Select Language

Bybitがレバレッジトークンをリリース!現物取引でレバレッジが可能に

Bybitがレバレッジトークンをリリース!現物取引でレバレッジが可能に

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2023.04.01 20:34
Bybitがレバレッジトークンをリリース!現物取引でレバレッジが可能に

update 2023.04.01 20:34

2022年4月20日、Bybit(バイビット)がレバレッジトークンのサービスを開始しました。このサービスを利用すると、「レバレッジのかかった金融商品を現物取引で購入する」という形でレバレッジ利用が可能になります。

現物取引の形式で購入するため、強制決済のリスクがなく、シンプルでわかりやすいというメリットがあります。一方、「リバランス」という仕組みにより値動きは複雑になります。

Binance(バイナンス)などがすでにサービスを提供しており、Bybitは後を追う形となったこのサービス。仕組みやリスク、取引方法などを紹介します。

Bybitのレバレッジトークンとは

レバレッジトークン

レバレッジトークンとは金融商品の一種で、その名の通り、レバレッジを効かせたトークンです。最大の特徴は、現物取引の形式で保有する点です。

値動きの特徴

例えば、レバレッジ3倍のトークンの場合、ビットコイン(BTC)価格が1%値上がりすると、トークンの価格は3%値上がりします。そして、逆も同様です。これを図で確認しますと、下の通りです。BTC/USDTの値動きの3倍になっている様子が分かります。

BTC3L

Bybitでは、このトークンの名称はBTC3Lとなっています。すなわち、BTC/USDTの値動きが3倍になるトークンです。名称の最後にあるLは、買い(=long)を意味します。

なお、レバレッジトークンには、BTC/USDTの価格が下がると上昇する金融商品もあります。そのイメージは下の図の通りです。BTC/USDT価格が下落すると、その3倍の上昇になっている様子が分かります。

BTC3S

Bybitでは、このトークンの名称はBTC3Sとなっています。すなわち、BTC/USDTの値動きの逆方向に3倍になるトークンです。名称の最後にあるSは、売り(=short)を意味します。

トークン名称 BTC上昇時 BTC下落時
BTC3L 上昇 下落
BTC3S 下落 上昇

BTC3L

BTC上昇時 上昇
BTC下落時 下落

BTC3S

BTC上昇時 下落
BTC下落時 上昇

一般的な現物取引では、取引対象のトークン価格が上昇すると利益になり、逆に価格が下落すると損になります。しかし、レバレッジトークンの場合は、BTC/USDTが下落すると利益になる取引も可能です。

さらに、レバレッジトークンは現物資産ですから、無期限契約取引のように証拠金を用意する必要もなければ、強制決済に遭うリスクもありません。現物取引に似た手軽さで、積極的に利益を狙える金融商品です。

無期限契約取引との違い

レバレッジトークンと無期限契約取引の違いは、以下の通りです。

レバレッジトークン 無期限契約取引
証拠金 不要 必要
レバレッジの倍率 2倍〜4倍に収まるよう
自動調整
自分で設定
強制決済 なし あり
取引の種類 現物取引 デリバティブ取引
適している相場 一方向に強く動く相場 ボラティリティの高い相場

証拠金

レバレッジトークン 不要
無期限契約取引 必要

レバレッジの倍率

レバレッジトークン 2倍〜4倍に収まるよう自動調整
無期限契約取引 自分で設定

強制決済

レバレッジトークン なし
無期限契約取引 あり

取引の種類

レバレッジトークン 現物取引
無期限契約取引 デリバティブ取引

適している相場

レバレッジトークン 一方向に強く動く相場
無期限契約取引 ボラティリティの高い相場

レバレッジトークンは証拠金が不要なため、デリバティブ取引が難しいと感じる人にとって選択肢になります。

point 証拠金が必要ない仕組みは?

レバレッジトークンの取引では、通常の現物取引と同様に購入価格が決まっており、その価格で購入すると、現物ウォレットから購入額が差し引かれます。デリバティブ取引で発生する可能性のある損失リスクを、取引開始時にあらかじめウォレットから差し引く仕組みなので、強制決済が発生しないのです。

もしレバレッジ3倍でデリバティブ取引を行う場合、価格が33%下落すると強制決済されて、証拠金が0になります。しかし、レバレッジトークンは強制決済がないため基本的には0にならず、再度値上がりした際には利益を得ることも可能です。

さらに、相場が期待通りに動いた場合は、デリバティブ取引をしたときよりも高い利益を出すこともできます。

リバランス機能

レバレッジトークンの基本のレバレッジ倍率は、3倍です。そして、2倍~4倍の範囲を外れると、3倍に戻るように調整されます。この調整をリバランス機能と呼びます。

例えば、自分が買い持ちしているレバレッジトークン価格が上昇すると、含み益が増えて投資元本が増加します。すると、レバレッジが小さくなりますので、ポジションを追加してレバレッジを3倍に戻します。含み益になるとポジションを追加、すなわちピラミッディングを自動で実行します。

