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Grassとは?仮想通貨業界で話題のAI開発を支える分散型データプラットフォーム

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update 2024.07.16 11:52
Grassとは?仮想通貨業界で話題のAI開発を支える分散型データプラットフォーム

update 2024.07.16 11:52

Grass(グラス)は、AI開発に必要な大規模データを収集するための分散型プラットフォームです。ユーザーは未使用インターネット帯域幅を提供することで、AI開発のデータ収集に貢献して報酬を得られます。

当記事では、Grassの特徴や仕組み、X(旧Twitter)での評判、将来性、始め方などを解説します。

Grassとは

Grassとは

画像引用:Grass

Grassとは、AI開発に不可欠なウェブデータを革新的な方法で収集する分散型プラットフォームです。ユーザーの未使用インターネット帯域幅を活用することで、大規模なデータ収集を可能にしています。

未使用のインターネット帯域幅とは

帯域幅とは、一定時間内にどれだけの情報を伝送できるかを示す指標です。インターネット回線の速度を表す際によく使われる「Mbps(メガビーピーエス)」という単位は、この帯域幅を表しています。

帯域幅の概念は、水道管に例えるとわかりやすいでしょう。太い水道管(高帯域幅)は、より多くの水(データ)を流すことができます。仮に100Mbpsの回線を契約していても、webブラウジングやメールチェックなどの日常的な使用では、その全てを使い切ることはほとんどありません。この使われていない部分が「未使用の帯域幅」にあたります。

Grassは、この未使用のインターネット帯域幅を活用することで、新しい価値を生み出すプラットフォームだといえます。

AI開発を支える大規模ウェブデータ収集

Grassは、AI開発に必要となる大規模なウェブデータを収集するためのプラットフォームです。特に大規模言語モデル(LLM)の開発には、膨大な量のデータが必要です。このデータ需要に応えるため、Grassは革新的なアプローチを採用しています。

具体的には、世界中のユーザーの未使用インターネット帯域幅を活用して、ウェブ上の公開データを収集(スクレイピング)します。これにより、AI企業は幅広いソースから大量のデータを効率的に入手できるようになります。

Grassの分散型ネットワークの仕組み

Grassは、世界中に散らばるユーザーのコンピューターを結ぶ分散型ネットワークを構築しています。

Grassの分散型ネットワークの仕組み

画像引用:Grass

このネットワークでは、「Grass Node(グラスノード)」と呼ばれる個々のユーザー端末が未使用のインターネット帯域幅を活用することで、ウェブ上の公開データを収集します。

この仕組みにより、大規模なデータセンターを必要とせずに、膨大な量のデータを効率的に収集することが可能になります。世界中の多様なソースからデータを収集できるため、より偏りの少ないデータセットの構築も期待できるでしょう。

また、Grassではネットワークの検証等を行う「Validator(バリデーター)」や「Router(ルーター)」なども存在しています。これらが連携して機能することで、Grassのデータ収集システムを実現しています。

Grass Pointsで報酬を配布

当記事執筆現在(2024年6月25日)、Grassはネットワークに貢献したユーザーに対して報酬を提供する「Grass Points」という仕組みを導入しています。

これにより、ユーザーはGrassネットワークに貢献しながら、その見返りを得られます。Grass Pointsの獲得方法は以下の2つがあります。

  • Grassを使用してネットワーク接続を維持する
  • 他のユーザーをGrassに招待する

Grassでは招待プログラムを実施しており、新しいユーザーを招待すると、「招待された人が獲得したポイント」の20%が紹介者に無期限で加算されます。

さらに、自分が招待したユーザーから二次紹介、三次紹介が発生した場合も、それぞれ10%、5%のポイントが紹介者に加算されるなどの仕組みも導入されています。

Grassの招待プログラムの仕組み

画像引用:Grass

X(旧Twitter)での評判

当記事執筆現在(2024年6月25日)、Grassは独自トークンを発行していません。しかし、2024年6月21日に、Grassへのウォレット接続を促す内容が公式Xアカウントによって投稿されました。

このことから「トークンのエアドロップが近々行われるのではないか」と予測するユーザーも見られ、X上で盛り上がりを見せています。

また、一度登録をした後は放置するだけでポイントが貯まる手軽さや、他のユーザーを招待するとポイントが貰えるといった要素も、Grassの人気につながっているようです。

Grassの将来性

Grassの将来性について、以下の2点から考察します。

  • 350万ドルの資金調達に成功
  • 独自のレイヤー2を開発

350万ドルの資金調達に成功

2023年12月20日、Grassの開発を手掛けるWynd Networkは、シードラウンドにて350万ドル(当時約5億円)の資金調達に成功したことを公式ブログで公表しました。

Grassの資金調達の発表

画像引用:Grass

この投資ラウンドは、Polychain CapitalとTribe Capitalが主導しており、これまでのWynd Networkの総調達額は450万ドル(当時約6.5億円)に達しています。

調達した資金は、Grassの技術インフラの強化やノードネットワークの拡大、データ検証プロセスの改善などに活用される予定です。

独自のレイヤー2を開発

Grassは、独自のレイヤー2ソリューションを開発しています。

point レイヤー2とは

多くのブロックチェーンは、異なる役割を持つブロックチェーンが階層別に独立して相互通信する「レイヤー構造」になっています。基礎的な役割を担うブロックチェーン層をレイヤー1と呼び、レイヤー1の情報処理を助ける層をレイヤー2と呼びます。

