Select Language

ゴールド今週の見通し:ゴールドと米国債利回りの逆相関が継続

ゴールド今週の見通し:ゴールドと米国債利回りの逆相関が継続

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.09.02 11:10
ゴールド今週の見通し:ゴールドと米国債利回りの逆相関が継続

update 2021.09.02 11:10

  • ゴールドは直近5週間の最高値水準である1,750ドル超を記録
  • 米国債利回りの低下がゴールド価格上昇を支援
  • 50日移動平均線を越えると1,785ドルが視野に

先週初めはイースター休暇で取引が乏しく金融市場全般が穏やかで、ゴールド(XAU/USD)は狭いレンジでの推移となった。6日には米国債利回りが大きく低下し、これが米ドルの上値を抑えるとともにゴールド価格の上昇を支援した。その後、7日に重要なレジスタンスラインである1,745ドルを超えられずにいたが、翌8日に米国10年国債利回りが3.7%低下すると、ゴールドの上昇に弾みがついた。しかし、今年3月初旬以来の高値である1,758ドルに達すると9日には反落し、1週間でおよそ1%の上昇となる1,750ドルを下回る水準で取引を終えた。

先週の相場環境

5日に米供給管理協会(ISM)が発表した非製造業総合景況指数によると、3月は2月の55.3から上昇し、63.7となった。これは市場予想の58.5を大きく上回る数字であり、米国のサービス業が過去最大のペースで拡大していることが示された。これを受けて先週初めのマーケットはリスクオンで反応し、S&P500が史上最高値を更新するとともに、米ドルは伸び悩んだ。

その後、主だった経済指標発表が乏しい中、6日の米国10年国債利回りは続落するとともに、ドルインデックスも7日に落ち着きを見せるまで下落を続け、直近2週間の安値を記録した。

7日に公表された3月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によると、経済見通しサマリー(SEP)でタカ派色がわずかに強まったものの、「多くの参加者は、量的緩和策(QE)縮小実施は経済次第であり、それに先立ってその道筋を市場にしっかり伝えることが重要だと強調」しており、FOMCのメンバーは経済回復を支援するために既存の政策を維持することに概ね同意したことが示された。

8日に行われた国際通貨基金(IMF)の会議の席上、FOMCのパウエル議長は、インフレーションに対応する伝統的な手法は政策金利引き上げだと認めた上で、物価の一時的上昇は継続的なインフレーションを意味しないと改めて強調した。パウエル議長がインフレ懸念を否定したことにより、米国債利回りは押し下げられるとともにゴールド価格上昇が継続した。

また、米労働省労働統計局が9日に発表した卸売物価指数(PPIコア指数)によると、3月は前年同月比2.5%増から3.1%増へと上げ幅を広げた。

今週の経済指標

13日(火曜日)、3月分の米国消費者物価指数(CPI)が公表される。市場予想では、食料とエネルギーを除くコアCPIは2月の1.3%から増加し、1.5%になると見込まれる。なお、米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレーション指標としてPCEデフレーターを使用しているが、市場予想を超える数字が出れば米国債利回りの上昇を促し、米ドル上昇を支援する可能性がある。

15日(木曜日)には、小売売上高が公表される。2月の3%減に対して3月分の市場予想は4.7%増であり、より良い数字が出れば米国株上昇に弾みがついて米ドルの上値を抑える可能性がある。また、週末前にユーロ圏のCPIと中国の第1四半期国内総生産(GDP)が公表される予定となっており、これらの数字によっては相場が動く可能性がある。

以上の通りであるが、1週間を通してゴールドは主に米国債利回りに影響される見通しである。

テクニカル分析

ゴールドは8日に上昇した後、50日移動平均線の1,760ドル付近で強いレジスタンスラインに上昇を抑えられている。9日に下げに転じたものの、20日移動平均線付近の1,731ドルで勢いを失い、週末時点で今年1月高値を起点とするフィボナッチ・リトレースメントの23.6%である1,745ドル付近に位置している。

また、RSIは50よりも上で推移しており、ここでも売り圧力の弱さを確認できる。

既に指摘した通り、1,760ドルに最初のレジスタンスラインがあり、この水準を日足の終値で超えると、さらに上昇してフィボナッチ・リトレースメント38.2%に相当する1,785ドルを目指す展開を期待できる。その一方、1,745ドルよりも下で推移し、この水準でレジスタンスラインが意識されると、20日移動平均線である1,731ドルや静的レジスタンスラインである1,720ドルを試す動きになる可能性がある。

ゴールドのテクニカル分析

FXStreet提供: 2021.04.09.JST19:58


Date

作成日

2021.04.12

Update

最終更新

2021.09.02

FXStreet

金融メディア

arrow
FXStreet

FXに特化した情報サイトであり、24時間体制でFXの相場分析やニュース記事を配信している。
自社の編集チームが執筆した記事に加え、著名なアナリストからの寄稿も多数。
スペイン出身のエコノミストであるフランセスク・リベロラ氏が2000年に創設し、世界的に有名な情報サイトに成長した。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

FXGTの特徴は?仮想通貨サービスが充実の海外FX業者!

海外FX業者FXGTは、FXと仮想通貨のハイブリッド取引所として知られているブローカーです。豪華なボーナス、ハイレバレッジなど様々な特徴がありますが、特に仮想通貨関連のサービスが充実しており、FX・仮想通貨トレーダーの人気を集めています。
update2025.07.25 19:00

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.06.12 20:00

ビットフライヤーからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間も解説

Myforex編集部では、実際にビットフライヤー(bitFlyer)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。とても簡単でわかりやすく、初心者の方でも安心して利用できるサービスでした。この記事では、実際に送金してみた感想やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.06.26 19:30

高値更新のBTCでVantageが500倍レバレッジを解禁!業界最高水準の取引環境を提示

海外FX業者のVantage Tradingが、BTCUSDとETHUSDのレバレッジを500倍に引き上げることを発表しました。主要な海外FX業者のレバレッジ・スプレッドを比較し、Vantage Tradingがどのようなトレーダーに向いているのかを説明します。
update2025.06.20 19:00

Titan FXならドル円のスプレッドが本当にお得?実は取引手数料に落とし穴

Myforex編集部では、2024年11月20日〜2025年2月20日の3ヶ月間にわたり、Titan FXのドル円スプレッドを1分単位で独自調査。その結果、意外にもスタンダード口座の方がコスト面で優れている時間帯があることが判明しました。
update2025.06.16 19:30

初めてのバックテストでも安心!MT5ストラテジーテスターの使い方ガイド

MT5のストラテジーテスターでは、バックテストによりEAのパフォーマンスを確認できます。バックテストの開始手順や注意点を解説します。
update2025.06.17 19:00

BigBossがiOS版アプリ「Trends」を正式公開!操作感そのままでサクッと取引可能に

2025年6月、海外FX業者のBigBossがiOS版「Trends」アプリを正式公開しました。操作感は旧アプリのままで、デラックス口座をアプリ上でカスタマイズできます。本記事では新アプリの特徴や変更点などを深掘りします。
update2025.06.18 19:00

またコピトレ詐欺か?WeekendFXにAmazingTick型の詐欺疑惑

WeekendFXのコピートレードに参加したユーザーが、「出金できなくなった」と次々に声を上げ始めています。AmazingTickの詐欺事例との類似点も多く、同じ手口のコピトレ詐欺なのではないかという疑惑が持ち上がっています。
update2025.06.23 19:00

【速報】イラン・イスラエル停戦報道でビットコイン反発、一時10万6,000ドル突破

2025年6月23日、トランプ大統領がイラン・イスラエル間の停戦を自身のSNSで発表しました。これにより中東での地政学リスクが後退し、ビットコイン(BTC)の価格は一時10万6,000ドルまで急反発しました。
update2025.06.24 19:00

マイナー指数×高レバ取引が可能に!Vantage Tradingがアジア・欧州の株価指数を追加

VantageTradingは、2025年6月よりIND50やCHINAHなどのアジア・欧州系株価指数CFDを新たに4銘柄追加しました。主要海外FX業者の株価指数取引条件を比較しながら、どのようなトレーダーにとって最適な環境なのか解説します。
update2025.06.27 19:00
FXONのビットコインスプレッドはどこまで有利か? FXONのビットコインスプレッドはどこまで有利か?

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル
close
キャンペーン
今すぐ申請

次回から表示しない