのは稀なことである。ましてや、預かり資金もそのまま移管するとなると、これら一連の会社自体、もともと同一の企業体だったのではないかとも考えられ、関係者の話から察するに、日本居住者に対し慣用である別の国のライセンスへの、単なるブランド変更ではないかとの憶測も噂されている。
ともあれ、FxNetのサービスは、日本市場にインパクトを与えるほどシェアを獲得していたブローカーではなかった為、市場に与える影響は軽微であり、これによる混乱も少ないと思われる。
海外FXブローカーの日本市場からの撤退は、2011年~2012年にかけて、CySEC所管のIronFX、FxProに始まる。2013年~2014年にかけては、ASIC(オーストラリア証券投資委員会)所管のPepperstonやAxiTrader、ThinkForexが何らかの事情で撤退を強いられている。IronFX、FxProのように、その後、日本市場へのサービスを再開したブローカーもあるが、過去に撤退した経緯があるブローカーは、当然ながら顧客から敬遠される傾向が強いため、これらのブローカーも市場拡大に非常に苦戦している状態にある。
今後、FxNetの日本市場撤退に伴う、OloFXへの顧客移管について、スムーズにこれらの事業継承が行われ、正常にサービスが提供されるかを注視する必要がある。
作成日
:2016.09.22
最終更新
:2021.08.31
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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