作成日
:2022.02.09
2022.04.20 12:08
2022年2月2日、海外大手仮想通貨(暗号資産)取引所のFTXが、国内取引所Quoineを運営するLiquidを買収することが明らかになりました。
Liquidは、金融庁に「暗号資産交換業者」と「第一種金融商品取引業者」として登録される企業であることから、買収完了後にFTXは日本市場に参入可能となります。大手取引所のFTXは日本人にも人気となっているので、Twitter(ツイッター)上では同取引所の国内市場への参入を歓迎する声が寄せられています。一方、既存のFTXユーザーの中には、公開されている情報から取り扱いの仮想通貨やサービスが限定的になると予想して、同取引所の日本市場参入を否定的に捉える人もいます。
多くの仮想通貨関連メディアがFTXによる日本市場参入に関するニュースを報じ、このことは注目のトピックとなっていますが、日本の仮想通貨市場にどのような変化をもたらすでしょうか。
FTXは2019年にサム・バンクマン・フリード氏によって設立された海外取引所です。元々、フリード氏は仮想通貨のトレーダーとして活躍した人物で、当時、20代でFacebook(フェイスブック)のマーク・ザッカーバーグ氏に次ぐ莫大な資産を築いたことで有名になりました。
FTXは日本以外にも全世界を対象に事業展開しており、その特徴としては、オプションや先物などの仮想通貨デリバティブを始め、仮想通貨を預け入れて報酬を獲得するステーキング、トークン化されたゲームアイテム等を取引するNFTマーケットなどの総合的なサービスを提供している点にあります。
また、FTXはLiquidが大規模なハッキング被害を受けた際に約130億円の資金を提供しており、以前から同社との関係を深めてきました。そしてFTXは日本やシンガポールに事業基盤を持つLiquidを高く評価し、アジア市場に進出することを念頭に同社を買収する判断に至りました。
全世界に向けてサービスを展開するFTXは、日本のソフトバンクを含む企業から巨額の資金を調達していることから、仮想通貨市場で最も期待される取引所のひとつとして認知されています。
今回FTXは、FTXのサービスを日本の法令に準拠してQuoineに統合していくと発表しました。これに伴い、FTXはグローバル市場向けのFTX.comにおける日本居住者の口座をQuoineに移管します。日本国内で取り扱う仮想通貨やサービスの詳細は正式に発表されていませんが、FTXが顧客に送付したメールから推測可能です。
その中でFTXは、ビットコイン(Bitcoin)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、リップル(XRP)、ベーシックアテンショントークン(BAT)、ライトコイン(LTC)、ステラ(XLM)、FTXトークン(FTT)、ソラナ(SOL)以外の仮想通貨の現物取引ができなくなると伝えています。現在、Quoineでは、FTXトークンとソラナの取り扱いがないことから、これら2つの仮想通貨が新しく上場されることが予想されています。
FTXトークンはFTXが発行する独自仮想通貨であり、Binance(バイナンス)のバイナンスコイン(BNB)などのように保有者に対して様々な特典を付与します。具体的には、取引手数料の割引や仮想通貨を無料で配布するエアドロップなどです。
仮想通貨デリバティブに関してFTXは、期限がある全ての先物契約を利用不可とし、上記の仮想通貨を対象とした永久先物契約(満期日のない先物契約)を引き継ぐことを示唆しています。なお、FTXはベーシックアテンショントークン、ライトコイン、ステラ、FTXトークン、ソラナの永久先物契約に関して、業界の自主規制団体である日本暗号資産取引業協会に申請を行なっていると伝えています。
現時点で、FTXの日本国内での事業展開がどのようになるのか明らかになっていませんが、提供できない商品やサービスがあることは決定的でしょう。しかし、FTXは継続的にサービスを拡大していく方針を示しているので、今まで日本国内になかったサービスの立ち上げや、取り扱いがない仮想通貨の上場に貢献する可能性もあります。
日本市場では、日本法人を立ち上げたクラーケンに続き、ディーカレットを買収したアンバー・グループなど、海外取引所の参入が相次いでいます。これに関して、クラーケン・ジャパンの代表を務める千野剛司氏は、「機関投資家が参入するグローバル市場に比べると、日本の暗号資産市場は後れをとっていると言わざるを得ない状況だ」と述べた上で、外国資本の企業が日本に参入してくることで国内市場の成長につながるとコメントしています。
現在、日本国内の取引所は、新規仮想通貨の上場プロセスや仮想通貨関連サービスの立ち上げに要する高いハードルに苦戦していますが、FTXを始めとする海外取引所の市場参入がこれをどのように変えていくのでしょうか。まずは、日本でのFTXによる事業展開に期待しましょう。
出典元:
作成日
:2022.02.09
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。
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