作成日
:2025.09.05
2025.09.06 04:04
昨日の海外市場でドル円は、8月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が予想を下回ると円買い・ドル売りが先行し148.07円付近まで値を下げた。ただ、8月米ISM非製造業景況指数が予想を上回ると148.78円まで上昇した。ユーロドルは1.16ドル前半から半ばでもみ合った。
本日の東京時間でのドル円は、引き続き自民党総裁選をめぐる政局やトランプ米大統領の動向を注視しつつ、今週のメインイベント・8月米雇用統計を待つ相場になるだろう。また、経済指標では7月の毎月勤労統計調査に注目したい。
来週8日(月)、自民党では総裁選の前倒しを求める投票が行われる。国会議員は署名・捺印のうえで、10時から15時までに文書を党本部に提出する。総裁選の前倒しには、国会議員295人・47都道府県の代表1人の計342人の過半数(172人)の賛成文書が必要だ。提出をめぐり各議員、派閥の間で様々な動きが報じられ、すでに内閣からも10人超が賛成を表明しており、総裁選が前倒しとなる可能性は高い。
総裁選前倒しは、通常であれば総裁のリコールとみなされ、現職総裁が出馬することはほぼない。ただし、自民党の党則で出馬が制限されているわけではなく、石破首相が再出馬する可能性も否定できない。また、前倒し選挙となった場合は、党員投票を行わない簡易方式か、党員票を含めた投票かで総裁選の行方が全く異なる。これらの状況次第で、金融市場も動意づくだろう。
仮に、財政規律を重視するとみなされてきた石破首相が出馬しない場合は、海外投資家を中心に超長期債売りや円売りに反応しやすいだろう。ただ、前回の自民党総裁選と異なるのは、ポスト石破となる議員の名前があまり挙がっていないこと。裏金や統一教会問題で世論の反感を買う議員の票を得られなければ、総裁選で勝つのは難しく、推薦人をめぐるジレンマに陥っている。次期総裁候補の政策が不透明なため、一方的に円を売り込むのが難しい。
経済指標では、ここ最近の市場の反応は鈍いが、7月毎月勤労統計調査の中で発表される実質賃金に注目したい。実質賃金は今年に入り6カ月連続でマイナスだが、7月もマイナス予想。賃上げはこの何年も物価上昇に追いつかず、自民党は参院選で「物価に負けない持続的な賃上げ」を掲げた。総裁選前倒しの可能性が高まる中、次期総裁候補が新たな物価対策を打ち出すのか、それとも物価高を上回る賃上げという非現実的な主張を繰り返すのかは、金融市場にとっては気になるところだ。
国外では、日本時間午前はトランプ米大統領をめぐる動向や、大統領の突発的に発せられるSNSでの発言にも要注意。トランプ大統領は昨日、連邦取引委員会(FTC)のスローター委員の解任を認めるよう最高裁判所に求めた。大統領による解任にもかかわらず、下級裁判所はスローター委員の復職を命じている。クックFRB理事の解任と同じく、正当な理由もなく民主党系要人を次々に解任する大統領の独裁的姿勢に、市場はFRBなど公的機関の独立性低下を懸念している。
大統領に関する様々な問題(クック理事解任、相互関税の権限、州兵派遣、大学助成金停止ほか)が法廷で争われているが、トランプ大統領にとってこれまで不利な判決が多い。最高裁判所判事はトランプ派が過半数を占めているものの、今後の行方はまったくの不透明で、米国の混乱がこのまま続く可能性が高いだろう。
日本の政局やトランプ大統領などに大きな動きが見えなかった場合は、アジア時間は凪相場になりやすそうだ。なお今週に入り、米国の雇用指標で上下を繰り返しているが、本日は大トリとなる8月雇用統計が発表される。これまで通りに「非農業部門雇用者数変化、失業率、平均時給」の結果も重要だが、先月大きく下方修正された前2カ月分の修正にも要注目。また、米労働省労働統計局(BLS)長官が、米国議会議事堂襲撃事件にも加わったトランプ大統領の熱狂的支持者のアントニー氏に代わったこともあり、指標が操作されるリスクにも留意しておきたい。
(松井)
DZHフィナンシャルリサーチ提供: 2025.09.05
作成日
:2025.09.05
最終更新
:2025.09.06
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