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景気と地政学のWパンチで下落が本線! 現役トレーダーポンドマンが6月のポンド相場を予想!

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update 2022.06.08 04:01
景気と地政学のWパンチで下落が本線! 現役トレーダーポンドマンが6月のポンド相場を予想!

update 2022.06.08 04:01

2022年6月のポンド相場は、景気と地政学というすぐに解決できそうにない問題があるため、ポンド売りがメインシナリオになりそうです。ただ円安要因も依然としてあるため、ポンド円はレンジを形成しながら長期目線では下落、ポンドドルはドル買いが強まっているため、下落方向を意識しています。

6月のポンド円予想

comment

6月のポンド円は、下降気味のレンジを想定しています!

ポンド円予想

円安傾向が強いが、ポンド安の影響もありレンジ相場継続か

ポンド円は上値が重くなっています。

円安要因が強いのでポンド円も上昇しやすいはずなのですが、ポンドの下落圧力が強く、円安ポンド安でレンジを形成するか、ポンド安の影響の方が強くポンド円は下落するかのどちらかであると考えています。

円安要因としては、「日銀による緩和政策継続」と「貿易赤字」の2点。

先日の日本のCPI(消費者物価指数)が、日銀の目標とする年2%を超えましたが、一時的な要因として日銀は緩和政策の継続を強調しています。世界的な物価上昇で、各国中銀が引き締め政策を進めることで金利が上昇している中で、日銀がYCC(イールドカーブ・コントロール)政策を継続することで日本の金利は低水準で推移しています。

世界の金利上昇と日本の低金利で金利差が拡大していき、円売りが進むと考えられます。

また、コロナ感染症のため入国制限継続の影響で、外国人観光客によるインバウンド収入も見込めないことから、外貨を獲得できず、資源価格の上昇などもあり貿易赤字が拡大していることも円安要因と考えています。

緩和政策はこのまま継続すると思いますが、岸田政権が入国制限を大きく緩和し、インバウンド需要が拡大した場合は貿易赤字の縮小に繋がり、円高要因になる可能性があるので注意しておきましょう。

comment

円高へ転じるきっかけは、日本への外国人観光客増加かも

ポンド円のチャート分析

5月末時点の、ポンド円日足チャートを分析してみます。

ポンド円は大きく下落し、一時156円を割りました。その後は持ち直すものの、160円を起点にレンジを組んでいます。

ポンド円の押し目買いターゲット

画像引用:TradingView

  • 押し目の第1ターゲット:157.7円
  • 押し目の第2ターゲット:156.4円
  • 押し目の第3ターゲット:155.5円

レンジ相場になる場合も、上記の価格帯のような抵抗帯付近で落ち着くことが多い傾向です。

comment

6月はレンジを想定しているので、押し目がきたら積極的に買っていこうと思っています。

ポンド円の戻り売りターゲット

画像引用:TradingView

  • 戻りの第1ターゲット:163.5円
  • 戻りの第2ターゲット:165.3円
  • 戻りの第3ターゲット:167.7円

ファンダメンタルズの大きな変化がない限り、この価格では売りを検討しています。

comment

相場から長い時間離れる場合は、指値の売りを入れるのもありです!

6月のポンドドル予想

comment

6月のポンドドルも下降気味のレンジを想定しています!

ポンドドルのチャート分析

ポンドドルの下げに備える理由

ポンド安とドル高でポンドドルは下落圧力が強いと考えています。

ドル高は、FRBによる引き締め政策によるものですが、ドル高トレンドがどこまで続くかがポイントです。

FRBによる引き締め政策をマーケットが織り込んでしまうと、ドル買いは弱くなってしまいます。利上げ幅の見通しが拡大しているうちは、金利が上昇しドル買いが続きますが、利上げ幅のピークが見えてくるとドル買いもピークアウトする可能性が高いです。

また、引き締め政策を進めることで、景気を冷やす可能性と金利上昇による株安もドル売り要因となります。

今までは、利上げを進めるなどの発言が出ると金利が上昇しドルが買われていましたが、あまりにペースが速いと景気を冷やす効果の方が注目され、景気後退が懸念されドル売りが進むようになります。

金利の上昇は、資金を借り入れている企業の利払い負担につながり、それが引き金となって株価の下落、ドル売りという流れにつながります。ですから、これからはタカ派発言が出てきたときに金利上昇によるドル買いで反応するのか、株安に繋がりドル売りで反応するのかに注目していきましょう。

FRBだけでなく、英中銀も引き締め政策を進めているので英国でも同じことがいえますが、FRBの方が早いペースで引き締めているのでドル売りがポンド売りに追いつく可能性も考えられます。その場合、ポンドドルはレンジを形成する可能性が高いでしょう。

comment

タカ派発言でドルがどうなるかを見ていきます!

ポンドドルのチャート分析

5月末時点での、ポンドドルの週足チャートです。

ポンドドルの押し目買いターゲット

画像引用:TradingView

  • 押し目の第1ターゲット:1.225
  • 押し目の第2ターゲット:1.216
  • 押し目の第3ターゲット:1.205

買いを仕込みやすそうな価格はこのあたりでしょう。

comment

下落要因に気をつけたうえで、買いを入れていこうと思います。

ポンドドルの戻り売りターゲット

画像引用:TradingView

  • 戻りの第1ターゲット:1.271
  • 戻りの第2ターゲット:1.288
  • 戻りの第3ターゲット:1.310

戻り売りを狙うか、あるいはブレイクしたら高値を追いかけるかは、ファンダメンタルズ分析も参考にしてください。

comment

メイン戦略は戻り売りにしたいと思います!

ポンドのファンダメンタルズ分析

comment

なぜポンドが弱いのか解説していきます!

5月のポンドは大きく下落しました。ポンドの売り要因は大きく分けて、「景気」と「地政学」に分けられ、この流れは6月も継続するのではないかと考えています。

景気

5月の英中銀で発表されたインフレーションレポートでは、今後の物価見通しが上方修正された一方で、景気見通しは下方修正されていました。このことで、物価上昇と景気後退が同時に起きる「スタグフレーション」が意識され、ポンド売りに繋がっています。

point スタグフレーションとは

景気が後退しているにも関わらず、物価の上昇(インフレ)が同時発生する現象のことです。原材料の高騰などにより不景気の中でも物価が上昇することがあります。景気後退で賃金が上昇市内にも関わらず物価が上昇するのは、市民にとって非常に苦しい状況です。そのため、通貨は売られやすくなります。

今後の英国景気でポイントとなるのが、「物価高」と「引き締め政策」の2点。ロシアへの制裁によるエネルギー価格の上昇や、ウクライナから穀物などが輸出されないことによる食料価格の上昇が問題となっています。

また、英国がEUから離脱したことで、欧州から低賃金労働者が出稼ぎに来れなくなり、人手不足につながり、人件費が高騰していることも物価高の要因です。物価高が進めば消費意欲は低下し、景気後退につながってしまいます。

物価高を抑えるため、英中銀は引き締め政策を進めますが、引き締め政策は景気を冷やす効果があります。物価高を抑えることを優先するのか、それとも景気を優先するのか難しい局面で、これがポンドの上値を抑えています。

地政学

5月のポンド売り要因として、地方議会選挙での与党大敗も大きく影響したと考えています。

昨年末のロックダウン中にパーティーに出席したことで、罰金を支払うこととなったボリス・ジョンソン首相は支持率を落としており、辞任が噂される事態に。物価高が進んでいることも政治批判に繋がっており、これが与党への支持率低下につながり、地方議会選挙での与党大敗につながったと思われます。

このような政治不安は、すぐに改善する見込みがないことから6月も続くと考えられ、さらなる政治不安を呼ぶのではないかと注目されています。

ボリス・ジョンソン首相の辞任、解散総選挙となれば、政治空白が生まれ、ポンド売りにつながるでしょう。

その他にも、地方議会選挙ではEU残留支持政党が勝利していることから、今後EUとの離脱交渉に大きく影響するのではないか、北アイルランド議定書の履行などに影響が出てくるのではないかとの不安を呼び、ポンド売りに繋がる可能性にも備えています。

景気と地政学のリスクは、どちらもすぐに解決できる問題ではないことから、当面ポンドの上値が重い状況は続くと見ています。

ただ、IMM通貨先物ポジションを見ると、ポンドショートが溜まっています。

point IMM通貨先物ポジションとは

米国のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の国際通貨先物市場で行われる通貨先物取引のポジションのことです。FXでは、市場全体の縮図として考えられている、非商業部門が特に注目されます。ヘッジファンドをはじめとする投機筋の動向は、市場に影響を与えることが往々にしてあり、その偏りや変遷を見ることで、今後の相場の予想に役立ちます。IMM通貨先物ポジションは、米国商品先物取引委員会(CFTC)のホームページで、毎週金曜日の取引終了後に公表されます。ただし、数値は毎週火曜日の取引終了時点のものであり、タイムラグがあります。

景気もしくは地政学のリスクどちらかでも改善が見えた場合は、ショートポジションの巻き戻しで一気にポンド買いが出てくる可能性があるので、念のため、注意しておきましょう。

comment

すぐに解決しにくい問題があるため、ポンドは下げ目線が正解かと!


Date

作成日

2022.06.01

Update

最終更新

2022.06.08

ポンドマン | Pond Man

現役大学生トレーダー

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ポンドマン

英ポンドを中心にトレードを行う大学生トレーダーで、2021年の合計利益は4,000万円にのぼる。公式Twitterでもテクニカル分析等の情報発信を行い、フォロワー数は5,000人以上。ファンダメンタル分析とテクニカル分析を組み合わせた手法を用い、Myforexでは月初にポンド通貨ペアの戦略を連載している。

【運営メディア】
https://www.easthillfx.co.jp/column/

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