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Babylonとは?ビットコイン向けステーキングプロトコルの特徴や将来性を解説

Babylonとは?ビットコイン向けステーキングプロトコルの特徴や将来性を解説

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update 2024.07.02 10:02
Babylonとは?ビットコイン向けステーキングプロトコルの特徴や将来性を解説

update 2024.07.02 10:02

Babylon(バビロン)はビットコイン(BTC)のステーキングプロトコルです。ビットコインホルダーは、Babylonでステーキングを行い報酬を得ることができます。

2024年5月30日、Babylonの運営チームが7,000万ドルの大型資金調達を発表したことで、SNS上で注目が集まっています。当記事では、Babylonの特徴や将来性、X(旧Twitter)での評判などを解説します。

Babylonとは

Babylonのロゴ

画像引用:Babylon

Babylonは、ビットコインのステーキングプロトコルです。保有するビットコインを積極的に運用し、報酬を得たいユーザー向けのプラットフォームだといえるでしょう。

ビットコインをステーキングできる

Babylonでは、保有するビットコインをステーキングすることができます。

ビットコインは、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)のブロックチェーンです。そのため、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)のイーサリアム(ETH)などとは異なり、ビットコインは基本的にステーキングができません。

Babylonはこの課題を解決するため、ビットコイン向けのステーキングプロトコルを開発しています。ビットコインホルダーはBabylonにビットコインを預けることで、ステーキング報酬を獲得できます。

ステーキング報酬としてアルトコインを獲得

ビットコインステーキングのイメージ

画像引用:Babylon

Babylonでビットコインをステーキングすると、どのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)チェーンに預けるかを選択できます。そして、預け先のPoSチェーンからステーキング報酬としてアルトコインを受け取れます。

当記事執筆時点(2024年6月10日)でBabylonのメインネットはローンチされておらず、テストネットを実施中です。ステーキングで受け取れる報酬の銘柄や利率は明かされていないため、続報に期待しましょう。

PoSチェーンのセキュリティを強化

Babylonは、ビットコインのステーキングプロトコルであると同時に、セキュリティ共有プロトコルでもあります。ユーザーから預かったビットコインを活用し、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)チェーンのセキュリティを強化します。

ビットコインステーキングの安全性のイメージ

画像引用:Babylon

PoSのブロックチェーンでは、セキュリティを維持するために莫大な資本が必要です。一方で、世界最大の時価総額を誇るビットコインは、そのほとんどが遊休状態にあり活用されていないのが実情です。

BabylonはビットコインをPoSチェーン向けにステーキング可能にすることで、ビットコインホルダーがPoSチェーンのセキュリティ維持に貢献できるようにします。

X(旧Twitter)での評判

ビットコインのステーキングプロトコルBabylonは、2024年5月に資金調達を発表したこともあり、X(旧Twitter)上で話題となっています。

中には「BabylonなどのビットコインDeFiは今後数ヶ月間、魅力的なナラティブ(物語)となるだろう」と期待するユーザーも見受けられました。

Babylonの将来性

Babylonの将来性に関して、以下の4点を踏まえて考察します。

  • Binance Labsなどから合計約1億ドルを調達
  • 研究者を含む精鋭揃いの運営チーム
  • テストネットでは2万人以上が参加
  • 85のプロジェクトと提携

Binance Labsなどから合計約1億ドルを調達

Babylonへの出資者

画像引用:Babylon

2024年5月30日にBabylonの運営チームは、7,000万ドルの資金調達を行ったことを発表しました。ParadigmやPolychainなど仮想通貨(暗号資産)業界で有名なベンチャーキャピタルが出資したようです。

またBabylonは、2024年2月にBinance Labsからも出資を受けています。大手取引所Binance(バイナンス)の共同創業者であるYi He氏は「ビットコインのステーキングは業界にとって重要なユースケースの導入である」とコメントしています。

バイナンスからの出資イメージ

画像引用:Binance

当記事執筆時点(2024年6月10日)で、Babylonの累計調達金額は1億ドルを超えています。仮想通貨関連のスタートアップのなかでも、非常に規模の大きいプロジェクトであることがわかります。

研究者を含む精鋭揃いの運営チーム

Babylonの共同創業者であるDavid Tse氏は、マサチューセッツ工科大学で博士号を取得し、カリフォルニア大学バークレー校で長年教授を務めた研究者です。現在はスタンフォード大学で教授を務めながら、Babylonの運営に携わっています。

同じく共同創業者のFisher Yu氏は、南カリフォルニア大学でブロックチェーンの研究を行っていました。

テストネットでは2万人以上が参加

テストネット4に関する通知

画像引用:Babylon

Babylonは2024年6月に「テストネット4」を実施しました。このテストネットでは、約2万8,000人のユーザーがビットコインのステーキングに参加したようです。

これからBabylonがメインネットに移行することで、より多くのユーザーがビットコインのステーキングに参加することが予想されます。

85のプロジェクトと提携

Babylonはビットコインを活用して、様々な分散型プロジェクトのセキュリティ維持に貢献する予定です。当記事執筆時点(2024年6月10日)で、Babylonはすでに85のプロジェクトと提携しています。

提携プロジェクトの一例

画像引用:Babylon

具体的な提携先のプロジェクトとして、ブロックチェーンの相互運用を可能にするCosmos Hubや、金融業界向けレイヤー1のInjective、仮想通貨ハードウェアウォレットのLedgerなどが挙げられます。

Babylonの特徴

Babylonには、以下のような特徴があります。

  • ビットコインの没収による不正防止機能
  • ステーキングの柔軟性
  • リステーキングも開発中

ビットコインの没収による不正防止機能

Babylonでは、PoSチェーンを攻撃したステーカーのビットコインをスラッシュ(没収)する仕組みを導入することで、不正行為を防止しています。

一般的に、PoSチェーンにおけるステーキングでは、ステーカーが不正を働いた場合、預けている資産の一部が没収されます。そしてこのことが、不正行為に対する抑止力となっています。

同様にBabylonでは、ステーカーがPoSチェーンを攻撃した場合、預けているビットコインが自動的に使えなくなる(焼却される)仕組みになっています。

この仕組みにより、Babylonでは第三者の介入を必要とすることなく、シンプルかつ安全なステーキングを実現しています。

ステーキングの柔軟性

Babylonは独自の工夫を取り入れることで、ステーキングしたビットコインの柔軟な引き出しを可能にしています。

多くのステーキングプロトコルでは、一度ステーキングした資産を引き出すのに一定時間を要するのが一般的です。これは、ステーキング期間中に資産を自由に動かせてしまうと、システムの安定性が損なわれる恐れがあるためです。

一方、Babylonではビットコインネットワークとステーキング先のPoSチェーンとの間で高度な連携技術を用いることで、この課題を解決しています。これにより、ユーザーはステーキングしたビットコインを比較的短期間でロック解除し、柔軟にステーキングの開始や停止を行うことができます。

リステーキングも開発中

当記事執筆時点(2024年6月10日)で、Babylonはビットコインのリステーキングも開発中のようです。

リステーキングは、イーサリアム(ETH)ブロックチェーン上のプロトコルEigenLayer(アイゲンレイヤー)によって考案された新しい仕組みです。すでに数多くのプロジェクトがリステーキングプロトコルの開発に取り組んでおり、仮想通貨(暗号資産)業界で話題になっています。

Babylonがリステーキングを導入することで、ビットコインホルダーにとってさらに新しい運用機会が生まれることになります。

Babylonのリスク

Babylonのリスクとして、PoSチェーンのスマートコントラクトのハッキングやバグが考えられます。

そもそもステーキングとは、プロトコルのスマートコントラクトを信用して資産を「預ける」行為です。BabylonのステーキングではPoSチェーンにビットコインを預けることになるので、PoSチェーンに起因するハッキングやバグの被害にあう可能性があります。

ビットコインは非常に堅牢なチェーンとして知られていますが、PoSチェーン側がビットコインと同じように強固なセキュリティを維持できるとは限りません。

Babylonを利用する際には、ステーキングで得られる報酬とリスクが見合うかどうかを検討する必要があるでしょう。

ビットコインステーキングの開拓者となるか

イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)のホルダーと比べると、ビットコインホルダーにとってステーキングはあまり馴染みのない概念だったかもしれません。しかし、Babylonがビットコインのステーキングを実現することで、今後普及していく可能性があります。

ステーキングにはリスクが存在するものの、資産を預けておくだけで利回りが得られる点は魅力的です。これからBabylonが順調にメインネットのローンチまで漕ぎ着けるのか、期待しましょう。


Date

作成日

2024.06.14

Update

最終更新

2024.07.02

いぶき | Ibuki

投資家、テックライター

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いぶき

元証券会社勤務。2017年から仮想通貨に投資し、バブルとどん底の両方を経験する。2020年からは海外スタートアップや仮想通貨関連のライターとして独立。海外移住が趣味で、カナダ・オーストラリア・アメリカ・オランダなどを転々としている。

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