逆に、自分が買い持ちしているレバレッジトークン価格が下落する場合、含み損が増えて投資元本が減少します。すると、レバレッジが高くなりますので、ポジションを減らしてレバレッジを引き下げます。その後に価格が反転上昇すれば、含み益になる可能性があります。

リバランス機能
point 現物取引でレバレッジをかけられる理由

ユーザーは現物取引でレバレッジトークンを買います。そして、そのレバレッジトークンは、Bybitが別途実行しているデリバティブ取引の値動きを反映します。この2段階の仕組みにより、現物取引でレバレッジの利用が可能となります。

購入金額は数ドル~数十ドル

レバレッジトークンには、レートを参照している仮想通貨そのものとは異なる独自の価格が設定されています。ビットコインのレバレッジトークンの場合、値動きはビットコイン価格と概ね連動しますが、上記のリバランス機能のため、完全には一致しません。

2022年5月時点では、ビットコインのレバレッジトークンは1枚数ドル~数十ドル(USDT)の価格帯で推移しています。

レバレッジ取引のメリット・デメリット

どのような金融商品にも、メリットとデメリットがありますので、確認しましょう。

短期取引に向いている

リバランス機能を踏まえますと、レバレッジトークンは一方向に強く動く相場で有効だといえます。リバランスの際にポジションを追加しますので、通常のデリバティブ取引よりも大きな利幅を得られます。

大きく上下動する相場は難しい

逆に、荒れた相場には向いていません。

例えば、価格が大きな上昇や下落を繰り返し、数日後に購入時の価格に戻る場合、通常のデリバティブ取引の収支はゼロです。しかし、レバレッジトークンにはリバランス機能があります。相場が乱高下する中でリバランスが発生した場合、トークンと紐づいているポジションの量が購入時から増減します。これにより、仮に価格が購入時と同じ水準に戻ったとしても、レバレッジトークンを買っていた場合は損失が出る可能性があります。

point リバランスが間に合わない場合も

急激な価格変動が起こった場合にはリバランスが間に合わず、純資産が0になる可能性もあります。レバレッジトークンを購入する際は、これらの特徴をよく理解しておく必要があります。

自動でリスク調整してくれる

リバランス機能により、価格が不利になったときはトークンと紐づいているポジションの量が減り、有利になったときは増えます。

これは、自動で損切りや買い増しをしていることになります。このため、デリバティブ取引のリスク管理が苦手な人には向いている商品といえるでしょう。

レバレッジトークンの購入価格以上のリスクが発生する可能性もありません。

フロントランニングに弱い可能性

一般的に、フロントランニングとは「取引所等が顧客から注文を受けた際、顧客の注文を執行する前に、先回りして自社の取引をすること」を指します。今回の場合は少々意味が異なり、「アルゴリズムがリバランスを利用して稼ぐこと」を指します。

例えば、BTC/USDT価格が大きく上昇し、レバレッジトークンで大幅なリバランスが起きるとします。すなわち、レバレッジ調整のためにポジション数量が大きく動きます。アルゴリズムがその瞬間を狙って先に売買すれば、利食いを狙えるかもしれません。これがフロントランニングです。

フロントランニングが大規模に起こると、リバランスする際に不利な価格で約定させられます。このため、Bybitは、フロントランニングが起きる場合にレバレッジトークンの取扱いを停止する可能性がある旨を告知しています。

フロントランニングはレバレッジトークン特有のリスクとなっています。

レバレッジトークンの取引方法

以下、レバレッジトークンを購入する手順を解説します。

手順1

画面上部のバナーにある「現物」にカーソルを合わせます。プルダウンメニューが表示されますので、「現物取引」にある「レバレッジトークン」をクリックし、銘柄を選択します。ここでは、例としてBTC3Lを選択します。

Bybitレバレッジトークン購入方法 Bybitレバレッジトークン購入方法

手順2

初めてレバレッジトークンの取引画面を開く場合は、リスクを知らせるポップアップが表示されます。「レバレッジトークンのリスクを受け入れて、利用を始める」をクリックします。

Bybitレバレッジトークンリスク警告

手順3

トークンの購入手順は、他の現物資産を購入するときと同じです。画面右の注文画面で買いを選択し、指値注文か成行注文かを選びます。指値注文の場合は購入する価格と数量を、成行注文の場合は数量を入力し、「BTC3Lを買う」をクリックします。なお、レバレッジトークンの最小購入数は10枚です。

