作成日
:2025.07.11
2025.07.11 11:05
◆豪ドル・NZドル、両中銀の利下げ停止で堅調
◆豪ドル、雇用統計に注目
◆ZAR、米関税は短期的に影響も中長期では脱米国姿勢鮮明に
予想レンジ
豪ドル円 94.50-99.00円
南ア・ランド円 8.10-8.50円
7月14日週の展望
豪ドルは堅調な動きとなりそうだ。今週7-8日に開催された豪準備銀行(RBA)理事会では、市場の25ベーシスポイントの利下げ予想に反し、政策金利を3.85%に据え置いたことが豪ドルの支えになりそうだ。RBAは今年に入り金融緩和へと舵を切ったが、「今後はインフレ率が持続的に2.5%に到達することを確認するのを待って判断を下す」とした。
来週は、RBA理事会の声明文で「労働市場は強く、依然としてタイト」との見解が示されたこともあり、17日に発表される6月の雇用統計で確認することになる。5月は新規雇用者数が減少したが、RBAの見解通りに雇用者数の下振れは先月だけの一過性のものであれば、来月も政策金利は据え置きの可能性が高まる。一方で、6月も前月同様に新規雇用、中でも常勤雇用者数が伸び悩んだ場合は8月11-12日の理事会では利下げ予想が高まるだろう。なお、その他の経済指標では、15日に7月ウエストパック消費者信頼感が発表予定。
ニュージーランド(NZ)ドルも同様に底堅い展開を予想している。9日にNZ準備銀行(RBNZ)が金融政策を公表し、政策金利を据え置いた。声明文では、「年間消費者物価上昇率(CPI)は、2025年半ばにかけて金融政策委員会(MPC)の目標バンド(1-3%)の上限に向かって上昇する可能性が高い」との見解が示された。昨年8月から6会合連続で利下げし、政策金利を5.50%から3.25%まで引き下げたが、「中立金利にも近い水準」とホークスビーRBNZ総裁が言及したように、利下げの停止が豪ドル同様にNZドルを支えそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)も堅調予想。今週は南アがトランプ米政権による8月1日からの30%の関税賦課対象国に選ばれたことで、一時ZARが弱含む場面があった。ただ、既にこれまでに南アと米国の関係はこれ以上ないほど悪化しており、関税賦課はサプライズではない。南アは小規模な新興市場経済国であるため、先進国で消費者主導型の経済である米国への輸出量が輸入量よりはるかに多いことは当然。貿易不均衡を解消する術は限られる。短期的には米国による高関税賦課の影響を受けるだろうが、ラマポーザ南ア大統領も国内輸出業者に対し、輸出先の多様化への取り組みを加速させるように促しており、脱米国が進めば影響は徐々に弱まるだろう。なお、南アはBRICS加盟国だけでなく、すでに中国からアフリカ諸国は無税の輸出が確約されている。来週の経済指標は16日に5月小売売上高が発表される程度で、市場は引き続きトランプ米政権の動向に左右されそうだ。
7月7日週の回顧
豪ドルは堅調。対円ではドル円の上昇に連れて2月以来となる96円前半まで上昇。また、利下げ予想だったRBAが政策金利を据え置いたことや、堅調な株式市場が豪ドルを支えた。ZARも底堅かった。トランプ米大統領がBRICSに同調する国に対して関税の上乗せを示唆したことで売られる場面もあったが、売り圧力も限定的でリスク選好の動きが下値を支えた。(了)
(執筆:7月11日、9:00)
DZHフィナンシャルリサーチ提供: 2025.07.11
作成日
:2025.07.11
最終更新
:2025.07.11
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