作成日
:2025.09.01
2025.09.03 03:44
先週末の海外市場ででドル円は、米長期金利の上昇を手掛かりに一時147.41円まで値を上げた。もっとも、その後はさえない米経済指標を受けて上値を切り下げ、147.00円を挟み神経質に上下した。ユーロドルは1.1709ドルまで8月25日以来の高値を更新したが、引けにかけては1.1680ドル台まで伸び悩んだ。
本日の東京時間でのドル円は、147円を挟んで方向感のない取引になりそうだが、リスク要因としてはやや上値が重くなるか。
先週は8月末特有の値動きで、本邦の実需勢を中心にリバランスを含めたドル買い意欲が強かった。昨年も同様の動きだったが、9月に入るとドル買い意欲が減少しており、今年も下押しへの警戒感がある。ただ、本日は米国がレーバーデーで休場ということもあり、大きな値動きを期待するのは難しいかもしれない。
ドル売り・円買いの要因は先週同様に、日本と米国の金融政策の方向性の違いが明確に分かれていること。先週発表された7月の米個人消費支出(PCE)デフレーターや食品エネルギーを除いたコア指数は、前年比で2%後半だった。インフレの低下傾向が目立った結果ではないが、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウォッチ」によると、9月FOMCで0.25%の利下げ織り込み度は、前日とほぼ変わらず80%後半を維持したままだ。
米連邦準備理事会(FRB)が2大責務の中で「物価の安定」から「雇用の最大化」へと軸足を移していることで、市場の利下げ期待は変わらない。一方で、日銀の利上げ期待が高まっていることもあり、9月の両中銀での金融政策の方向性の違いがドル円の重しになるだろう。明日2日は、氷見野日銀副総裁が道東地域金融経済懇談会で挨拶を行う。植田日銀総裁に続いて副総裁からタカ派寄りの発言が出た場合は、更に円金利の上昇が予想される。
さらに、トランプ政権による独裁政治の動きが加速していることで、米国に対する信頼性が損なわれていることもドル売り要因。先月はマッケンターファー米労働省労働統計局(BLS)局長、クックFRB理事、そしてモナレス疾病対策センター(CDC)所長など、正当化される理由が乏しいのにもかかわらず、多くの政府要人がトランプ政権から解任を言い渡された。特に、クックFRB理事の解任問題でFRBの独立性危機への懸念が高まり、2年債などの中期ゾーンの利回りが低下し、インフレ制御が困難になるとの見方で30年債利回りが上昇するなど、多くの弊害が出始めている。
本日は、アジア時間では本邦から4-6月期の法人企業統計調査が発表され、豪・NZからは住宅建設許可件数、中国から8月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)などの経済指標が発表される。しかし、どの指標に対しても市場が動意づくのは難しいだろう。
本邦の報道の扱いは限られているが、先週後半から海外で多く報じられているのは、昨日から本日まで中国・天津で行われている2025年上海協力機構(SCO)首脳会議。すでに昨日インドのモディ首相が7年ぶりに訪中し、習近平国家主席と両国関係の改善加速で一致した。また、同様に昨日訪中したプーチン露大統領は、SCO首脳会談後3日に行われる抗日戦争勝利80周年の軍事パレードにも参加予定だ。米国から50%の高関税を賦課されるインドが、中露に接近していることに米国も警戒感を強めている。トランプ大統領がSNSで新たな制裁などを企てようとした場合、市場が急変するリスクもありそうだ。
(松井)
DZHフィナンシャルリサーチ提供: 2025.09.01
作成日
:2025.09.01
最終更新
:2025.09.03
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