作成日
:2022.03.29
2022.04.20 12:23
2022年4月は、ポンド円は上目線、ポンドドルはレンジが本戦です。英国、日本、米国それぞれの経済状況、それとウクライナ情勢が絡み合う複雑な事態を、できるだけ簡単に解説します!
上昇トレンド継続が本命です!
利上げ局面によるポンド買いと大きな円安がポンド円上昇の要因となりそうです。
ポンドは利上げ局面で、底堅く推移すると考えています。ただ、年内4回の利上げは織り込まれているので、ここからガンガン上昇していくイメージは持ちにくく感じます。
対して円は、日銀の緩和政策と日本の貿易赤字が要因になり、円安が進むと考えています。英国は利上げを織り込み、金利は上昇しています。
日銀は緩和政策の維持を発表しており、YCC(イールドカーブ・コントロール)による低金利が続きます。日英の金利差拡大により、ポンド高円安が進むと考えています。
イールドカーブ・コントロールとは、短期金利のマイナス金利政策と、10年物国債の金利が概ねゼロ%程度で推移するように買入れを実施することで短期から長期までの金利全体の動きをコントロールすることを指します。
また、ウクライナ情勢によるエネルギー価格、商品価格の上昇から、日本の貿易赤字が進むと見ています。貿易赤字が進めば、支払のために円を売ってドルを調達するので円安が進みます。
円安が進むと、輸入の際の支払価格が上昇するので、さらに貿易赤字が進みます。このように、貿易赤字と円安が負のスパイラルに陥るのではないかと注目しています。つまり、今後は円安主導でポンド円は上昇していく、というのが今の時点の見立てです。
注意点として、英中銀のハト派姿勢転換と、ウクライナ情勢による英国経済の景気後退には注意しておきたいと思います。この2点が出てくると、ポンド売りが進む可能性があるからです。詳細はポンドのファンダメンタルズを参照してください。
ポンド売りの要因はあるものの、ポンド円は上目線でいこうと思います!
3月末時点の、ポンド円日足チャートを分析してみます。
大きく下落し、149.6円付近まで押した場合には買っていこうと思います。既に157〜158円の抵抗帯を大きく超えているため、買いで追いかけていくことも検討します。
画像引用:TradingView
原稿執筆時点からごく短期間で急騰したため、それまで抵抗だった157〜158円での買いも検討できます。
強い上昇が続いていますが、押し目のチャンスを狙う方針です!
画像引用:TradingView
売る場合の目安ですが、目先は上昇が強いので、活用できるまでには時間がかかりそうです。
売りエントリーする場合、これらのラインを完全に下回ってからにしてください。中途半端なところでの売りエントリーは危険かもしれません。
基本もみ合いですが、どちらかというと米ドルが強いかなという印象です。
ポンドドルは、レンジ相場もしくは下落を予想しています。利上げの織り込みが進んだポンドと米ドルの対決に注目です。
英中銀もFRBも、利上げの価格への織り込みが進んでおり、利上げによるポンドや米ドルの上昇余地は少なくなってきています。ここからは、追加の利上げやQT(資産縮小)の観測で、ポンドや米ドルが動くと考えられます。
先日の英中銀は利上げを発表したものの、2月と比較して3月は、ややハト派に傾いていました。対して、先日のFOMC(連邦公開市場委員会)では市場予想通りの内容と、インフレ見通しの上方修正などタカ派と受け止められる内容が出てきています。
このことから英中銀よりはFRB(連邦準備理事会)のほうがややタカ派で、追加利上げの可能性が高く、ポンドよりも米ドルの方が買いが強く出てくる可能性が高いのではないかと考えています。
注目するポイントはCPI(消費者物価指数)と雇用統計(平均所得)です。物価の上昇が見られれば追加利上げの可能性が出てくるので、米英両国の物価上昇を確認しておきたいと思います。
もう一つのポイントはウクライナ情勢です。地理的に英国のほうがウクライナに近いので、影響は強く表れると思います。
ウクライナ情勢による英国経済の景気後退に繋がるようであればポンド売りが進み、ポンドドルは下落するのではないかと考えています。
3月末時点での、ポンドドルの日足チャートです。
画像引用:TradingView
しっかり下に引きつけて買うようにしてください。
画像引用:TradingView
戻り売りの候補価格ですが、あまりにも強い勢いで突き抜けた場合には要注意。
ポンドドルはポンド円とちがって強力なトレンドは出ないかもしれません。
3月17日の英中銀による政策金利発表では、0.25%の利上げが発表されたものの、カンリフBOE副総裁が据え置き票を投じ、ポンド売りが進みました。声明文の内容も、2月と比べるとハト派に傾いていました。
英中銀は3月の利上げで政策金利が0.75%になっており、あと1回利上げして1.00%となれば、次は資産縮小に動くのではないかと見られています。
利上げと資産縮小のダブルで引き締めを進めた場合、イッキに景気を冷やす可能性があるため、利上げ回数を調整する可能性があります。その予兆でカンリフBOE副総裁が据え置き票を投じたのではないかと考えられています。
現時点で、年内4〜5回の利上げを織り込んでいるので、資産縮小を始めて利上げ回数が後退するようであれば、ポンドの上値が重くなってくる可能性が高いと考えています。
また、ウクライナ情勢による英国経済の景気後退懸念も、利上げ見通しの後退に繋がります。ロシアに対する制裁や、エネルギー価格、商品価格の上昇など、英国経済の重しとなるような内容には注意しておきたいと思います。
ただ、インフレは抑えないといけないので、さらに物価上昇が続くようであれば英中銀は追加の利上げに動くでしょう。そうなれば、ポンド買いに傾く可能性が高いので、物価指標には注意しておきましょう。
物価の上昇を確認できるCPI(消費者物価指数)に注目です。CPIが前回の数字を超え、予想を上回る結果が出てきたときには、追加利上げの可能性が高くなりポンド買いが進むはずと予想しています。
また、英国では人材不足が問題となり、人件費の高騰が物価上昇の要因となっています。雇用統計で平均賃金が前回値よりも上昇するなら、さらなる物価上昇に繋がり、ポンド買いに繋がる可能性があるので注目しています。
5月の英中銀政策金利発表は、インフレーションレポートが同時発表される重要な回となり、4月中にはこのタイミングに向けて多くの要人が発言していくと思われます。
要人発言から英中銀がハト派姿勢に転換するような内容が出てくるのか? 英国経済の景気後退を予想するような発言が出てくるのか? に注目したいですね。
このような内容が出てくるとポンド売りが進みますし、逆にインフレが進行して引き締めを急ぐようなタカ派な内容が出てくるとポンド買いが進みます。要人発言には常にアンテナを張りましょう。
CPI、要人の発言を注視しながら、5月の政策金利発表を待ちましょう!
作成日
:2022.03.29
最終更新
:2022.04.20
英ポンドを中心にトレードを行う大学生トレーダーで、2021年の合計利益は4,000万円にのぼる。公式Twitterでもテクニカル分析等の情報発信を行い、フォロワー数は5,000人以上。ファンダメンタル分析とテクニカル分析を組み合わせた手法を用い、Myforexでは月初にポンド通貨ペアの戦略を連載している。
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