作成日
:2025.04.08
2025.04.08 08:01
昨日の海外市場でドル円は、米長期金利が大幅に上昇。1700ドル超下落していたダウ平均が持ち直し、一時890ドル超上昇したことも相場の支援材料となり148.15円まで上昇した。ユーロドルは一時1.0902ドル付近まで弱含んだ。
本日の東京時間のドル円は、流動性が悪化していることで、ポジション調整の動きも値幅を大きく伴うことが予想され、引き続き乱高下を繰り返すことになりそうだ。ただ、昨日は債券やナスダック総合には調整が入ったが、米国の相互関税導入による大きな流れは変わらないことで上値は限定的か。
市場の注目は関税政策及びその経済的な影響に集まっている。市場関係者の一部では、トランプ政権が関税政策の一時停止や緩和措置を行うことを期待していたが、週末から週明けに伝わった政府関係者(トランプ米大統領、ベッセント米財務長官、ラトニック米商務長官)の発言は、関税に関して延期などをすることを全面的に否定し、強気な対応を継続することを発表している。昨日もハセット米国家経済会議(NEC)委員長の発言として「90日間の関税一時停止」という報道が伝わったが、これもホワイトハウスはフェイクニュースと否定している。更にトランプ大統領は「貿易赤字が解決されない限り中国と取引しない」と述べ、貿易戦争が長期化することも示唆している。また、株式市場については下落を望んでいないとはしたものの「時には薬を飲まなくてはならないときもある(sometimes you have to take medicine)」と発言し、株式市場の大幅安についても許容している。昨日のCME225先物は32225円と7日の大阪取引所比で1265円高で引けたことで、本日の日経平均株価の上昇も期待され、為替市場も揺り戻しが入り、ドル円も買い戻される場面もあるだろう。しかし、リスク回避の動きが終了したとはいえず、基本的なドル円の売りトレンドは継続しそうだ。
ドル円の売り圧力が変わらないと思われるのは、本邦の特殊事情もある。防衛面で米国に依存していることで、日本は対抗措置(米国に対する関税強化)を取ることができない。日本は米国にとって7番目の貿易赤字国となっていることで、貿易不均衡の流れを変えるまではトランプ政権が相互関税の割合を変更するのは難しそうだ。また、平均年収は米国が日本のほぼ倍ということもあり、米国に製造業を移転するのは容易ではない。よって、貿易不均衡解消のために、日米間で40年ぶりとなる円高・ドル安誘導、すなわち第2プラザ合意が行われる可能性も否定できない。不均衡解消の切り札が少ない中で、昨日に石破首相はトランプ大統領と電話会談をしたようだが、どのような交渉を行ったかには注目したい。
更に、先週1日に発表された3月の日銀短観で2025年度の全規模・全産業の想定為替レートは147.06円(上期147.17円、下期146.95円)、大企業製造業は147.35円(上期147.43円、下期147.28円)ということで、ドル円の上昇局面では輸出企業を中心に売り意欲が強まることも重しになるだろう。
なお、本日は本邦の国際収支や景気ウォッチャー調査などが発表される。市場が動意づくことは期待できないが、国際収支の中の貿易収支、特に対米黒字額には目を配りたい。今後、この黒字額が米国の相互関税により、どのように推移するかが注目される。
(松井)
DZHフィナンシャルリサーチ提供: 2025.04.08
作成日
:2025.04.08
最終更新
:2025.04.08
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