レイヤー2とは

この取り組みは、AI開発のデータ収集において重要な「データの透明性」問題の解決策となる可能性を秘めています。

現在のAI開発において、使用されているデータの出所や詳細な履歴を完全に追跡するのは困難です。しかし、Grassによると、AI開発に使用されたデータの透明性を確保することは、最も重要な課題の一つだとしています。例えば、AI開発に使われたデータの出所がわからない場合、意図的に誤った回答をするように訓練されたAIがあったとしても、それを判別することは難しいでしょう。

これに対して、Grassのレイヤー2ソリューションは以下のようなアプローチを提供します。

まず、Grassのシステムは、収集される各データにメタデータを付与します。メタデータとは、データ収集元のウェブサイトのURLなどを含む、いわば「(収集した)データに関するデータ」といえます。

このメタデータは、収集されたデータと共にブロックチェーン上に記録されるため、データの出所と履歴を誰もが検証できるようになります。この仕組みにより、AI開発に使用されるデータの透明性は大幅に向上すると考えられます。

このように、Grassは将来的にAI開発において、重要な役割を果たす可能性を秘めたプロジェクトだといえるでしょう。

Grassの始め方

Grassの始め方について解説します。ここでは、ユーザー登録とウォレット接続の2つの手順に分けて紹介します。

ユーザー登録の手順

Grassの拡張機能をダウンロードし、ユーザー登録する手順を解説します。

手順1

以下のリンクをクリックし、Grassの公式ページにアクセスします。

手順2

公式ページにアクセスできたら、画面右上にある「DOWNLOAD GRASS」をクリックします。

Grassの公式ページ Grassの公式ページ

手順3

ChromeウェブストアのGrassのページが開きます。画面右上の「Add to Chrome」をクリックします。

ChromeウェブストアのGrassのページ ChromeウェブストアのGrassのページ

手順4

以下のポップアップが表示されるので、「拡張機能を追加」をクリックします。

拡張機能の追加画面

手順5

以下のポップアップが表示されれば、拡張機能のダウンロードは完了です。

拡張機能の追加完了後の画面 拡張機能の追加完了後の画面

手順6

拡張機能一覧の中から「Grass Extension」をクリックします。

ダウンロードした拡張機能 ダウンロードした拡張機能

手順7

「REGISTER WITH EMAIL」をクリックします。

Grassの拡張機能画面 Grassの拡張機能画面

手順8

以下のサインアップ画面で、必要な情報を入力します。

なお「Referral Code(招待コード)」も入力必須の項目になっています。X(旧Twitter)で「#Grass 招待」などと検索すれば、招待コードを配布しているユーザーが見つかるので、適当な招待コードを選んで入力します。

すべて入力できたら「REGISTER」をクリックします。

Grassの登録画面

手順9

「ACCESS MY ACCOUNT」をクリックします。

Grassのログイン画面

手順10

メールアドレスを認証するためのリンクが記載されたメールが届きます。以下の画面が表示されるので、登録したメールアドレスの受信トレイを開きます。

メール認証画面

手順11

届いたメールにある「Confirm your email」をクリックします。

Grassからのメール

手順12

以下の画面が表示されれば、ユーザー登録は完了です。

メール認証後の画面

ウォレット接続の手順

次に、Grassにウォレットを接続する手順を解説します。Solanaに対応したウォレットを接続するため、今回はPhantom(ファントム)ウォレットの使用を例に説明します。

手順1

Grass Extensionを開き、「OPEN DASHBOARD」をクリックします。

登録後のGrassの拡張機能画面 登録後のGrassの拡張機能画面

手順2

ダッシュボードの画面左側にある「Rewards」をクリックします。

Grassのダッシュボード Grassのダッシュボード

手順3

画面中央の「CONNECT WALLET」をクリックします。

Grassのウォレット接続画面 Grassのウォレット接続画面

手順4

Grassで利用できるSolanaウォレットの候補が表示されます。ここでは例として、Phantomウォレットを選択します。

ウォレットの選択画面

手順5

「接続」をクリックします。

ウォレットでの接続画面 ウォレットでの接続画面

手順6

「VERIFY」をクリックします。

ウォレットの確認画面

手順7

表示されるメッセージの内容と、ネットワークが「Solana」であることを確認した上で「確認」をクリックします。

ウォレットでの確認画面 ウォレットでの確認画面

手順8

画面右上に「Success!」と表示されれば、ウォレットの接続は完了です。

ウォレット接続後の画面 ウォレット接続後の画面

手順9

次に、ウォレットを認証する作業を行います。画面右側の「Confirm Wallet in Email」の欄にある「START」をクリックします。

Grassのダッシュボード Grassのダッシュボード

手順10

「SEND VERIFICATION LINK」をクリックすると、ウォレットを認証するためのリンクが記載されたメールが届きます。登録したメールアドレスの受信トレイを開きます。

ウォレットの認証画面

手順11

届いたメールの「Verify wallet address」をクリックします。

Grassからのメール

手順12

以下の画面が表示されれば、ウォレットの接続および認証は完了です。

ウォレット認証後の画面

誰もがAI開発に貢献できるプロジェクト

AI開発に不可欠なデータ収集において、Grassは革新的なアプローチを提示するプロジェクトです。未使用のインターネット帯域幅を活用する仕組みにより、誰もが簡単にAI開発に貢献できます。

有名VC(ベンチャーキャピタル)から資金調達にも成功しており、Grassは新たな可能性を切り開くプロジェクトだといえるかもしれません。今後、AI開発のインフラとしてどこまで成長できるのか注目です。


Date

作成日

2024.07.04

Update

最終更新

2024.07.16

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