作成日
:2024.06.20
2024.07.02 10:01
Symbiotic(シンバイオティック)は、イーサリアム(ETH)のリステーキングプロトコルです。wstETHなどのLST(リキッドステーキングトークン)ホルダーは、Symbioticでリステーキングを行い報酬を得られます。
2024年6月11日には、Symbioticがリステーキングサービスを開始したことで、SNS上で注目が集まっています。当記事では、Symbioticの特徴や、X(旧Twitter)での評判、将来性などを解説します。
Symbioticは、イーサリアム(ETH)のリステーキングプロトコルです。wstETHやwBETHなどのLST(リキッドステーキングトークン)を保有するユーザーは、Symbiotic上でリステーキングできます。
画像引用:Symbiotic
リステーキングとは、イーサリアムブロックチェーン上のプロトコルEigenLayer(アイゲンレイヤー)によって考案された新しい仕組みです。イーサリアム本体でステーキングをしながら、別のプロジェクトでも同時にステーキングする仕組みを指します。
当記事執筆時点(2024年6月17日)でEigenLayerのTVL(総預かり資産)は約195億ドルに上り、仮想通貨(暗号資産)業界で大きな注目を集めています。
Symbioticでは、保有するLST(リキッドステーキングトークン)をリステーキングできます。LSTを単純に保有した場合と比較すると、リステーキングはより高いリターンが期待できるようです。
画像引用:Symbiotic
Symbioticでは、wstETH・cbETH・wBETH・rETHなどの主要なLSTをリステーキングできます。また、イーサリアムレイヤー2プロジェクトのMantleが発行するmETHもリステーキング可能です。
ユーザーのLSTは、Symbiotic上に構築される様々な分散型ネットワークに預けられます。具体的には、Appchains(アプリケーション特化型ブロックチェーン)、ロールアップ、ブリッジなどが挙げられます。
Symbioticでは数量限定のリステーキングサービスを提供しており、入金を行ったユーザーはポイントを獲得できます。ただし、このポイントにどのような使い道があるのかは、明らかにされていません(2024年6月17日時点)。
Symbioticは、セキュリティ共有プロトコルです。ユーザーがリステーキングした資産を活用して、様々な分散型ネットワークのセキュリティ維持に貢献します。
画像引用:Symbiotic
従来、イーサリアム(ETH)ブロックチェーン上で新しいサービスを構築するには、セキュリティ維持に多大な資本が必要でした。Symbioticはこの課題を解決するために、ステーキング済みのLSTを、分散型ネットワークに再度ステーキング(リステーキング)します。
このリステーキングにより、分散型ネットワークはイーサリアムのセキュリティ基盤を利用できます。ユーザーはリステーキングをすることで、イーサリアムブロックチェーン本体に加えて、分散型ネットワークのセキュリティ維持にも貢献することになります。
当記事執筆時点(2024年6月17日)では、SymbioticはイーサリアムのLSTにのみ対応しています。しかし、将来的にあらゆるブロックチェーンのトークンをリステーキング可能にすることを目指しているようです。
今後、あらゆるブロックチェーンでのリステーキングが実現されると、Symbioticのユーザー数が大幅に増加するかもしれません。
2024年6月、Symbioticは大手VCからの資金調達を発表したこともあり、X(旧Twitter)上で話題となっています。
中には「Symbioticは、サービス開始から12時間足らずでTVL(預かり資産)1億ドルを突破した」と驚きの声をあげるユーザーも見受けられました。
Symbioticの将来性に関して、以下の4点を踏まえて考察します。
2024年6月11日、Symbioticの運営チームは580万ドルの資金調達を行ったことを発表しました。
画像引用:Symbiotic
Symbioticには、仮想通貨(暗号資産)業界で有名なベンチャーキャピタルであるParadigmが出資しています。さらに、大手リキッドステーキングプロトコルのLidoの共同創業者が運営するcyber•Fundも出資したようです。
これらの点から、Symbioticには強力な後ろ盾があることがわかります。
当記事執筆現在(2024年6月17日)、Lidoは340億ドルのTVL(預かり資産)を誇る大手リキッドステーキングプラットフォームです。しかし、EigenLayerを筆頭にリステーキングの勢いが強まるなか、Lidoはトレンドに乗り遅れてしまったと指摘する意見もあります。
