作成日
:2023.01.30
2023.01.30 13:10
急落や暴落と呼ばれるような相場になると、決まって登場するキーワードに「セリングクライマックス」があります。こういう局面で、逆張りで買うチャンスではないかと考える方もいるかと思いますが。それは正しいのでしょうか。
今回は、セリングクライマックスの意味や具体的な事例、発生要因やセリングクライマックスを狙う手法についても解説します。
セリングクライマックスを狙うのはメリットだけでなくデメリットもあるので、トレードに生かしてみたいとお考えの方は、そうした両面をしっかり理解しつつ実践するようにしましょう。
セリングクライマックスとは、相場下落の最終局面において、価格が大きく下落することです。また直訳すると「売りの最高潮」という意味であり、文字どおりセリングクライマックスが起きると価格の下落がピークとなって、下落相場が終了することが大半です。
なお、セリングクライマックスは、投資系の記事や動画、SNSなどでは「セリクラ」と省略されることもあります。
セリングクライマックスが起きる原因には、以下の4つの人間心理による行動が深く関わっています。
相場が弱気になっている時は、人々は売りを呼ぶようなニュースに敏感になります。そのような中で、下落要因となるサプライズニュースが報道されると売りがさらに加速し、相場はセリングクライマックスに向かいます。
相場が弱気になっている場合、売りポジションを持つのが投資の基本戦略の一つです。
ファンダメンタルズ、テクニカルの両面からさらに下落すると判断した投資家の多くが順張りで売ると、相場の下落圧力も一層強くなります。
相場の下落を逆張りのチャンスと感じて買いのポジションをもつ投資家もいます。しかし思惑に反してさらに下落すると買いのポジションをもつ投資家は損切りをします。買いポジションの損切りは売り注文なので、損切りが増えると相場価格は下落するのです。
含み損に耐えて買いポジションを持ち続けていたとしても、逆行が進むと証拠金が枯渇し、強制ロスカットを余儀なくされます。買いポジションに対する強制ロスカットは売り注文なので、ロスカットが多く発生するとセリングクライマックスにつながります。
またFXはレバレッジをかけられるため、ハイレバレッジでポジションを保有していると暴落相場に巻き込まれて強制ロスカットとなる確率が高くなります。強制ロスカットの連鎖によるセリングクライマックスはFX特有の現象といえます。
実際にセリングクライマックスが起きた事例として2つ挙げられます。
2020年に端を発したコロナ禍は、相場にも大きな影響を及ぼし、2020年3月9日にはドル円相場で短時間に4円以上の暴落が発生しました。
以前から同年2月21日につけた112円台からドル円は下落を続けており、日足で陽線を何度かつけて反発したものの、リスクオフによる円買いドル売りの流れが加速して、3月9日にセリングクライマックスを迎えました。
2019年1月3日には、フラッシュクラッシュ、あるいはアップルショックと呼ばれる暴落相場がありました。米国アップル社が売上予測を下方修正したことが引き金となりましたが、ドル円相場でセリングクライマックスが発生した原因はそれだけではありません。
1月3日はまだ多くの日本人投資家は正月休みだったため、取引量が少ないタイミングを狙って仕掛け的に大規模な売り注文が入ったことが原因であるとも言われています。原因があるとはいえ、それまで弱気の地合いが続いていたドル円相場だけに、セリングクライマックスが起きる条件は整っていたといえます。
セリングクライマックスは特殊な状況なので、これを千載一遇のチャンスと見る投資家もいます。セリングクライマックスを狙う投資家が取りうる手法は主に3つあります。
セリングクライマックスが発生すると、チャートには大きな陰線が現れ、最安値をつけたローソク足から大きな下ヒゲが伸びる場合があります。ここから相場が反発し、次のローソク足が陽線となったらひとまずセリングクライマックスが終了したと判断できます。
しかしエントリーするのはまだ早く、相場が反転したかどうかをしっかりと見極める必要があります。
そこで、さらに次のローソク足にも注目します。次のローソク足が陽線なら、一旦相場が反転したと判断できます。仮にこのローソク足が陰線だったとしても、さらにその次に陽線が出るようであれば、セリングクライマックスは終了したと判断して買いエントリーをします。
最安値で買いエントリーできる可能性は低くなりますが、下落に巻き込まれるリスクを抑えつつ相場の反発に乗ることができます。2020年3月9日のドル円で起きたセリングクライマックス発生後は、①陽線、②陰線、③陽線の順にローソク足が示現し、その後相場は急騰しました。
セリングクライマックスは売りの最高潮なので、売り注文の数量もピークになり、出来高が急増します。そして、売り注文が一段落すると出来高は減ります。このような出来高の流れを利用してセリングクライマックスであるかどうかを判定するのは有効な手法です。
2019年1月3日のケースでは、1月3日にかけて出来高が増加し、それ以降は出来高が減少傾向となったことから、売り注文が一段落したことがわかります。出来高を確認して買いエントリーしていれば、その後ドル円相場に乗ることができました。
出来高の表示方法はいくつかありますが、TradingViewというチャートソフトでは、インジケーター内にある「Volume(出来高)」で出来高を表示できます。
相場には、何度も跳ね返されたことで意識されているラインがあります。直近では売りのクライマックスといえるような値動きであっても、中長期的に見ると最安値とはいえない場合、意識されているサポートライン(下値抵抗線)で反転することがあります。
サポートラインでの反転を見越して、逆張りの買いエントリーをする手法がありますが、その手法をとる際は下げ止まると見ているサポートラインにどれだけの根拠があるのかが重要です。
サポートラインとして機能している理由が明確でない、サポートとして機能した回数が少ない、また特にレートが節目となる根拠ない場合、この手法のリスクは高くなります。
セリングクライマックスを狙うメリットは、2つあります。1つ目は相場が大きく売りに偏っている局面なので反発する可能性が高く、買いエントリーで利益を狙えることです。2つ目は、セリングクライマックスが大相場であることから、うまく相場の流れに乗ることができれば順張りで大きな利益を狙えます。
しかしながら、これらのメリットには「エントリー場所を間違えなければ」という条件がつくことがデメリットです。「落ちてくるナイフをつかむな」という相場格言があるように、安易にポジションをとってしまうと大損をしてしまうリスクがあるのです。
急落、暴落をしている相場を目の当たりにすると買いたくなるものですが、まだそれがセリングクライマックスであるとは限りません。安易に手を出してしまうとさらなる下落に巻き込まれてしまう恐れもあります。
メリット、デメリットともにセリングクライマックスで利益を狙うには、エントリー場所や方法が重要です。大底を見極めるのは上級者でも簡単ではないので、特にFX初心者は安易にエントリーしないのが賢明でしょう。
セリングクライマックスを狙って安易にエントリーしてしまうと、下落相場に巻き込まれる恐れがあります。その暴落がセリングクライマックスであるかどうかは、上級者であっても正しく判断できないことは多々あります。ここでは2つの事例で初心者が安易にセリングクライマックスを狙うことの危険性を解説します。
2021年12月に発生した「トルコリラショック」では、同年10月頃から何度かセリングクライマックスを思わせる値動きがありました。
9月後半と10月中旬頃には、一度下落から反発したこともあり、買いポジションを持った投資家が多くみられました。特にトルコリラ円は、買いポジションの受け取りスワップポイントが大きかったため、日本人投資家からの人気も高く、値ごろ感で購入した投資家も多くいたようです。
しかしトルコリラ円はその後も下落を続け、最終的には6円台となり、9月の相場価格の半値になってしまいました。下落中の反発をセリングクライマックスと判断して、買いエントリーをした投資家の多くが火傷をしてしまった典型的な事例です。
2015年6月12日「チャイナショック」と呼ばれる、株式市場での暴落が発生しました。株式相場の暴落時点ではドル円への影響は軽微でした。しかし8月に入ると円高ドル安の流れが加速し、8月21日には大きく相場価格を下げて終了しました(①)。
これをセリングクライマックスと見た投資家の多くが、翌週は反発すると見て買いエントリーをしたものの、週明けにさらに大きな下落を見せてセリングクライマックスとなりました(②)。
トルコリラは新興国通貨だけに極端な値動きが起きてもあまり不思議ではありませんでした。しかしドル円のような主要国の通貨ペアでセリングクライマックスが発生したことは「主要通貨でも油断してはいけない」という教訓になりました。
作成日
:2023.01.30
最終更新
:2023.01.30
FXトレード歴7年で、海外FX業者の利用経験が豊富。テクニカル分析を用いた短期トレードが得意で、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)を取得。テクニカル分析からFX業者比較まで、FX関連の幅広い記事の執筆を行う。
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