作成日
:2026.06.05


2026.06.05 08:01
4日のニューヨーク外国為替市場で、ドル円は、米国務省が「イスラエルとレバノンの両政府が停戦履行で合意」と発表すると、中東情勢への警戒が薄れてWTI原油先物相場が一時91ドル台後半まで下落し、全般ドル売りが先行したことから、一時159.75円付近まで下落。アジア時間に付けた日通し安値159.61円が目先サポートとして意識されると160.04円付近まで買い戻されたが、政府・日銀による為替介入への警戒感も根強く、オセアニア時間に付けた日通し高値160.08円を上抜けることは出来なかった。ユーロドルは原油先物相場の下落によるドル売りを受けて一時1.1645ドルまで上昇するも、買い一巡後はじりじりと上値を切り下げた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、東京時間は手がかりとなる材料に乏しいことや、NY時間に発表される5月米雇用統計に市場の関心が集まっていることから、中東情勢を気にしつつも手控えムードが広がりやすいかもしれない。
まず、米・イランを始めとした中東情勢について、日本時間4日朝に「レバノンとイスラエルが停戦実施で再び合意」と報じられたが、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは停戦を拒否したほか、イスラエルはレバノン南部への攻撃を継続するなど、早くも停戦の実効性が問われている。事態が悪化する場合は米・イランの和平協議への影響が懸念され、有事のドル買いと共に原油価格の上昇が意識されやすいと見る。イスラエル・レバノン・ヒズボラの三者が停戦を履行できるか注視したい。
米国では3日に米下院で、議会が承認するまでイラン戦争の停止を求める民主党主導の戦争権限決議案が可決された。決議案の発効には上院での可決も必要で、ほぼ確実視されるトランプ氏の拒否権を覆すには上下両院で3分の2の賛成を確保する必要がある点を踏まえると、ハードルは高い。しかし、今年秋に中間選挙を控えるトランプ氏に圧力が掛かる格好となっており、米・イランの対立長期化はトランプ政権にとってマイナス要因である。
また、イランにとっても現状の長期化は、主力輸出品である原油の輸出がストップすることで経済に深刻な打撃を与えていることも見逃せない。両国にとって現状は消耗戦の様相を呈する中、戦闘終結に向けた暫定合意の覚書の締結までたどり着けるか、引き続き見守りたい。なお、トランプ米大統領の発言が二転三転していることを踏まえると、イラン側の発言と合わせて事態の進展を見極める必要があるだろう。
本邦では、15-16日に予定されている日銀の金融政策決定会合での利上げ観測が高まっている。昨日「日銀が6月会合で利上げを検討、年内追加利上げの可能性も」と報じられたことで、円が買われる場面が見られた。3日に植田日銀総裁が講演で中東情勢の影響を巡り物価上振れリスクをより警戒する姿勢を示したことと合わせ、市場では6月会合での利上げが意識されたようだ。
ただ、円買いが一時的となった背景として、市場では年2回の利上げがすでに織り込まれており、インパクトに欠けるとの見方もある。会合まで2週間を切っており、引き続き関連報道に注意を払いたい。
なお、東京時間には4月毎月勤労統計が発表予定であるが、市場が日銀の6月利上げを意識して動いていることもあり、材料視されにくいと見られる。
昨日のドル円は159円台での底堅さを確認すると160円台に乗せて終えたが、本邦金融当局者から円安けん制発言は伝わってこなかった。しかし、中東情勢の一段の緊迫化や強めの米雇用統計が発表されるなどしてドル円が上値を試す場面では、否応なく介入警戒感が高まることになりそうだ。もし金融当局者のけん制発言が伝わった場合、「断固たる措置」などの強い口調で警戒感を示すか確認しておきたい。
(川畑)
DZHフィナンシャルリサーチ提供: 2026.06.05
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作成日
:2026.06.05
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最終更新
:2026.06.05
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