Lido共同創業者が運営するcyber•FundがSymbioticへ出資したのは、このような背景があったからと推測する意見もあるようです。LidoはSymbioticと協力して、リステーキング分野の強化を図ろうとしているのかもしれません。
Symbioticの共同創業者であるMisha Putiatin氏は、スマートコントラクト監査会社MixBytesのCEOや、ブロックチェーンセキュリティ会社StatemindのCEOを務めていました。
同じく共同創業者のAlgys Ievlev氏は、Statemindで監査責任者を務めていたようです。
Symbioticは、セキュリティ共有プロトコルとして様々なプロジェクトと提携しています。具体的には、DeFi(分散型金融)プロトコルのEthenaや、相互運用性プロトコルのLayerZeroなどが挙げられます。
画像引用:Symbiotic
今後もリステーキングのトレンドが継続すると、Symbioticの提携先はさらに増えていくと推測できます。
2024年6月11日、Symbioticはリステーキングサービスの開始を発表しました。当記事執筆現在(2024年6月17日)、すでに約2億4,000万ドルもの入金を達成しています。
Symbioticの運営チームは、約9ヶ月前よりプロジェクトを始動したばかりのようです。わずか1年足らずの短期間でプロトコルを構築しており、今後の成長にも期待できるかもしれません。
Symbioticには、以下のような特徴があります。
Symbioticのセキュリティ共有プロトコルを利用するネットワークは、リステーキングの実装を柔軟にカスタマイズできます。例えば、担保トークンの種類・担保金額の上限および比率・ノードオペレータの選択メカニズム・報酬・スラッシングなどを決定することが可能です。
プロジェクトの立ち上げ初日から、Symbioticを利用して高いセキュリティシステムを築くことができるようです。
Symbioticは、パーミッションレスのプロトコルです。パーミッションレスとは、「管理者の許可(パーミッション)なく、誰でもネットワークにアクセスできる」という意味です。仮にSymbioticの開発チームが全員辞めてしまったとしても、Symbioticは変わらず稼働し続けます。
同時に、Symbioticはイミュータブル(変更不能)なプロトコルでもあります。Symbioticのコアコントラクトはアップグレード不可であるため、ガバナンスに関するリスクは取り除かれています。
Symbioticのリスクとして、以下の項目が挙げられます。
Symbioticのリステーキングは、LST(リキッドステーキングトークン)のステーキングを多層化するという画期的な仕組みです。その反面、構造が複雑化しているためリスクが高くなる懸念があります。
そもそもステーキングとは、プロトコルのスマートコントラクトを信用して資産を「預ける」行為です。リステーキングは複数のプロトコルにLSTを預けることになるので、それだけハッキングやバグの可能性も高まります。
SymbioticでリステーキングするwstETHなどのLSTはあくまでレシートトークンであり、イーサリアムとは異なります。そのため、イーサリアム価格とデペッグ(価格乖離)を起こす可能性があります。
もし、リステーキング中のLSTがデペッグしてしまった場合、Symbiotic自体に問題はなかったとしても、ユーザーは損失を被る可能性があります。Symbioticを利用する際には、デペッグの危険性も認識しておく必要があるでしょう。
リステーキングは、現在のイーサリアム界隈で最もホットなテクノロジーといっても過言ではないかもしれません。リステーキングのパイオニアであるEigenLayerは、すでに独占的なポジションを築いています。
Symbioticは、強力なファンドの後ろ盾を得て登場したダークホースともいえます。これからリステーキング市場でEigenLayerの一強状態を崩していけるのか注目です。
作成日
:2024.06.20
最終更新
:2024.07.02
元証券会社勤務。2017年から仮想通貨に投資し、バブルとどん底の両方を経験する。2020年からは海外スタートアップや仮想通貨関連のライターとして独立。海外移住が趣味で、カナダ・オーストラリア・アメリカ・オランダなどを転々としている。
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