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DeFiChainと独自仮想通貨DFIとは?誕生の経緯や将来性を解説

DeFiChainと独自仮想通貨DFIとは?誕生の経緯や将来性を解説

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update 2023.03.16 15:30
DeFiChainと独自仮想通貨DFIとは?誕生の経緯や将来性を解説

update 2023.03.16 15:30

仮想通貨(暗号資産)市場ではDeFi(分散型金融)人気に火が付き、数多くのDeFiプラットフォームが台頭しています。

DeFiChain(DFI)はビットコイン(BTC)からハードフォークしたDeFiプラットフォームです。当記事ではDeFiChainの概要や技術的な特徴、提供されるサービス、将来性などに関して紹介していきます。

DeFiChainとは

DeFiChainはビットコインからハードフォークして2019年に誕生したプロジェクトです。ビットコインを中心としたエコシステムの中で、DeFiの潜在能力を最大限発揮することを使命としています。

point ハードフォークとは

ハードフォークとは仕様変更を目的にしたブロックチェーンの分岐であり、通常のシステムアップグレードの場合とコミュニティの分裂や独立が伴うものがあります。DeFiChainはビットコインから独立しており、後者に該当します。

DeFiChainはDeFiChain財団によって商標やウェブサイトのドメインなどが管理されています。そしてDeFiChain財団はエコシステムの拡大に向けて、パートナーシップの構築や開発資金の管理、開発支援などを行っています。また、基本的なプロジェクトの意思決定はDAO(自立分散型組織)によって実行されています。

DeFiChainの特徴

DeFiChainは技術的に次のような特徴を持っています。

ハイブリッド型のコンセンサスアルゴリズム

DeFiChainはハイブリッド型のコンセンサスアルゴリズム(ブロック生成のルール)を採用しています。すなわち、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)とPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の長所を併せ持っています。

具体的には、PoSをベースにしながらPoWを取り入れています。PoSベースのブロックチェーンの多くがセキュリティを課題とする中、最も安全とされるビットコインと同じPoWを一部導入することで、安全性と効率性の両立を実現しているのです。

knowledge PoWのメリット

PoWはコンセンサスアルゴリズムの中で最も長い実績があります。電力消費の大きさやブロック生成時間が問題視されることもありますが、不正に強く高い透明性を維持できます。すなわち、安全にブロックチェーンを構築できます。

オールインワンの優れた開発環境

DeFiChainは開発者に対してオールインワンの優れた開発環境を提供しています。

実装している機能の一部は、以下の通りです。仮想通貨の貸し借りを可能にするレンディング、他のブロックチェーンで利用可能な形に仮想通貨を変換するラップド・トークン、外部の情報を取り込むオラクル、DEX(分散型取引所)、資産のトークン化など。

従って、開発者はDeFi関連サービスの開発に必要な機能をDAppに簡単に取り込むことができます。

安全性の高いスマートコントラクト

DAppの構築にはスマートコントラクトが必要です。スマートコントラクトとは、ブロックチェーンを利用した契約の自動履行プログラムを指します。「特定の条件」と「条件が満たされた場合の行動」を記載しておけば、条件が満たされた際にプログラムが自動で実行されます。この特性により、中央管理者がいなくとも取引や利益の分配を自動的に実行できます。

スマートコントラクトではSolidityと呼ばれるプログラミング言語が主に使用されており、これはイーサリアムでも利用されています。Solidityは多様な用途で柔軟に利用できる反面、脆弱性を生む原因ともなっています。

DeFiChainのスマートコントラクトはSolidityではありません。特定の用途に特化していて柔軟性や利便性で劣るものの、よりシンプルで安全性の高いプログラムを構築可能です。

世界中で利用される

DeFiChain公式サイトはマスターノードの分布を公開しており、これによると北米とヨーロッパで盛んであることが分かります。そのほか、ブラジルやインド等にもあることが分かります。マスターノードとはPoSに参加したりDeFiChain運営に深く関与できる仕組みであり、世界中に広がっている様子が分かります。

