Select Language

Symbioticとは?注目のリステーキングプロトコルの特徴や将来性を解説

Symbioticとは?注目のリステーキングプロトコルの特徴や将来性を解説

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2024.07.02 10:01
Symbioticとは?注目のリステーキングプロトコルの特徴や将来性を解説

update 2024.07.02 10:01

Symbiotic(シンバイオティック)は、イーサリアム(ETH)のリステーキングプロトコルです。wstETHなどのLST(リキッドステーキングトークン)ホルダーは、Symbioticでリステーキングを行い報酬を得られます。

2024年6月11日には、Symbioticがリステーキングサービスを開始したことで、SNS上で注目が集まっています。当記事では、Symbioticの特徴や、X(旧Twitter)での評判、将来性などを解説します。

Symbioticとは

Symbioticは、イーサリアム(ETH)のリステーキングプロトコルです。wstETHやwBETHなどのLST(リキッドステーキングトークン)を保有するユーザーは、Symbiotic上でリステーキングできます。

Symbioticとは

画像引用:Symbiotic

リステーキングとは、イーサリアムブロックチェーン上のプロトコルEigenLayer(アイゲンレイヤー)によって考案された新しい仕組みです。イーサリアム本体でステーキングをしながら、別のプロジェクトでも同時にステーキングする仕組みを指します。

当記事執筆時点(2024年6月17日)でEigenLayerのTVL(総預かり資産)は約195億ドルに上り、仮想通貨(暗号資産)業界で大きな注目を集めています。

イーサリアム(ETH)のLSTをリステーキングできる

Symbioticでは、保有するLST(リキッドステーキングトークン)をリステーキングできます。LSTを単純に保有した場合と比較すると、リステーキングはより高いリターンが期待できるようです。

SymbioticでリステーキングできるLSTの種類

画像引用:Symbiotic

Symbioticでは、wstETH・cbETH・wBETH・rETHなどの主要なLSTをリステーキングできます。また、イーサリアムレイヤー2プロジェクトのMantleが発行するmETHもリステーキング可能です。

ユーザーのLSTは、Symbiotic上に構築される様々な分散型ネットワークに預けられます。具体的には、Appchains(アプリケーション特化型ブロックチェーン)、ロールアップ、ブリッジなどが挙げられます。

Symbioticでは数量限定のリステーキングサービスを提供しており、入金を行ったユーザーはポイントを獲得できます。ただし、このポイントにどのような使い道があるのかは、明らかにされていません(2024年6月17日時点)。

様々なプロジェクトとセキュリティを共有

Symbioticは、セキュリティ共有プロトコルです。ユーザーがリステーキングした資産を活用して、様々な分散型ネットワークのセキュリティ維持に貢献します。

Symbioticのセキュリティ共有のイメージ図

画像引用:Symbiotic

従来、イーサリアム(ETH)ブロックチェーン上で新しいサービスを構築するには、セキュリティ維持に多大な資本が必要でした。Symbioticはこの課題を解決するために、ステーキング済みのLSTを、分散型ネットワークに再度ステーキング(リステーキング)します。

このリステーキングにより、分散型ネットワークはイーサリアムのセキュリティ基盤を利用できます。ユーザーはリステーキングをすることで、イーサリアムブロックチェーン本体に加えて、分散型ネットワークのセキュリティ維持にも貢献することになります。

すべてのブロックチェーン対応を目指す

当記事執筆時点(2024年6月17日)では、SymbioticはイーサリアムのLSTにのみ対応しています。しかし、将来的にあらゆるブロックチェーンのトークンをリステーキング可能にすることを目指しているようです。

