作成日
:2026.01.19


2026.01.19 13:26
週末にトランプ米大統領が、米国のグリーンランド領有に反対する欧州8カ国の輸入品に10%の追加関税を掛ける方針を表明した。この報道で、週明け早朝のユーロは対ドルで1.1573ドル、対円で182.63円まで下落。また、8カ国には英国も含まれていることでポンドも対ドルで1.3331ドル、対円で210.63円まで弱含んだ。本日の欧州時間は、この新たな関税賦課に対する欧米関係の動向を見定めることになる。
デンマークのフレデリクセン首相はSNSで、関税脅迫に対する対応を他の欧州首脳とともに検討する中で、「欧州は脅迫されない」と述べている。貿易不均衡の問題とは全く異なり、領土の譲渡要求を欧州各国が受け入れることはないだろう。欧米関係の悪化による欧州通貨売りも懸念されるが、それよりも米国・ドルに対しての信認度の低下の方が大きくなりそうだ。
欧州通貨売りよりもドル売りになるのは、複数の観点から挙げられる。1つ目としては欧米関係の悪化は、米国の国際的な影響力が低下し、同国の株先物安・債券安・ドル安というトリプル安に繋がりやすいことだ。更に、トランプ米大統領が目論む中国の国力低下と正反対な動きになりやすい。
米国は余りにも無理難題を押し付けることで、圧力の対象国は米国との交渉をあきらめ、中国などの他国依存に傾く傾向にある。昨年の中国貿易黒字は1兆1889億ドルと初めて1兆ドルを超え、過去最高を記録した。これを見れば、トランプ大統領の目論見とは真逆なことが起きているのは明らかだ。欧州諸国としては、北大西洋条約機構(NATO)の解体は避けたいだろうが、領土譲渡などは受け入れるはずはないだろう。
また、先週カナダのカーニー首相は訪中し、習近平・中国国家主席と両国間の関係改善推進や経済協力の強化で一致した。カーニー氏は「持続可能な戦略的パートナーシップを構築していきたい」と述べていおり、隣国のカナダですら米国依存からの脱却に舵を切りつつある。トランプ政権がこれ以上のドンロー主義を進めた場合、国際的には中国を更に優位にさせるだけで、米国にとってプラス面は少ない。
2つ目は、トランプ関税が違憲とされる可能性があること。米連邦最高裁判所が次の意見公表日を今週20日に設定し、同日にトランプ関税について判断を下す可能性がある。議会の承認なしに一方的に関税を課したという事実について、リベラル派判事だけではなくトランプ大統領が指名した保守派の判事からも、(大統領の政治的立場に基づいて連邦政府の法的立場を弁護する)ザウアー訟務長官を厳しく追及している。欧州に対する追加関税どころか、これまでのトランプ関税も違憲とされれば、欧州側への圧力も減退せざるをえない。
3つ目は、トランプ政権が国外だけではなく、国内情勢でも混迷を深めていること。移民税関捜査局(ICE)がミネソタ州で女性を殺害したことで、抗議活動が全米各地で広まっている。しかしながら司法省は、ICEの業務を妨害しようとした疑いで、ミネソタ州のウォルズ知事(ハリス民主党大統領候補の時の副大統領候補)とフレイ・ミネアポリス市長の捜査に着手した。政権は米連邦準備理事会(FRB)の独立性を踏みにじっただけでなく、政敵に対しても司法を操っているようだ。トランプ米大統領に対する非難の声が増し、支持率は非常に低いまま。今年の中間選挙で共和党が敗北する可能性が高く、トランプ政権がレームダック化することも予想される。
なお、本日の経済指標ではユーロ圏の消費者物価指数(HICP)が発表されるが、改定値ということもあり、よほど速報値から修正幅が大きくはならない限り市場の反応は鈍そうだ。なお、本日の米国市場はキング牧師の誕生日で休場となる。
・想定レンジ上限
ユーロドル:日足一目均衡表・雲の上限1.1661ドル。
・想定レンジ下限
ユーロドル:11月28日安値1.1556ドル。
(松井)
DZHフィナンシャルリサーチ提供: 2026.01.19
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作成日
:2026.01.19
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最終更新
:2026.01.19
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