マスターノードの分布

画像引用:DeFiChain

DeFiChainで利用可能なサービス

DeFiChainは一般ユーザー向けのDeFi関連サービスを公開しています。主要なものとして、以下のようなものが挙げられます。

dTokenの発行と取引

DeFiChainでは担保を預け入れることで、特定の資産価格に連動するトークン「dToken」を発行可能です。dTokenはDeFiChainで発行された資産トークンの総称で、多様な資産をトークン化できます。当記事執筆時点(2022年9月)において、主に株式やETF(上場投資信託)に連動するトークンの発行手段として利用されています。

具体的には、テスラ株に連動するdTSLAやアップル株に連動するdAAPL、ナスダック100指数に連動するdQQQなどがあります。ちなみに、このような仮想通貨は株式トークンと呼ばれます。

point 株式トークンとは

株式トークンとは、株式をトークン化した仮想通貨を指します。特徴として、24時間安価な手数料で取引でき、仲介業者が不要、トークンエコノミー(仮想通貨を中心とした経済)に組み込むことができることなどが挙げられます。

ユーザーはdTokenを発行せずとも、DeFiChainの独自DEXでトークンを購入できます。これらのdTokenは、値上がりを期待してウォレット内に保有したり、DEXを通じて売買したり、受動的な金利収入を稼ぐために運用したりすることが可能です。

DEXを兼ね備えた専用ウォレット

DeFiChainはデスクトップとモバイルアプリ向けに専用ウォレットを提供しています。

これらの専用ウォレットには独自のDEXが統合されており、各種仮想通貨やdTokenを売買可能です。仮想通貨取引以外にも、ステーキングや流動性マイニングなどのDeFi関連サービスを利用できます。

point 流動性マイニングとは

流動性マイニングは、DEXなどに2種類の仮想通貨をペアで貸し出して流動性を提供する行為です。「イールドファーミング」とほぼ同義の言葉として使われます。流動性の提供と引き換えに独自仮想通貨を報酬として獲得できますが、価格変動で損失を被ることもあります。

専用ウォレットはDeFiChainのDeFi関連サービス利用に必須であり、窓口のような役割を果たします。

独自仮想通貨DFIについて

DeFiChainは、ネイティブトークンとしてDFIを発行しています。DFIはDAOのガバナンストークンとしての役割を持っています。

knowledge DAOとガバナンストークン

DAOは分散型の運営形態であり、ガバナンストークン保有者による投票を通じて意思決定を行います。トークンホルダーは直接または委任することで、提案に対して賛成票や反対票を投じることができます。

DFIは12億通貨を上限に徐々に発行されていく予定です。当記事執筆時点(2022年9月)ではおよそ4割にあたる5億通貨が発行済みとなっています。

総供給量全体の49%はDeFiChain財団が管理するファンドに移動され、残りの51%はステーキング報酬として少しずつ発行されます。DeFiChain財団が管理する仮想通貨は、エアドロップや焼却処理(バーン)などで消費される模様です。

DFIの使い道

DFIはガバナンストークンとしての利用以外にも、ユーティリティトークンとして利用することができます。例えば、取引手数料の支払い、仮想通貨レンディングの担保、dTokenの発行などに利用可能です。DeFiChain上に構築されたCakeDeFiで利用することもできます。

DFIの価格チャート

DFIは2020年にリリースされてから飛躍的な成長を見せています。

取引所に上場されてから18円程度で推移していましたが、数カ月で大幅な上昇を記録しました。2020年末には140円を超えて、2021年5月には過去最高となる500円台に到達しました。

DFIと日本円の価格チャート

画像引用:CoinMarketCap

2021年末頃からは、仮想通貨市場全体がビットコイン価格の暴落に引きずられる形で低迷しています。それにもかかわらずDFI価格は度々高騰しています。2021年12月、過去最高値の600円台を記録しました。

そののち、100円程度まで一気に暴落してレンジ相場に移行しています。時価総額は仮想通貨市場全体で200位程度となっています。

DeFiChainの将来性

仮想通貨市場でDeFiが拡大していることから、DeFiChainは有望なプロジェクトだといえるかもしれません。

ハードフォークによる実用性の向上

2022年4月、DeFiChainは「Fort Canning Road」と呼ばれるハードフォークを実施してアップグレードを実現しました。

このハードフォークが行われる前は、株式トークンとして利用されてきたdToken価格と実際の株価には、10%から15%ほどの乖離が継続的に生じていました。しかし、ハードフォーク以降は乖離が上下5%程度に収まるように調整されます。すなわち、この価格差よりも広がる場合、アービトラージで収益機会を得られます。

point アービトラージ(裁定取引)

裁定取引とは、同じような価値を持つ商品等の一時的な価格差を利用する取引手法です。何らかの理由で一方の商品等が理論値よりも高くなる場合、市場参加者はその商品を売ると同時に割安になっている側を買います。すると、割高な側の価格は下落して割安な側の価格は上昇し、元の安定的な価格に戻ります。これが継続的に行われることにより、2つの価格は安定的に推移します。

アービトラージ

価格の乖離が小さくなったことで、dTokenは株式トークンとして利用しやすくなりました。これはDeFiChainのエコシステムにとっても好影響だといえるでしょう。

今後のロードマップ

2022年後半のロードマップ(開発計画)では、第3四半期から第4四半期にかけてEVM(イーサリアム仮想マシン)を実装予定です。

EVMはイーサリアムブロックチェーンとの互換性を高める技術です。EVMを実装すれば、イーサリアムを基礎とする異なる規格の仮想通貨取引やDAppの移植などがより簡単になります。これに伴ってDeFiChainのエコシステム拡大が予想されています。

そのほか、2022年末までにNFTのサポート開始を発表しています。NFTがエコシステムに組み込まれることで、多様なユースケースが誕生する見通しです。

株式トークンの規制リスク

株式市場は各国の規制当局によって規制されており、上場や取引にルールが設けられています。株式トークンも規制対象になる可能性がありますが、新しい存在であることなどから明確化されていません。

しかし、各国政府は株式トークンに対する圧力を高めています。海外取引所の中には株式トークンを取り扱う例もありましたが、Binanceを筆頭に廃止に追い込まれています。

分散型の組織が運営するDeFiChainは規制できないかもしれませんが、利用者が制裁を受ける可能性も考えられます。各国政府による株式トークン規制がDeFiChainのリスクになるといえるでしょう。

仮想通貨DFIの買い方

DFIは日本国内の取引所で取り扱いはありません。そのため、海外取引所で取引することになります。日本語対応の海外取引所での、DFIの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は下記の通りです。

取引所 現物 デリバティブ
Binance(バイナンス) × ×
Bybit(バイビット) ×
Gate.io(ゲート) × ×
CoinEX(コインイーエックス) × ×
MEXC(メクシー) × ×
BingX(ビンエックス) × ×
Bitget(ビットゲット) × ×

Binance(バイナンス)

現物 デリバティブ
× ×

Bybit(バイビット)

現物 デリバティブ
×

Gate.io(ゲート)

現物 デリバティブ
× ×

CoinEX(コインイーエックス)

現物 デリバティブ
× ×

MEXC(メクシー)

現物 デリバティブ
× ×

BingX(ビンエックス)

現物 デリバティブ
× ×

Bitget(ビットゲット)

現物 デリバティブ
× ×

発展するDeFi分野から目が離せない

仮想通貨市場ではDeFi分野が日進月歩で成長を続けています。新しいアイディアで多様なサービスが登場しており、ブロックチェーンと仮想通貨の利用を後押ししています。dTokenもその一例です。

新しい存在であるためハッキングや規制などのリスクもあるものの、DeFiは未来を変える技術として期待されています。DeFiプラットフォームとしてDeFiChainにも注目が集まっていますが、仮想通貨市場にさらなる革新をもたらしてくれるでしょうか。


Date

作成日

2022.09.20

Update

最終更新

2023.03.16

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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