作成日
:2026.03.16


2026.03.16 08:01
先週末の海外市場でドル円は、原油先物が再び上昇傾向を強めると、株安とドル高が進行し一時159.75円と2024年7月以来の高値を更新した。米経済指標の上振れや米金利上昇も相場の支援材料となった。ユーロドルは一時1.1411ドルと昨年8月1日以来の安値を更新した。
今週の為替市場は、引き続きイラン情勢の行方を見極めながらの神経質な展開が見込まれる。また、日本、米国、英国、豪州、カナダ、スイスなど主要国の中央銀行が政策金利を発表する予定となっており、金融政策イベントが相次ぐ重要な週となる。さらに日米首脳会談も予定されており、為替市場に与える影響が注目される。加えて、ドル円は2024年以来となる160円台が視野に入ってきていることから、本邦通貨当局の動向にも市場の関心が集まりやすい局面にある。
イベントが多く控えるなか、本日は比較的材料に乏しい「谷間」の日となる可能性が高い。ドル円は心理的節目である160円を目前に控え、口先介入に加えて実弾介入への警戒感が意識されやすく、上値追いには慎重な見方も根強い。ただ、先週は国際エネルギー機関(IEA)加盟国が石油備蓄の放出を決定し、米政府も対ロシア制裁の一部緩和に動いたにもかかわらず、週末に米国がイランの原油輸出の約9割を担う重要拠点カーグ島を攻撃したことで、原油先物価格は週明けも上昇している。エネルギー価格の高止まりはインフレ懸念を通じて米金利上昇圧力を意識させやすく、為替市場ではドル買い・円安方向に傾きやすい環境が維持されている。
トランプ米大統領は当初、短期決着を見込んでいたとみられるが、足もとの市場環境はむしろ大統領が避けたい状況が同時に進行している。具体的には、①原油先物価格の上昇、②株価の下落、③連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ停止、④長期金利の上昇、⑤ドル高の進行の5点である。これらはいずれもトランプ政権運営への逆風となり得る。
こうした流れを抑える狙いもあり、トランプ大統領は先週9日のオセアニア・アジア時間に原油価格の急騰とドル高が進んだ局面で「イランでの戦争はほぼ完了している」「戦争は近く終結する可能性がある」と発言し、早期終結の可能性に言及した。ただ、イラン側は徹底抗戦の姿勢を崩しておらず、トランプ政権関係者やイスラエル側からも戦闘が数週間続く可能性が示唆されている。明確な落としどころが見えないまま戦闘が長期化するリスクは依然として高く、結果としてエネルギー価格の高止まりを通じてドル相場を下支えする要因となりやすい。
もっとも、ドル円の上昇局面では日本当局による為替介入の可能性も無視できない。仮に口先介入や実弾介入が実施された場合、短期的にはドル高の勢いが鈍化する場面も想定される。ただし、原油先物取引がドル建てで行われているように、エネルギー価格の上昇局面では決済通貨としてのドル需要が高まりやすく、構造的にはドル買い圧力が残りやすい。
また、近年のドル高の進行をみると、日本円や一部アジア通貨に対しては上昇ペースが速い一方、欧州通貨やオセアニア通貨に対しては相対的に緩やかな動きにとどまっている。これは、アメリカ同時多発テロ事件のように、単一の通貨が急激かつ大幅に変動する局面とは性質が異なり、為替市場全体のリスク回避の度合いが限定的であることを示唆している。
さらに、今回の軍事行動は米国が同盟国の十分な合意を得ないまま進めた側面も指摘されており、国際的な協調体制の形成は必ずしも容易ではない。結果として、日本など一部の国を除き、各国が米国と足並みを揃えることは難しく、為替市場でも地域ごとの温度差を伴った動きが続く可能性がある。
(松井)
DZHフィナンシャルリサーチ提供: 2026.03.16
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作成日
:2026.03.16
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最終更新
:2026.03.16
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