作成日
:2026.05.22


2026.05.22 08:01
21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は一時159.34円まで上昇した。「イランの最高指導者がウランをイラン国内に留め置くよう命じた」との報道で、原油先物価格が102ドル台半ばまで上昇したことに影響された。ただ、イラン高官がこの報道を否定し、原油価格が95ドル台後半まで下落すると158.82円付近まで下げた。ユーロドルは1.1576ドルまで下落後、原油価格の反落により1.1630ドル付近まで持ち直した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、4月の全国消費者物価指数(CPI)を見極めた後は、数時間以内に発表される見込みと報じられている米・イラン和平合意の最終草案を待つ展開となる。
8時30分に発表される4月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)は前年比+1.7%と予想されており、3月の同+1.8%から伸び率鈍化が見込まれている。また、CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)は前年比+2.2%と予想されており、3月の同+2.4%から同じく伸び率が鈍化する見込み。
物価の川上段階が示される4月の企業物価指数は、前年比+4.9%と3月の同+2.9%から急上昇し、前月比でも+2.3%の急上昇だった。電気代やガス代の上昇は、資源価格が上昇したことよりも、政府が実施していた補助金が4月に縮小されたことによるところが大きい。
また、ナフサが前月比+83.2%と急上昇しており、他の石油化学製品にも波及していた。ホルムズ海峡封鎖を受けた輸入コスト転嫁だけではなく、供給不安や在庫確保の動きも価格上昇に影響した可能性が高く、今後の川下段階への波及に警戒しておきたい。川下段階のCPIは、今後の物価上振れリスクを意識せざるを得ないことで、来週発表される4月の生鮮食品と特殊要因を除いたCPIを待つことになる。
イラン側は、米国の提示案はある程度の隔たりを縮めるものだ、として前向きな見解を表明している。そして、モジタバ・イラン最高指導者が、高濃縮ウランを国外に出さないように指示したとの報道があったものの、イラン高官がこの報道を否定し、「パキスタンの仲介により、米イラン合意の最終草案がまとまり、数時間以内に発表される見込み」とも報じられている。一方で、トランプ米大統領は、イランが保有する高濃縮ウランを回収して破壊する、と述べており、両者の溝は埋め切れていない。
長期化する可能性があるイラン戦争を受けた原油価格の上昇は、日本銀行の利上げ観測を高めているが、高市政権は物価高対応のための補正予算編成を検討している。6月日銀金融政策決定会合での利上げ観測(金融引き締め)と補正予算(財政出動)という相反する金融・財政のポリシー・ミックスの着地点を模索していくことになる。
6月15-16日の日銀金融政策決定会合では、4月会合で利上げを主張した3名(中川委員、高田委員、田村委員)に加えて、増委員と小枝委員も利上げに前向きな発言をし、5名が利上げを主張する公算が大きい。そして、パリでのG7財務相・中央銀行総裁会議で、ベッセント米財務長官が植田日銀総裁に利上げを要請したことで、6名対3名による利上げ決定の可能性が高まっている。なお、翌日物金利スワップ(OIS)市場は、6月日銀金融政策決定会合での利上げを80%程度織り込んでいる。
(山下)
DZHフィナンシャルリサーチ提供: 2026.05.22
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作成日
:2026.05.22
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最終更新
:2026.05.22
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