作成日
:2022.08.10
2022.08.10 14:29
2022年8月のポンド相場は、円安要因が強いためポンド円は上目線、ポンドドルはポンド買いがやや優勢のため上目線が戦略のメインになりそうです。8月は欧米が夏休みに入るので、ボラティリティの低くなる相場の中でも影響力の強い要因を中心に解説していきます。
8月のポンド円は、上昇トレンド継続がメインシナリオです。
日銀は7月の金融政策決定会合で量的緩和の維持を発表し、必要であれば追加緩和の可能性に言及しました。
日銀と同じくマイナス金利政策を実施していたスイス国立銀行(スイス中銀)やECB(欧州中銀)は、どちらも利上げを発表し金融正常化に動いています。これで主要中銀の中で緩和政策を継続しているのは、日銀だけとなりました。金融政策の違い、金利差から円売りは継続されると予想されます。
また、円安が進んだことで輸入価格が上昇し、貿易赤字は拡大しています。貿易赤字が進むと、支払い用のドルを調達するために円を売るので、さらに円安が進みます。円安が貿易赤字を進め、貿易赤字が円安を進める悪循環になっています。
貿易赤字を解消するための政策などが出てこない限りは、この悪循環は続き、円安トレンドは変わらないと考えています。
貿易赤字が解消されるまでは、ポンド円は上目線!
7月末時点の、ポンド円日足チャートです。
7月のポンド円は166.2円を高値に、一時162円を割り込むものの調整局面が続いています。
画像引用:Tradingview
8月は上目線なので、押し目はしっかり狙いたいです。
画像引用:Tradingview
ファンダメンタルズの大きな変化がない限り、上記の価格では売りを検討しています。
上目線での売りの検討は慎重に行いましょう!
基本もみ合いですが、今後の買い要因はポンドがやや優勢です。
英国も米国も、引き締め政策を実施していることで、ポンド買い・ドル買いが進んでいます。
ただ英国と米国は、経済の強さ、金融政策、リスク要因という3つの違いから、ややポンド買いの方が優勢です。また、6月雇用統計を見ると英国に改善の傾向が見えたことから、ポンドの方が強くなる可能性を期待しています。
経済の強さは米国の方が強いのですが、現在の経済の差は織り込み済みで、ポンドと米ドルの力関係は変わらないと考えています。
織り込み済みとは、相場が好材料・悪材料の影響を既に反映している状態のことです。その材料が出現したときに相場が反応するのではなく、前もって周知されたときから相場に反映されていき、材料出現時にはその影響力がほとんどなくなっている様子を指します。
例えば、好調な経済成長率の数値が発表されたり、逆に悪化した失業率の数値が発表されたりしても、それが事前に予想されている場合は、あまり相場に影響を与えません。
次に、金融政策はFRBの方が引き締めスピード・利上げ幅共に上回っていますが、これも織り込み済みです。逆に物価上昇が予想よりも早く落ち着いた場合や、景気悪化が早く進んだ場合は引き締めを縮小させ、米ドル売りが出てくる可能性があります。
対して英国の方は、利上げ幅を完全には織り込んでおらず、利上げ幅の拡大と共にポンド買いが進む可能性が残っています。
最後にリスク要因は英国の方が多いのですが、その1つであったジョンソン首相が辞任したことでリスク要因が減り、ポンドの上値が軽くなっています。対して米国は、中間選挙を控えていることから、政治不安が高まり米ドル売りが進む可能性を考えています。
このことから、基本はポンド・米ドルどちらも買い目線なのでレンジを組むと考えていますが、パワーバランスが崩れるときはポンド買いの方に傾くと考えています。
7月末時点での、ポンドドルの日足チャートです。
ポンドドルは一旦は下落が進むものの、7月後半から大きく反発しています。
画像引用:Tradingview
しっかり下に引きつけて買うようにしてください!
画像引用:Tradingview
戻り売りを狙うか、あるいはブレイクしたら高値を追いかけるかは、ファンダメンタルズ分析も参考にしてください。
基本はもみ合いなので、中途半端なところでの売りエントリーは危険かもしれません。
8月のポンド相場に影響を与えうる要因として「Super Thursday」と「与党保守党の党首選」の2点が挙げられます。
Super Thursdayとは、年8回ある英中銀の金融政策発表のうち、4回(2・5・8・11月)の政策発表のことです。
Super Thursdayでは、金融政策と同時に今後のインフレの見通しや経済見通しをまとめた四半期インフレーションレポートも発表されます。英中銀はインフレーションレポートをもとに政策判断をすることが多いことから、Super Thursdayは重要視されています。
今回、8月4日の英中銀の金融政策発表もSuper Thursdayとして注目されており、市場予想では0.5%の利上げが予想されています。注目は金融引き締め(QT)を発表するのかと、インフレーションレポートの修正内容です。
英中銀が引き締め政策を進めた場合、ポンド買いが進む可能性があります。また、インフレーションレポートで物価見通しが上方修正された場合も、利上げ加速観測に繋がり、ポンド買いが進むと考えています。
ただ、インフレーションレポートで経済見通しが下方修正されていた場合は、スタグフレーション懸念に繋がり、株価下落でポンド売りの可能性を考えています。
英中銀の政策発表とインフレーションレポート、株価、英金利の動きに注目です。
政治リスクだったジョンソン首相が辞任して、一旦ポンドが買われました。ジョンソン首相の後任を決めるために党首選が行われ、7月20日の投票でスナク前財務相とトラス前外務相の2名が決選投票に進むこととなりました。8月はこの2名による英国全土での講演が実施されます。9月2日までに保守党党員16万人が投票し、次期保守党党首(次期首相)が決定します。
英国はブックメーカーなどを通して、どちらが優勢かなどの情報が伝わってきます。次期党首(次期首相)が見えてくると同時に、今後の政策や対EU姿勢などが見えてくることでポンドが動くと考えられます。特に対EU姿勢で強硬的な姿勢をとるようであれば、EUとの対立が生まれポンドが売られる要因となると注目しています。
8月の欧米は夏休みに入ります。欧米は夏休みをしっかりととるため、余程のことがない限りはボラティリティは低くなり、方向感を模索する展開となります。逆に、8月初めのSuper Thursdayで方向感が出てしまうと、1か月間は方向性が決まってしまう可能性もあります。方向感を変える要因としては、英国与党である保守党の党首選に注目しています。
8月はボラティリティが低くなりやすいので、影響力の強いファンダメンタルズ要因の分析が重要になります!
作成日
:2022.08.10
最終更新
:2022.08.10
英ポンドを中心にトレードを行う大学生トレーダーで、2021年の合計利益は4,000万円にのぼる。公式Twitterでもテクニカル分析等の情報発信を行い、フォロワー数は5,000人以上。ファンダメンタル分析とテクニカル分析を組み合わせた手法を用い、Myforexでは月初にポンド通貨ペアの戦略を連載している。
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