Bybitレバレッジトークン購入画面 Bybitレバレッジトークン購入画面

手順4

最後に注文の確認画面が現れるので、「BTC3Lを買う」をクリックすれば取引完了です。

Bybitレバレッジトークン購入完了画面

取引前に仕組みを理解しよう

レバレッジトークンは、現物取引の形式でありながらレバレッジをかけた状態で取引ができる金融商品です。証拠金や強制決済を気にすることなく取引できるため、仕組みはシンプルです。

しかし、仮想通貨の値動きにある程度連動はしますが、リバランスの影響により値動きの予想がしづらい傾向があります。

レバレッジトークンの恩恵を受けられるのは、主に短期のトレンド相場です。長期保有すると、レバレッジトークンはクセがありますので、取引前に仕組みを理解することが大切です。


Date

作成日

2022.05.30

Update

最終更新

2023.04.01

こば

暗号資産ライター

arrow
こば

暗号資産の短期トレードから始めるも、中長期的に堅実に稼ぐステーキングやイールドファーミングに切り替える。
日本ではまだ認知が広まっていない暗号資産の投資手法をいち早くキャッチすることが得意。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Bitgetローンチプールに仮想通貨SPARKLETが登場!参加方法やUplandの独自トークンについて解説

2024年7月23日、Bitget(ビットゲット)は、仮想通貨SPARKLETをローンチプールの対象銘柄にすると発表しました。SPARKLETは、没入型レイヤー1ゲームプラットフォーム「Upland」の独自トークンです。
New
update2024.07.26 19:00

FBTCとは?Ignitionによるビットコインの可能性を広げる仕組みや将来性を解説

FBTCは、ビットコイン(BTC)に1:1でペッグされたクロスチェーン対応の仮想通貨(暗号資産)です。様々なブロックチェーンに対応し、DeFiプロトコルでの運用を可能にすることで、ビットコインの有用性の向上を目指しています。
update2024.07.25 19:30

メタマスク以外の仮想通貨ウォレットは?ウォレットの種類や選び方を解説

仮想通貨ウォレットの代表格として有名なのがメタマスク(MetaMask)です。メタマスク以外にもさまざまな仮想通貨ウォレットが存在し、それぞれに特徴があります。当記事では、メタマスク以外の仮想通貨ウォレットの種類や特徴、選び方などについて解説します。
update2024.07.25 19:00

Land PrimeがOlympic限定100%入金ボーナスを開催!

Land Primeが、パリオリンピックの開催を記念して100%入金ボーナスを開催します。キャンペーン期間は、2024年7月26日から8月11日までの約2週間です。受け取れる最大ボーナス金額は日本のメダル獲得数によって決まる独自のルールとなっています。
update2024.07.24 20:30

FXDDが経営体制の移行を発表、数週間以内に手続きを完了予定

海外FX業者のFXDDが経営陣の交代を発表しました。FXDD Trading SACの所有権が、888 Marketsグループに移管されることになります。移行に関連する手続きは数週間で完了する見込みです。
update2024.07.24 20:00

TradingViewのオーダーブック(板情報)の特徴と表示方法を解説

TradingViewのオーダーブックには、特定の価格帯における注文数が表示されます。板情報として表示されるため、TradingViewにデータを配信する証券会社を利用することで、板読みの取引手法に利用できます。
update2024.07.24 19:30

Bybitローンチプールに仮想通貨ZKLが登場!参加方法やzkLinkの独自トークンについて解説

2024年7月18日、Bybit(バイビット)は、仮想通貨ZKLをローンチプールの対象銘柄にすると発表しました。ZKLは、ブロックチェーンの相互運用性と流動性の断片化問題の解決を目指すプラットフォーム「zkLink」の独自トークンです。
update2024.07.23 20:00

Zoomexが現物取引手数料無料キャンペーンを開催!新規ユーザー限定で30日間の手数料が還元

海外取引所のZoomexが、新規ユーザー限定で現物取引手数料無料キャンペーンを開催しました。開催期間は、2024年8月12日午前9時(日本時間)までです。Zoomexの現物取引手数料無料キャンペーンの内容や参加方法、注意点などを解説します。
update2024.07.23 19:30

テザー(USDT)での入金・出金に対応しているFX業者は?チェーンの違いに注意!

テザー(USDT)はトランザクション手数料も安く、送金に対応している海外FX業者や仮想通貨取引所が多いため、海外FX業者への送金にも便利に利用できます。ただし、送金するチェーンを間違えないようにするなど、ビットコインの送金よりも少し注意が必要です。
update2024.07.19 20:30

Bybitローンチプールに仮想通貨A8が登場!参加方法やAncient8の独自トークンについて解説

2024年7月17日、Bybit(バイビット)は、仮想通貨A8をローンチプールの対象銘柄にすると発表しました。A8は、ゲーム特化のレイヤー2ブロックチェーン「Ancient8」の独自トークンです。
update2024.07.19 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル