作成日
:2021.04.05
2021.09.02 11:10
先週のゴールド(XAU/USD)相場は軟調なスタート。2週間継続してきたレンジ相場の下限である1,720ドルを割り込むと、下げ足を速めて2日間で2%以上下落し、直近3週間の安値である1,678ドルに到達した。しかし、米国債利回りが大きく下落し米ドルが伸び悩むと、週後半に買い戻しが入って1,730ドル付近に急反発した。
先月29日、米国10年国債利回りは上昇し、1年以上ぶりの高水準である1.774%をつけた。これを受けて米ドルは堅調に推移し、ゴールド相場は1,700ドルを下回る水準に反落した。
先月31日、世界的な株高を受けて米ドルが上昇ペースを落とすと、これがゴールド価格上昇の支援材料となった。さらに、四半期末に絡む調整や利益確定の動きが、売られすぎたゴールド価格を支えた。
1日、ISM製造業景況指数が発表され、前回の60.8から64.7に大幅上昇した。これは米国製造業が1983年以来の堅調さで推移していることを示し、さらに、市場予想の61.3をも上回ったことを受け、市場は堅調な推移となった。S&P500がイースターを前に史上初の4,019を記録する一方で、ドルインデックスは1日で0.3%下落した。
なお、この日、バイデン米大統領はインフラ投資や環境対策に2兆2,500億ドルを投じる経済対策案を発表したものの、増税によって財源を賄う案であるため、議会の支持を得られるかどうか不透明となっている。
1日に発表された米雇用統計において、3月の非農業部門雇用者数は市場予想の64万7,000人増に対し、91万6,000人の増加となった。また、失業率は事前予想通り6%となり、労働参加率は61.5%に上昇した。イースター休暇のためマーケットの反応を評価するのは困難だが、米国10年国債利回りが穏やかに上昇したことを踏まえると、今週の米ドルは堅調なスタートになると見込まれる。
今週は重要な経済指標発表が乏しく、比較的穏やかな相場になると見込まれるが、米国債利回り動向が米ドルとゴールド相場の推移に引き続き影響しそうだ。
5日(月曜日)は3月のISM非製造業景況指数の発表があり、市場予想より強い数字が出るならば株価指数の上昇を支援し、米ドルの高値を抑える可能性がある。
7日(水曜日)には、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公開され、8日(木曜日)にはパウエル議長が発言する予定がある。前回発表されたFOMCメンバーによる経済見通しサマリー(SEP)では、4人のメンバーが2022年の金利上昇を予測しており、市場は政策金利上昇のタイミングがいつになるのかに注目している。
参照:経済指標カレンダー
先週始めに大きく下落したことを受け、日足チャートのRSIは30を割り込んで売られすぎを示唆した。その後の反発を受けてRSIは50を回復しており、売り圧力の後退を示唆している。さらに、ゴールド相場は20日移動平均線よりも高値で終値をつけ、売り圧力後退の再確認となった。
しかし、ゴールド相場がさらに上昇し、直近見通しで上昇トレンドに転換するには、強いレジスタンスラインとなっている1,745ドルを終値で上回る必要がある。この水準を超えると、次のレジスタンスラインである50日移動平均線の1,770ドルが視野に入る。
その一方、仮に1,745ドルのレジスタンスラインが機能するならば、売り圧力が再燃する可能性がある。その場合、まず1,725ドル(20日移動平均線)、次に1,720ドル(テクニカル的水準)、1,700ドル(心理的水準)がサポートラインとなる。
FXStreet提供: 2021.04.03.JST02:01
作成日
:2021.04.05
最終更新
:2021.09.02
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