今後、あらゆるブロックチェーンでのリステーキングが実現されると、Symbioticのユーザー数が大幅に増加するかもしれません。

X(旧Twitter)での評判

2024年6月、Symbioticは大手VCからの資金調達を発表したこともあり、X(旧Twitter)上で話題となっています。

中には「Symbioticは、サービス開始から12時間足らずでTVL(預かり資産)1億ドルを突破した」と驚きの声をあげるユーザーも見受けられました。

Symbioticの将来性

Symbioticの将来性に関して、以下の4点を踏まえて考察します。

  • Paradigmなどから580万ドルを調達
  • 創業者はブロックチェーンセキュリティの専門家
  • Ethenaなど大手プロトコルと提携
  • サービス開始後に約2億4,000万ドルの入金を達成

Paradigmなどから580万ドルを調達

2024年6月11日、Symbioticの運営チームは580万ドルの資金調達を行ったことを発表しました。

Symbioticに資金提供する投資家

画像引用:Symbiotic

Symbioticには、仮想通貨(暗号資産)業界で有名なベンチャーキャピタルであるParadigmが出資しています。さらに、大手リキッドステーキングプロトコルのLidoの共同創業者が運営するcyber•Fundも出資したようです。

これらの点から、Symbioticには強力な後ろ盾があることがわかります。

Lidoの狙いとは

当記事執筆現在(2024年6月17日)、Lidoは340億ドルのTVL(預かり資産)を誇る大手リキッドステーキングプラットフォームです。しかし、EigenLayerを筆頭にリステーキングの勢いが強まるなか、Lidoはトレンドに乗り遅れてしまったと指摘する意見もあります。

Lido共同創業者が運営するcyber•FundがSymbioticへ出資したのは、このような背景があったからと推測する意見もあるようです。LidoはSymbioticと協力して、リステーキング分野の強化を図ろうとしているのかもしれません。

創業者はブロックチェーンセキュリティの専門家

Symbioticの共同創業者であるMisha Putiatin氏は、スマートコントラクト監査会社MixBytesのCEOや、ブロックチェーンセキュリティ会社StatemindのCEOを務めていました。

同じく共同創業者のAlgys Ievlev氏は、Statemindで監査責任者を務めていたようです。

Ethenaなど大手プロトコルと提携

Symbioticは、セキュリティ共有プロトコルとして様々なプロジェクトと提携しています。具体的には、DeFi(分散型金融)プロトコルのEthenaや、相互運用性プロトコルのLayerZeroなどが挙げられます。

Symbioticと提携するプロジェクト

画像引用:Symbiotic

今後もリステーキングのトレンドが継続すると、Symbioticの提携先はさらに増えていくと推測できます。

サービス開始後に約2億4,000万ドルの入金を達成

2024年6月11日、Symbioticはリステーキングサービスの開始を発表しました。当記事執筆現在(2024年6月17日)、すでに約2億4,000万ドルもの入金を達成しています。

Symbioticの運営チームは、約9ヶ月前よりプロジェクトを始動したばかりのようです。わずか1年足らずの短期間でプロトコルを構築しており、今後の成長にも期待できるかもしれません。

Symbioticの特徴

Symbioticには、以下のような特徴があります。

  • リステーキングを柔軟にカスタマイズできる
  • パーミッションレスでイミュータブルなプロトコル

リステーキングを柔軟にカスタマイズできる

Symbioticのセキュリティ共有プロトコルを利用するネットワークは、リステーキングの実装を柔軟にカスタマイズできます。例えば、担保トークンの種類・担保金額の上限および比率・ノードオペレータの選択メカニズム・報酬・スラッシングなどを決定することが可能です。

プロジェクトの立ち上げ初日から、Symbioticを利用して高いセキュリティシステムを築くことができるようです。

パーミッションレスでイミュータブルなプロトコル

Symbioticは、パーミッションレスのプロトコルです。パーミッションレスとは、「管理者の許可(パーミッション)なく、誰でもネットワークにアクセスできる」という意味です。仮にSymbioticの開発チームが全員辞めてしまったとしても、Symbioticは変わらず稼働し続けます。

同時に、Symbioticはイミュータブル(変更不能)なプロトコルでもあります。Symbioticのコアコントラクトはアップグレード不可であるため、ガバナンスに関するリスクは取り除かれています。

Symbioticのリスク

Symbioticのリスクとして、以下の項目が挙げられます。

  • ステーキング構造の複雑化
  • LSTのデペッグ(価格乖離)

ステーキング構造の複雑化

Symbioticのリステーキングは、LST(リキッドステーキングトークン)のステーキングを多層化するという画期的な仕組みです。その反面、構造が複雑化しているためリスクが高くなる懸念があります。

そもそもステーキングとは、プロトコルのスマートコントラクトを信用して資産を「預ける」行為です。リステーキングは複数のプロトコルにLSTを預けることになるので、それだけハッキングやバグの可能性も高まります。

LSTのデペッグ(価格乖離)

SymbioticでリステーキングするwstETHなどのLSTはあくまでレシートトークンであり、イーサリアムとは異なります。そのため、イーサリアム価格とデペッグ(価格乖離)を起こす可能性があります。

もし、リステーキング中のLSTがデペッグしてしまった場合、Symbiotic自体に問題はなかったとしても、ユーザーは損失を被る可能性があります。Symbioticを利用する際には、デペッグの危険性も認識しておく必要があるでしょう。

EigenLayerの対抗馬となるか

リステーキングは、現在のイーサリアム界隈で最もホットなテクノロジーといっても過言ではないかもしれません。リステーキングのパイオニアであるEigenLayerは、すでに独占的なポジションを築いています。

Symbioticは、強力なファンドの後ろ盾を得て登場したダークホースともいえます。これからリステーキング市場でEigenLayerの一強状態を崩していけるのか注目です。


Date

作成日

2024.06.20

Update

最終更新

2024.07.02

いぶき | Ibuki

投資家、テックライター

arrow
いぶき

元証券会社勤務。2017年から仮想通貨に投資し、バブルとどん底の両方を経験する。2020年からは海外スタートアップや仮想通貨関連のライターとして独立。海外移住が趣味で、カナダ・オーストラリア・アメリカ・オランダなどを転々としている。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

メタマスク等の利用が規制対象に?金融庁がDEXの規制を議論

暗号資産WGでの議論を発端に、SNS上で「DEX利用が非合法化されるのでは?」といった投稿が話題になっています。本記事では、金融庁で議論されたDEX規制の現状や、SNSで広まる情報の真偽、海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.10.28 19:00

PayPayを使って海外FXとの入出金が可能に?Binance JapanとPayPayが提携を発表

Binance JapanとPayPayが業務提携を発表し、PayPayマネーを使った仮想通貨購入サービスの提供などが検討されています。本記事では、Binance JapanとPayPayの提携内容や、PayPayを使った海外FXとの入出金フローなどを解説します。
update2025.10.17 19:00

海外FXへの仮想通貨送金にはBybitがおすすめ!FXトレーダーに最適なBybitの使い方

海外FXの入出金によく使われる国内銀行送金が以前より使いにくくなっていることを受け、仮想通貨での入出金が注目を集めています。本記事では、仮想通貨送金をするならBybitがおすすめの理由や、海外FXユーザーに最適なBybitの使い方を紹介します。
update2025.08.29 20:00

Exnessでシステムエラーによる入出金の不具合が発生?SNSでも報告が相次ぐ

2025年10月、海外FX業者Exnessで入出金エラーが発生し、SNSでも不具合報告が相次ぎました。銀行振込やbitwalletで送金できない事例が確認されており、復旧後も不安の声が続いています。
update2025.10.16 19:00

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

話題のDCJPYとJPYCの違い|海外FXの入出金に使えるのは?

DCJPYというデジタル通貨が話題となっています。一方で、海外FXユーザーの間ではJPYCへの期待も高まっています。本記事では、DCJPYとJPYCの特徴や違いを比較し、海外FXトレーダーにとってどちらが送金手段の選択肢となるのかを解説します。
update2025.09.26 19:30

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル