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大手仮想通貨取引所bitFlyer、投資ファンドに買収される可能性

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update 2022.04.20 12:18
大手仮想通貨取引所bitFlyer、投資ファンドに買収される可能性

update 2022.04.20 12:18

2022年3月末、日本経済新聞は、日本の仮想通貨(暗号資産)取引所bitFlyerが投資ファンドに買収されるとの見通しを報道しました。[1]

Twitter(ツイッター)上では、不安の声や様々な憶測が飛び交っていますが、これに対してbitFlyerは「買収に関しては、現時点で決定された事実はありません」と発表しています。bitFlyerを取り巻く現状は、どうなっているでしょうか。

bitFlyerが買収される可能性

bitFlyerを買収する投資ファンドはACAグループであり、この投資ファンドは日本とシンガポールに拠点を持っています。そして、bitFlyerの親会社(bitFlyer Holdings)の過半数の株式取得で大筋合意したと報じられています。その真偽は明らかではありませんが、売却の話は以前からあがっていたようです。

ACAグループは、企業を買収して経営をサポートし、企業価値を高めてより高い価格で売却しています。今まで、情報通信・ヘルスケア・人材派遣などの幅広い分野で、主に中小企業に投資しています。仮想通貨関連企業に投資した実績はありませんが、この買収が実現すればbitFlyerの企業価値が向上する可能性があります。

なお、bitFlyerの評価額は約450億円と推測されています。bitFlyerの株主には、bitFlyer共同創設者の小宮山峰史氏や大手住宅メーカーの積水ハウスなどがあり、ACAグループは彼らと交渉を進めて株式の過半数を取得する見通しです。

bitflyerのロゴ

大株主の加納氏は買収防衛策を提案

日本経済新聞の報道後、SNS上の仮想通貨コミュニティでは不安が広がっています。これに対して、bitFlyerは報道を否定していますが、買収の噂が全くの「ガセ」ではないことも明らかになっています。

bitFlyerの米国拠点CEOで共同創設者の加納裕三氏は、ACAグループによる買収はまだ決まったわけではないと説明しています。

その上で加納氏は、ACAグループが「未上場企業の大株主への敵対的買収」を仕掛けているとの見方を示し、bitFlyer買収に興味のある投資家に対して、ホワイトナイトと呼ばれる買収防衛策を呼びかけています。[2]

point ホワイトナイト

ホワイトナイトとは、敵対的買収に対する防衛策のひとつです。この防衛策は、友好的な買収者を募って買収もしくは合併してもらうことで、特定の企業による敵対的買収の回避を目指します。ホワイトナイトを成功させるには、資金力のある協力者を迅速に探すことが鍵になります。

加納氏は、発行済み株式数の約40%を保有しており、売却する意思を示していません。また、今回の報道に関して「驚いてるのは、ディールの存在は知ってたけど、可能性は高くないと聞いていたのに突然合意したように報じられたから」とコメントしました。[3]

過去には売却失敗の報道も

ちなみに、bitFlyerは2020年から2021年末に事業売却を図り、それが失敗に終わったとも報道されています。関係者によると、1,000億円程度での売却が想定されていたものの、国内のIT・金融企業からのオファーが半値にも満たなかったため実現しなかったとのことです。

また、一時期は中国企業への売却も検討されていた模様です。当時、ビットコイン(BTC)価格は史上最高値を更新しており、仮想通貨市場は絶好調でした。その状況でも、加納氏や小宮山氏を始めとする大株主はbitFlyer売却の機会を探っていたことになります。

今回、加納氏は、ACAグループに対する買収防衛策を提案していますが、条件が合えばbitFlyer売却が決まる可能性がありそうです。

外資参入が続く仮想通貨市場

日本は世界有数規模の仮想通貨市場を抱えており、近年、外資の流入が加速しています。

直近では2022年2月に、海外の大手取引所FTXがQuoineを運営するLiquidを買収して大きな話題となりました。

liquidとFTXのロゴ

全世界に向けてサービスを展開するFTXは日本やシンガポールに事業基盤を持つLiquidを高く評価し、アジア市場に進出することを念頭に同社を買収する判断に至りました。

その他にも、ディーカレットがアンバーグループに事業を売却したのに加え、米大手取引所のCoinbaseやKrakenなどが国内の仮想通貨市場に続々と参入しています。

これは日本国内の取引所にとって由々しき事態である一方、ユーザーにとっては利用できるサービスや通貨ペアが多様化しますのでメリットが大きいです。

knowledge 海外取引所の日本市場参入

取引所が日本で営業するには金融庁登録が必須であり、それが海外取引所にとって高い参入障壁となっています。具体的には、業界の自主規制団体である日本暗号資産取引業協会に加入し、適切な運営体制やセキュリティシステムの構築が必要です。この高い参入障壁をクリアする目的で、海外取引所は金融庁登録済みの国内取引所を買収しています。

この仮想通貨市場への外資の流入は、今後も継続する可能性があります。前述の通り、bitFlyerは中国企業への事業売却を断念したと噂されていますが、近い将来、同取引所の買収を狙う海外取引所が出てくるかもしれません。

bitFlyer買収騒動の行方に注目

2014年設立のbitFlyerは、日本国内最大級の規模を誇り、競合のコインチェックと人気を二分する存在です。また、2017年頃から海外展開も進めており、bitFlyer USAやbitFlyer Europeなど現地法人を立ち上げています。口座開設数は250万件を突破し、業績は2018年の仮想通貨バブル崩壊後の低迷から回復基調にあるため、成長を期待できる存在といえるでしょう。

bitFlyerの買収に関心を寄せる企業は多いと考えられますが、果たしてACAグループによる買収は成功するでしょうか。bitFlyerの買収が実現すれば、サービス移管や事業方針の変更などがあると予想されるだけに、今後もこの買収騒動の行方を追っていく必要がありそうです。


Date

作成日

2022.04.07

Update

最終更新

2022.04.20

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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